葉のブログ

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【感想と考察】『【推しの子】』163話「君」【漫画】

 2週間休載が続いた『【推しの子】』。

 久しぶりの更新だ。

 2024年10月24日発売「ヤングジャンプNo.47」で『【推しの子】』本編の最新163話「君」が掲載・更新されています。

 前回感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

 また、150話を受けて重曹とアクアの関係性の変遷の整理や今後の展開の考察を少しだけした記事を作成しています。こちらも気になる方は是非。

isoisogingin.hatenablog.com

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 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、随分と前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

 ※約3年ほど前の記事になります。

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 なので、以下に含まれる感想の内容にも『【推しの子】』の恋愛要素(特にアクかな)に焦点を当てた内容が多くなります。上記内容が苦手な人、宗派が合わない人はブラウザバックしていただければ幸いです。

 最新15巻が2024年7月に発売しています。

 表紙はあかねと重曹。

163話「君」感想と考察

アクアの存在

 以前からこのブログでも言及している通り、”アクア”と言う人物には2つの精神性がある。今回はそれらをひっくるめて「君」と呼称される。つまりはゴローから引き継いだ大人な精神性。つまりは歪ながらも年相応に人生を歩みなおした子どもとしての精神性。当然、それら全てがアクアマリンという人物には違いない。

 そんな彼が死ぬ間際に見る光景。

 つまり、走馬灯が描かれる。

 その世界は正しくIFストーリー。仮にさりなの手術が成功して存命し、「B小町」のオーディションに合格し、アイドルとして活躍したら。そんなIFは、ルビーをさりなと重ねた並行世界の物語であると言える。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』163話 より

 そして、その光景はアクアにとって幸せに違いないのだ。アクアもといゴローが思い描く「あの時こうだったら」という叶わなかった物語。それが描かれているのだから甘い夢以外の何者でもない。

アクアの人間性

 結局、アクアは意識が薄れゆくその瞬間まで自分は「アクア」なのか「ゴロー」なのかという精神性に疑問を持つ。どこまで行っても、アクアは自分の選択に自身が持てないのである。「選択に自信が無いなら、死ぬな!」と叫んでアクアを叩き起こすようなツッコミを入れたいところであるがここは我慢する。そもそもアクアが一人で抱え込まなければ、他の解決策はあったと思う。

 対話相手のツクヨミはアクアのことを肯定し、今まで描かれてきた様々な側面を全てひっくるめて「星野アクア」だったと言う(本名は「アクアマリン」では…?)。そして、ツクヨミはアクアに別れを告げて見送るのだ。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』163話 より

アクア死亡エンドか

 このまま行くとバッドエンドに見える。

 ただし、私は逆張りヲタクであり、ハッピーエンド厨なので、少し今回のは話も踏まえて展開について考察をしたい。そこで今回考察するのは①アクアが死亡することによってルビーが闇落ちするジレンマ、②ツクヨミが『星野アクア』と呼称する理由の2つである。

 1つが、やはり気になるルビーの今後である。仮にアクアが死亡したと仮定する。その場合、重曹やあかね、MEMを含め多くの関係者が衝撃を受け、悲しみに暮れるだろう。そんな中で闇落ち確定の前科持ちがルビーである。

 ルビーはゴローの死体を見て闇落ちし、復讐のために手段を選ばずに人を間接的にそうさするような嘘を吐いた。それは正しくカミキの姿とそっくりである。そしてそのアイドルとしての姿がアクアが求めるアイドル像ではないことは確かだ。

 となれば、前回感想記事でも指摘したが1つのジレンマが発生する。アクアはルビーを守るために自身を犠牲にした。しかし、アクアの死亡はルビーを闇落ちさせ、アクアが守りたかった本来のルビーの姿ではなくさせるのだ。

 このジレンマに対して、アクアの死体が見つからなければ良いというコメントが前回感想記事についていたが、それには個人的に反論したい。ルビーとゴローは生活圏も異なれば、関われるような距離感に居なかったために、死体発見まで闇落ちしなかった。しかし、仮にもアクアとルビーは兄妹である。仮に死体が見つからずとも行方不明となっただけで闇落ち確定ではないだろうか?

 つまり、アクアが生きて帰らねば、ルビーは闇落ちしてしまうのではないかということだ。逆にこの展開で闇落ちしないのならば、ゴローに対して闇落ちさせたこと、アクアとゴローを同一視していることが意味を為さなくなってしまう。

 2つ目に、最新話でのツクヨミの台詞である。今回は上段で解説した通り、『君』という存在の精神性について語られた。『君』とは当然アクアでありゴローである。そんな彼女が言うのは「その全てが『君』で『星野アクア』だったよ」という言葉である。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』163話 より

 上記の台詞はアクアの生き様に対しての称賛である。ここで注目するのは『星野アクア』という呼称である。ツクヨミはそれ以前のアクアとの対話でゴローのことを『雨宮吾郎』と氏名フルネームで称する。そう考えると、生き様を評するのであれば『星野愛久愛海(アクアマリン)』が正しいと思う。

 では、『星野アクア』という名称は何か。それはアクアの芸名である。アクアは役者や演者として活動する際に愛久愛海ではなく、アクアという名前を使っていた。ではアクアが芸能活動を始めた理由は何か。それはカミキへの復讐である。

 そこで『星野アクア』という表記を敢えて、アクアの中の復讐のために演じてきた役者としての精神性の部分だけだと捉える。そうすると、ツクヨミが認める通り『星野アクア』としての役割は全うした。だから、今後は『星野アクア』ではなく、ただの『星野愛久愛海』として生きることを肯定する。

 そんな表現とも捉えられないだろうか?

 難しいかもしれない。

 私としてもこじ付けに感じる。

 それでも今回はこんな考察を置いておく。

今週の重曹ちゃん

 出番なし!

次回更新は

 次回更新は2024年10月31日(木)の予定である。

【感想と考察】『尾守つみきと奇日常。』43話「つみきさんと晴れ。」【漫画】

 2024年10月23日にサンデーうぇぶりで『尾守つみきと奇日常。』最新43話「つみきさんと晴れ。」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

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43話「つみきさんと晴れ。」感想と考察

友孝くんの選択

 崖から落ちたつみきさんと友孝くん。友孝くんを庇って怪我をし、それでも尚つみきさんは平気な様子を見せる。

 前回感想記事でも記載した通り、つみきさんは鈍感なのだ。自分が人間より丈夫故の「"人間に比べたら"大丈夫」。それは必ずしもつみきさん本人が平気なことを意味しない。

 そして、それを本人に伝えられるのは友孝くんがつみきさんと一人の存在として真摯に向き合っている証拠だ。大事だからこそ頼ってほしい。

 友孝くんはつみきさんに平気なフリをしてほしくないのだ。これはつみきさんのお父さんの願いとも一致する。

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Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』43話

 そして、この願いはつみきさんにとってはブーメラン。かつて、友孝くんが風邪を引いたときにかけた言葉でもある。

 そう思うと、恋愛感情かどうかは別として友孝くんもつみきさんも互いに間違いなく大事だと思っている。これが、てぇてぇという奴だ。

つみきさんの反応

 普通に考えてほしい。人に大切だと言われて嬉しくないはずがない。そして、それが同年代の異性ならば尚更である。

 加えて、普段はつみきさんが背負う側であるが、今回は友孝くんがつみきさんをおんぶする。つまりはつみきさんにとってはなかなか無い状態だ。普段とは逆の構図に対比されている。

 だから、その時間を噛み締める。

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Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』43話

二人が探すモノ

 元を辿れば、人に流されやすい友孝くんの自分の気持ちを見つけたいというところから始まった二人の関係。それが生徒会編を経て”好き”の気持ちを探すことになった。そして今回の二人の会話から友孝くんは未だ分からないと言う。

 一方で、友孝くんは”大事”という感情はあるのだ。それもつみきさんに対して明確に答えらえれる感情として、である。十人十色。人には人の乳酸菌。大事という感情と恋愛感情はイコールの場合もあるし、必ずしも同値ではないこともある。

 だから、つみきさんは友孝くんと「一緒に探す」約束をする。これにはいくつかの考察ができる。例えば、つみきさんも恋愛感情が分からないため一緒に探すということ。例えば、つみきさんは恋愛感情を理解しており、友孝くんを想っている。だからこそ一緒に探したいと宣言をした。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』43話

 

 今の文脈ではどちらかと言えば前者の方が近いだろうか。つみきさんも友孝くんに対しては「好き」というよりは「大事」が近いのだろう。ただ、一方で生徒会長と友孝くんの交流を見て嫉妬するような独占欲も垣間見える。

 だから、”大事”と”好き”に明確な線引きは無いのかもしれない。好きだから大切な存在になる。自分の中で大切な存在で、その中でその人の”好き”が見えてくる。そんな自然な移り変わりがこの物語では描かれているだろう。

主のイチオシシーン

 友孝くんが「大事」と言ってくれたことを、誰に言うでもなく、自身の心の内にしまっておくことにしたつみきさん。ウェアウルフのつみきさんは大事なお弁当を土の中に隠したこともあった。それと同様に、今回の経験もつみきさんにとって好ましいことであったと考察される。だからこそ閉まっておくのだ。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』43話

 

【感想と考察】『尾守つみきと奇日常。』42話「つみきさんと野外活動。」【漫画】

 実は第1話から個人的にひそひそと読んでいた『尾守つみきと奇日常。』。どうやら連載も1周年を向かえたようだ。

 そして、このタイミングにて本ブログでも感想と考察を定期的に書いていこうと思う。どうぞよしなに。

 2024年10月16日にサンデーうぇぶりで『尾守つみきと奇日常。』最新42話「つみきさんと野外活動。」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

42話「つみきさんと野外活動。」感想と考察

野外活動編スタート

 さて、36話頃より続いていた夢中先輩を含むストーリーに一区切りがつき、友孝くんとつみきさんは野外活動というイベントに突入する。生徒会の野外活動としてのボランティア合宿。参加メンバーは友孝くん、つみきさんに加えて、夢中先輩、杉見さん、千賀くんである。

 Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』42話

 千賀くんは夢中先輩が友孝くんを狙っていることを気づいての監視目的。杉見さんは安定の観察目的。夢中先輩は友孝くんとの関係性を近づけることを狙っている。当然であるが、本来の目的としては、ボランティアとして森林清掃に取り組むことだ。

つみきさんの鈍感

 42話で注目すべきポイント。それはつみきさんが素手で熱々のナベの取手を掴むシーンだ。人間と幻人が関わり合う多様性の時代。幻人の人間離れした能力は度々描かれてきた。そしてそれ故の苦悩があることも描かれてきている。

 今までの描かれてきた幻人としての行動の中でも今回のものは突飛である。治癒能力があることは既出である。しかし、幻人とは言え傷つくのが痛くないはずがないのだ。

 つまり、これはつみきさんの鈍感。

 Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』42話

 つみきさんはウェアウルフの中でも特に人間に近い見た目をしている。そのため、家族からウェアウルフが人間社会に出る勇気を与える存在として言葉をかけられてきた。当の本人は2話でそれを否定している。「妹にマウントを取るため」。それがつみきさんが外の世界に出る目的であると語られている。

 しかし、当の本人がウェアウルフの架け橋になっているかどうかは関係ない。様々な感性を育てる小さいうちから、能力や特性の異なる人間と関わる中で全く歪みが発生しないとも思いきれない。

 実際34話で、つみきの父はつみきのことを「平気だから心配」と評している。小さいころから何でも無さそうな様子は健在であったらしい。実際に小学校の時に幻人の友達と喧嘩した時も何事もなかった様子だった。

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 Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』34話

 だから、これはつみきさんの長所でもあり、短所でもあるのだろう。マイペース故の鈍感さを長所だとすれば、自分の痛みや傷を顧みないその姿が短所でもある。

 そして、その姿が読者同様に友孝くんにも引っ掛かるのだ。

つみきさんと友孝の落下

 つみきさんと友孝は今まで何回か特大ジャンプを経験している。学校の窓からの飛び降りが最たる例だ。それはつみきさんの幻人ゆえの身体能力があってこそだ。しかし、いくら幻人と言えど、予想できない落下は対応のしようが無い。

 急激な雨によって緩んだ地盤。友孝くんとつみきさんがちょうど立っていたその場所は雨によって崩れて、二人は崖から落下してしまう。流石のつみきさんも友孝くんを庇うことに精一杯。つみきさんのお陰で友孝くんに大きな怪我はない。しかし、つみきさんは足に怪我を負ってしまう。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』42話

 ただ、それでもつみきさんは笑うのだ。

 自分の怪我など何ともない。

 治癒が終わり次第、友孝を担いで崖を登る。

 ここでも友孝くんは前項のつみきさんへの表情と同様のものを見せる。つまり、友孝くんはつみきさんをあくまで”一人の存在”として扱っている。人間だとか幻人だとか関係ない。優れているとか能力があるとか関係ない。

 ただ、一人の存在。そう考えると火傷が痛くないはずがない。落下で足を怪我することが痛くないはずがない。治癒能力があっても本来であれば笑顔なんて出来ない。だから、それはつみきさんの鈍感。

 そして、こういう時に鈍感ではないのが友孝である。恐らく、つみきさんを”一人の存在”として寄り添うのではなかろうか。と言うよりそうであってくれ。

主のイチオシシーン

 薪を限界まで抱えるつみきさん。

 ウェアウルフの習性か、割っているうちに楽しくなったと思われる薪。タオルを首から提げて薪を抱えるその姿はまるで銭湯終わりのオジサン。ただ、その自信満々の表情が圧倒的につみきさんらしさ溢れている。

 MAKIのオノマトペもいい味を出している。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』42話

 

【感想と考察】『正反対な君と僕』63話「処理落ち」【漫画】

 2024年10月14日に少年ジャンプ+|人気オリジナル連載が全話無料!の最強WEBマンガ誌 (shonenjumpplus.com)『正反対な君と僕』最新63話「処理落ちが更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前話の感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

 因みに私の推しはタイラズマです。タイラズマ回はテンションが爆上がりしています。皆でタイラズマを全力ですこりたい。タイラズマだけをまとめた昔の記事などもあります。是非参照頂ければ。

isoisogingin.hatenablog.com

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 最新7巻が、2024年8月に発売しています。

 表紙は我らが最推しのタイラズマ。勿論、収録されている内容もタイラズマ要素が多い絶対買わなくてはならない最新巻だ。

63話「処理落ち」感想と考察

鈴木の言葉の捉え方

 さてさて、今回は鈴木谷回。

 以前、谷が進路で悩んでいる際に鈴木は「距離を置こっか」と提案をした。これは、鈴木視点では谷の選択の邪魔をしたくないという意味合いが強い。つまりは、谷には自分がやりたいことを自由に実現してほしいという想いの表れだ。

 そのシーンでの谷の反応を覚えているだろうか。鈴木の言葉を受けての谷の返答は「進路のことちゃんと考えてみる」「距離を置くなんて言わないで」である。その反応から距離を置くというインパクトが尾を引いているのだ。

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Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』59話 より

 すなわち、谷は進路を考えなければいけない(=できないと距離を置かれる)という強迫観念に近いものに捉える。これは鈴木の視点では前向きな意味合いである。一方で、谷にとっては鈴木に勉強に関するマイナスのことを伝えると、それが「鈴木の存在が勉強の邪魔をしている」と捉えられ、今度こそ別れられかねないと考える。

 そこで食い違いが起こっているのだ。

谷のストレス

 受験勉強は大変である。筆者自身も過去に経験をしたことがあるが、どれだけ勉強をしても満足いくことなんてない。100点なんて大学受験でそうそう取れるものではない。だから、毎回間違いはあるし、覚えていないものも判明する。勉強をして、テストをして、また勉強する必要がある部分が出てくる。その無限ループだ。

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Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』63話 より

 その一方で、谷は鈴木と別れたくない。むしろ本来であれば、一緒に居る時間を増やしたい。その結果として、鈴木にさえ分かるほどに疲れている様子を谷は見せる。

 ただし、泣き言は言えない。何故なら、それがキッカケで別れるという話にしたくないのだ。これに関しては前項にて説明した通りだ。

二人のクリスマス

 そんなこんなで迎えるクリスマス。二人の会う頻度は変わらず、むしろ増えている。一方で鈴木視点では、明らかに無理をしている谷にどうすることもできない状況が続いていた。鈴木としてもモヤモヤするのだ。

 その様子を見て、谷は鈴木に対して「大丈夫?」と声をかける。これに関しては、鈴木視点で最新話を読んできた読者も全員鈴木と完全同意であろう。誰が言うてんねん、と。鈍感主人公極まれり、である。

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Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』63話 より

 このタイミングを逃すまい、と鈴木は谷に対して無理をしていないかを再度問いかける。そして、谷も改めて自覚をしたうえで、素直に自分が無理をしていることを認めるのだ。

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Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』63話 より

 この二人は、ずっとずっと正面から話し合いをして、お互いの違いを認め合って、大切な関係性を築いてきた。今回も例に漏れない。そして、その二人の姿が読者としてはどこまでも愛おしく、素敵に見えるのだ。

 こうして内面を曝け出せるような関係性。鈴木と谷の関係性は、今回の一件を経て今まで以上に深まったと言える。そして、物語は受験を終えて、卒業式へと行くようだ。

 卒業式、そしてその後の皆でのお出かけ、そしてタイラズマの進展。高校を卒業したって目が離せない展開が多すぎる。是非とも大学生編として、彼ら彼女らの物語を引き続き描いてほしい。

主のイチオシシーン

 本当に阿賀沢先生はキャラの抱える内面と、人から見える客観的な外面を表現するのが上手い。これは前作の『氷の城壁』からである。そして、それが前作や『正反対な君と僕』のテーマであることは間違いない。

 それが良く表れているワンシーン。

 鈴木がハッキリと主観の自分と谷から見た自分像の違いを主張する。このように主張できることは理想的かもしれない。ただ、当然誰に対してもこれを伝えるのは難しい。だからこそ、彼氏彼女や重要な友達といった、関係性が深い人には伝えたい。

 そう考えると、当たり前であるが鈴木にとって谷が大切な人であることも描かれていることになる。相変わらずこの作品は隅から隅まで素敵なのだ。

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Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』63話 より

次回更新は

次回更新は恐らく2024年10月28日(月)になると思われる。

 

【感想と考察】『【推しの子】』162話「星野アクア」【漫画】

 2024年10月2日発売「ヤングジャンプNo.44」で『【推しの子】』本編の最新162話「星野アクア」が掲載・更新されています。

 前回感想記事はこちら。

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 また、150話を受けて重曹とアクアの関係性の変遷の整理や今後の展開の考察を少しだけした記事を作成しています。こちらも気になる方は是非。

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 私は重曹推しです。

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 それについて、随分と前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

 ※約3年ほど前の記事になります。

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 なので、以下に含まれる感想の内容にも『【推しの子】』の恋愛要素(特にアクかな)に焦点を当てた内容が多くなります。上記内容が苦手な人、宗派が合わない人はブラウザバックしていただければ幸いです。

 最新15巻が2024年7月に発売しています。

 表紙はあかねと重曹。

162話「星野アクア」感想と考察

復讐の結末

 アクアが選んだ復讐。それは、自決してカミキと一緒に海に飛び込むこと。事実が「アクアがカミキを殺した」であっても、自決したことによって客観的な解釈は「カミキがアクアを殺した」になる。それを見越した上での策である。

 海の中で必死にカミキの首を絞めようとするアクア。しかし、それよりもカミキに大きな傷を負わせているのは落下時に岩場に頭をぶつけたことのようだ。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』162話 より

 描写として、カミキには走馬灯が見えている。具体的にはゴローの影が描かれているが、その他にも海の底から手が伸びている。当然であるが、漫画的表現であり、カミキの精神世界という解釈で間違っていない。つまり、カミキは今まで殺してきた人に引っ張られている=海の底に沈んでいっているということの比喩的表現である。

 結局、沈んでいく意識の最後の瞬間までカミキはアイのことしか見ていない。どこまでいってもカミキの視線は過去に向いたままなのだ。過去に見てしまった眩しい輝きを忘れられないために、現在に至るまで同様の輝きを求めて殺人を犯した。

 カミキは最後の瞬間まで悪役であった。

アクアが転生した意味

 カミキが沈むのと同様にアクアの意識も沈んでいく。その中でカミキは自身の転生の意味を「ルビーを守るための存在」と定義する。大前提として、読めば分かるがこれは恋愛感情では無い。

 結局、この物語はアイに始まり、アイに終わるのだ。アイと同様の輝きを持って転生したルビー。そのルビーも前世でアイに影響をされている。そして、殺人犯であるカミキも同様にアイの輝きを求めて殺人を犯す。そんな物語の中で、展開は必然的にカミキとルビーを引き合わせる。だからこそ、それを阻止することがルビーの傍に生まれたアクアの意味。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』161話 より

 定義は良しとして、アクアが自身の殺人を許容していることは悲しい。例え死ぬことになってもである。この後に考察するが、アクアは生存ルートもあり得る。死んだ場合はバッドエンドとして生存した場合もこのままでは正直救いようがない。

アクアとカミキの生死

 さて、では気になるのはアクアとカミキの生死である。後述するが、次号、次々号と休載のため次回更新までは日が空く。そして、そのような時、赤坂アカ先生は何かしら逆転展開を持ってくることが多いと感じる。それを踏まえた上で予想していきたい。 

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』162話 より

 まず、カミキ。カミキに関しては死亡の可能性が高い。理由は2つ。1つが、走馬灯として、亡き人から引っ張られ海に沈んでいく様が描かれていること。2つめが、カミキが生存した場合、アクアの生死に関わらず復讐は失敗し、ルビーの芸能人生は失脚し身が危険にさらされるからだ。

 というのも、アクアの復讐シナリオはカミキの死亡を前提に作られている。カミキが死んでしまえば、アクアが死んだとしても刺傷痕からカミキが加害者として疑われる。アクアが生きた場合は、アクア自身が嘘を吐けばよい。そのような狙いである。であれば、ここでカミキが死なないということは、メタ的な考察にはなってしまうが考えにくい。

 次にアクア。アクアに関しては生きている可能性も高いと考える。まず前回、前々回感想記事でアクアが防刃チョッキを着用しており、演技である可能性も考察していた。子の考察自体は外れである(お恥ずかしながら)。ただ、それを踏まえても生きている可能性が高いことを根拠づけていこうと思う。

 第一に、アクアの生死は復讐に関係ない。これは上述した通りである。この物語の大一番であるアクアの復讐。これは「アクアが刺されていること」「カミキが死亡すること」の2条件を満たせばアクアの生死は問われていないのだ。これは生きている根拠ではなく、死ぬ必要が無い根拠だが記載させていただく。

 2つめに、アクアの目の輝きである。本ブログ記事では以前より目の輝きの色について考察を書いてきた。端的に言えば黒い光は過去に、白い光は未来に対する輝きであると。結局カミキは最期までアイという過去に囚われていた。一方でアクアの意志は「ルビーの未来」という未来方向に向いている。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』162話 より

 目の輝きが極限まで小さくなっていることから、意識を失う寸前・死ぬ寸前であることは確かであるとも捉えられる。ただし、それでも未来を向いているということが重要だ。カミキが拘る過去と異なりアクアが望む未来は可変的なものである。

 そのような中で、アクアは自身の役割を「ルビーを守るため」と定義した。ただし、改めて伝えたい。未来は可変的である。カミキという脅威が取り除かれたとしても、ルビーは芸能界の道を進むうえで様々な困難にぶつかり、様々な脅威にさらされる可能性は高い。つまり、アクアのが定義する転生の役割はカミキの死で終わるものではないのだ。

 そして最後に3つめ。私的な感想になるが、アクアが死んだ場合、恐らくルビーや重曹は悲しみに暮れる。ルビーに至ってはアクアの死、ゴローの死という過去に囚われて目の輝きが再び黒くなるようなことも考えられる。そして、その姿はアクアが思い描くような芸能界での成功、ルビー本来の輝きとは異なるのではないか。

 今回の復讐をアクアは「アイを殺されたこと」という過去に対する復讐ではなく、「ルビーを守るため」という未来に向けた復讐と定義している。しかし、アクアの死という要素は「ルビーを守るため」という未来の先にある、本来目指すべき輝きが失われる本末転倒な状態を作り出すのだ。

 これらの要素を鑑みた上で、赤坂アカ先生が敢えて2回分の更新を休載するか。それはアクアの死亡フラグを全読者に読み取ってもらった上で、どんでん返しがしたいから(2回分更新を空けるとジャンプラの人も確定で1回分は休載を挟む)。つまり、そのどんでん返し要素はアクアの生存である。そう考えることもできる。

今週の重曹ちゃん

 出番なし!

次回更新は

 なんと次号、次々号は休載。

 次回更新は2024年10月24日(木)の予定である。

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.154「僕はどこにいても君を見つける」【漫画】

 2024年10月1日にチャンピオンクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新154話「僕はどこにいても君を見つける」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 気になる前回の感想記事はこちらから。

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 アニメ2期も大人気でした!

 現在、はてなブログの『漫画』グループランキングに参加しております。宜しければクリックしていただけますと、励みになります!

 最新10巻が2024年4月に発売しました。

 

 なんと、劇場版アニメの製作決定!

 マジでおめでたい。嬉しすぎる。

154話「僕はどこにいても君を見つける」感想と考察

大人の判断

 山田が学校イベントに参加不可能になる。これは事務所が山田のプライベートと今後の仕事への影響を鑑みて下した判断だ。

 マネージャーの諏訪さん曰く「僕も戦った」。諏訪さんは市川の存在も認めているし、山田が送る学校生活がかけがえのないものだと理解している。

 だから、この決断は何も山田の意向や状況を全く無視したものではない。そして、大の大人が頭を捻らせて出した結論が「学校イベントの不参加」である。その決断を子どもである市川が覆すことは出来ない。

 だから市川ができることは感謝と理解だ。山田を守るための判断。それに理解を示して、その判断を尊重することしか出来ないのだ。

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Ⓒ 秋田書店 桜井のりお 2024

『僕の心のヤバイやつ』Karte.154 より

 諏訪さんの言葉を借りるなら「物分かりいいフリするの上手い」。当然、市川も山田の不参加を心から受け入れているわけではない。仕方ない故の理解だ。 

山田のお忍び

 山田のためを思っての規制。ただこれは、今よりも更に人気になる今後のためを思ってという割合が大きい。そして、山田にとっては市川が責任者となって作り上げた出し物だ。当然、見たいし、できれば参加したい。

 だから山田は1つ我が儘を言う。

 今後の学校イベントは不参加でも、今日この瞬間の文化祭だけはお忍びで見に行くことを。そしてそれに気づいた半沢さんが市川を呼び止める。

 かくして自分達が作った特大迷路の中で市川と山田は再会する。

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Ⓒ 秋田書店 桜井のりお 2024

『僕の心のヤバイやつ』Karte.154 より

 山田としては、市川が作った出し物を文化祭当日お客さんが楽しんでいる様子は見れた。そしてその光景を市川と共有できたのだ。

市川の決断

 確かに市川は文化祭で責任者として出し物を成功させた。しかし、それはあくまでも子どもの尺度での話だ。学校という閉じた世界での話である。

 山田は世間にバレた。

 諏訪さん曰く「高校卒業後、本格的に露出していく」想定だったが、世間に知られるのが早まった。これ自体は山田の芸能界での道を考えれば悪いことではない。むしろ良いことであろう。

 ただ、判断の基準が、見ている世界が余りにも違う。この事実は山田の撮影現場を見学した際に市川が痛感している。そしてそこから成長もした。

 それでも世界は追い付かない。

 山田のプライベートに制限がかかる。市川だって本当はそんな制限を取っ払いたい。山田に自由に学校生活を送ってほしい。でも、それを実現できる力は今の市川には無い。

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Ⓒ 秋田書店 桜井のりお 2024

『僕の心のヤバイやつ』Karte.154 より

 だから、市川の決断は「外で会うのを止める」というものだ。万が一にも自分の存在が露出し、山田の道を妨げないように。そしてその決断を山田も受け入れる。

 ここら辺は山田が本当に素直に現在の決断を受け入れているのか、心中が描かれるのを期待したい。山田だってモヤモヤを抱え、ジレンマを抱えているはずだ。

 そして、市川のこの決断がどのように今後の進路や関係性に影響してくるか。そこも注目だ。

主のイチオシシーン

 市川の決断を受けての山田のキス。市川が流す涙を舐めている。これは山田が市川の無力感や悲しみを理解し、受け入れている証拠でもある。

 そして、それを理解しているからこそ市川の決断にも素直に頷いたのだろう。

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Ⓒ 秋田書店 桜井のりお 2024

『僕の心のヤバイやつ』Karte.154 より

次回更新は

 『僕の心のヤバイやつ』は、マンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で隔週更新である。次回更新は恐らく2024年10月15日(火)予定だ

【感想と考察】『正反対な君と僕』62話「気晴らし」【漫画】

 2024年9月30日に少年ジャンプ+|人気オリジナル連載が全話無料!の最強WEBマンガ誌 (shonenjumpplus.com)『正反対な君と僕』最新62話「気晴らしが更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前話の感想記事はこちら。

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 因みに私の推しはタイラズマです。タイラズマ回はテンションが爆上がりしています。皆でタイラズマを全力ですこりたい。タイラズマだけをまとめた昔の記事などもあります。是非参照頂ければ。

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 最新7巻が、2024年8月に発売しています。

 表紙は我らが最推しのタイラズマ。勿論、収録されている内容もタイラズマ要素が多い絶対買わなくてはならない最新巻だ。

62話「気晴らし」感想と考察

高三12月の放課後

 高三、12月の放課後。

 それは部活は完全に引退し、指定校推薦の人たちは進路が決まり、一般入試組も志望校がほぼ確定している時期である。ともすれば、基本的には勉強以外することがなく、学校から予備校の時間まで空白の時間が生まれる。

 当然、その時間も勉強をすることで少しでも合格率を高めるというのは正論であるが、常にその集中力を発揮できる訳ではない。そのため、どこかしらで息抜きの時間は必要なのだ。そんな理由で開かれたのが菓子パだ。

Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』62話 より

 また、勉強面では上述した通り、受験前の重要な時期である一方で、学生としては高校生活も残り3か月に迫る貴重な時間である。仲の良い友達とも卒業後は進路を分かつかもしれない。そう考えると「放課後に友達と少し喋る時間」はかけがえのない時間だ。

 当然、大切な友達と時間を共有したいという想いは皆同じである。例えば西さん。7組で菓子パをしていると聞いて向かっていく男子に紛れて一緒に混ざる。これは彼氏である山田との貴重な時間でもあり、また山田の友達と時間を過ごしたいという想いの表れである。

 次に平。8組である平は7組の菓子パに西さんと同じタイミングで合流する。そして、皆でワイワイお菓子を楽しむ光景を眺めて、東にメッセージを送る。この行為自体が平が東と一緒に時間を共有したかったという表れであろう。誘い方が「菓子パしている」という事実だけを記載するのも平らしい。

タイラズマの変化

 一方でメッセージを受け取った東はイツメンの女子たちと教室で駄弁っているところだった。普段の東であればノリ良く、なんにでも付き合ってくれる印象である。しかし、今回は「行ってよいのか」と躊躇っている様子が窺える。

 これは東の恋愛観が高校生活の中で変わったこと、そして平に対して真剣に向き合っていることが読み取れる。佐藤にもそろそろ勘づかれそうな挙動不審具合である。

Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』62話 より

 ただ、東としては平からメッセージが来たこと、菓子パに誘われたことは嬉しくてたまらないハズだ。その意図は「平に東が求められている」ということだ。仮にも一時期東を避けようとしていた平からそんな様子が見られたら、ソワソワしても仕方がない。

 そして、この変化は前回61話で兆候が見られている。そのため、帰り道は平から東を誘っているし、どこかお菓子を買いに行く提案までしている。これはタイラズマの大きな前進である。61話を受けて二人の関係性が進んでいることが見えた。

谷の不安要素

 タイラズマの関係性の前進が描かれる一方で、鈴木の口から「ストイックすぎて心配なくらい」という谷に対する不安要素が出てきた。

 詳細は描かれていないため分からない。谷の性格故に勉強に頑張りすぎているのか、或いは成績が下がっていて焦りから頑張りすぎているのか。受験期は誰しもが精神的に不安定になる。その要因は星の数だけ考えられる。

Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』62話 より

 上述した内容とは別に、以前鈴木から谷に対して「別れる」という可能性を突き付けたことが関係している可能性もある。谷は鈴木と別れたくない。それ故に勉強・受験を完璧に実行して、鈴木が負担になっていないと示さねばならない。それが逆に焦りや自身への負担に繋がっていることも可能性として考えられるか。

 いずれにせよ次回の展開次第だ。

主のイチオシシーン

 今までは興味も無さそうで、実際に東を置いて帰ろうとしていたこともあった。それが平の方から当たり前のように「帰る?」と確認される。これには東もソワソワが止まらないだろう。マジでタイラズマてぇてぇが詰まっている。

Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』62話 より

次回更新は

次回更新は恐らく2024年10月14日(月)になると思われる。

 

【感想と考察】『【推しの子】』161話「未来」【漫画】

 2024年9月26日発売「ヤングジャンプNo.43」で『【推しの子】』本編の最新161話「未来」が掲載・更新されています。

 前回感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

 また、150話を受けて重曹とアクアの関係性の変遷の整理や今後の展開の考察を少しだけした記事を作成しています。こちらも気になる方は是非。

isoisogingin.hatenablog.com

 本記事は、はてなブログの『漫画』グループランキングに参加しております。宜しければクリックしていただけますと、励みになります!

 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、随分と前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

 ※約3年ほど前の記事になります。

isoisogingin.hatenablog.com

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 なので、以下に含まれる感想の内容にも『【推しの子】』の恋愛要素(特にアクかな)に焦点を当てた内容が多くなります。上記内容が苦手な人、宗派が合わない人はブラウザバックしていただければ幸いです。

 最新15巻が2024年7月に発売しています。

 表紙はあかねと重曹。

161話「未来」感想と考察

カミキヒカルの動機

 「アイを超えうる者を殺めることで、アイの重みが増す」ことが、カミキヒカルの動機であると語られる。となれば、その殺意がルビーに向くことは当然である。そして、それをアクアが阻止しようとするのも当然である。

 だがしかし、カミキヒカルに明確な証拠は無い。そのため、現時点でカミキが法的に裁かれる可能性は少ない。そのため、アクアに残された道は物理的にカミキを止めることである。

 ただし、もう一つジレンマが存在する。アクアが仮にカミキを殺めるとする。そうなるとカミキの犯行は止まるがそれと同時にルビーのアイドルの道も閉ざされる。殺人容疑者の妹として報道されるためだ。そのため、アクア視点でカミキを殺めるという選択肢は間接的にカミキの目的を達成させてしまうのだ。

 そしてそれがカミキの余裕でもある。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』161話 より

 カミキは自分の有利的な状況を理解しているのだ。ナイフ一本で解決するような事態ではない。それがカミキの読みである。

アクアの未来

 上述したカミキに対する復讐はアクア自身の未来も閉ざすこととなる。例えばとして以下の未来が挙げられている。医者になる未来、重曹と付き合う未来、姫川と海に行く未来、ミヤコさんを母と呼ぶ未来、あかねと対等な関係になる未来。

 ここで本筋と外れるが1つ。「あかねと対等な関係になる未来」と自身が独白していることから、アクアはアカネに対して過去の展開においても恋愛感情を利用した不平等な関係であり、自身の恋愛感情は無かったことを認めている。

 そしてそれと同時に重曹があくあに恋愛感情を向けていることも認めている。そしてこちらの未来に対しては「気持ちに応える」未来があることも描かれていると言える。ここで描かれたということは逆にそんな展開は来ないで結末を迎えそうで怖いのが本心ではある。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』161話 より

 ただし、それらを翻してでもアイと同じことは起こさせない。妹の未来を守ること。それがアクアの決意であるようだ。これにはアクアのシスコン設定は勿論であるが、上述したような「アイと同じ悲劇を起こさない」ことも起因していると考える。

アクアの策

 ただし、このままでは先ほど解説したジレンマに陥ってしまう。カミキを止めなければルビーの命が危険であり、カミキを止めればアクアが殺人犯となってルビーの未来は閉ざされる。

 だからアクアは1つの道を示す。

 自決し、カミキと一緒に崖に落ちることで、アクアがカミキを殺めたのではなく、認証沙汰に発展し崖から共に転落死したという展開を描く。アクアが描くこの脚本は真実とは異なったとしてもメディアが躍ることは今までの展開でも証明済みだ。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』161話 より

 前回感想記事で、カミキを刺さないと考察した。そこで目の輝きの色を一つの根拠とした。結果としてアクアはルビーの未来を案じ、カミキを刺すことは無かった。そのような意味では考察は一部当たっているとも言える。

 ともすれば、やはり1つの疑問が浮かぶ。本当にアクアが死んでしまうのか、という問いだ。結論から言えば死なないと思う。その根拠としてはやはりアクアの目が白く輝いていることにある。

 上記画像でも分かりやすい。崖からの転落時もカミキの目は黒く、アクアの目は白く輝いている。それについて、カミキが過去のアイの偶像に囚われていることは最新話でも明言されている。一方でアクアの目線が未来を向いていることも証明されている。

 であるならば、本当にアクアは未来のあらゆる選択肢を捨てて、ルビーの未来を守るという選択をしたのか。仮にもあかねや壱護社長と示し合わせて作ったシチュエーション。あかねは防刃チョッキさえ準備していた。

 となれば助かる要素を考えたい。とはいっても前回感想記事と繰り返しの内容となる。1つアクアの演技である可能性だ。あかねが防刃チョッキを準備していて、アクアが準備されていないと考えるのは不自然である。そして海に落ちるということも必ずしも死ぬという訳では無い。

 つまり、今回の展開こそアクアが2.5舞台編で培った感情演技の出番であった。そして、それを実行することでカミキさえも欺くことができた。

 (カミキの驚き顔は笑い要素強め)

 そして、この問いを考えるために1つ過去のインタビュー動画の時系列に戻って考えてみたい。

インタビューの時系列はいつか

 ここで特に取り上げるのは4つのインタビューである。アクア(9話)、ルビー(2話)、五反田監督(5話)、重曹(6話)だ。

 まず、アクアのインタビュー。ここでアクアは「演じることが復讐」と発言している。152話時点でアクアのインタビューが撮影されていたことから、アクアはこのとき既に最新話のシナリオを描いていたことになる。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』9話 より

 次にルビーのインタビュー。ルビーのインタビューにはアクアが一緒に映っていると考えられる。このインタビューが最新話後の時系列の場合には、確定でアクアは生きていることとなる。

 次に、五反田監督。五反田監督のインタビューは映画がノミネートされていることから、時系列的に最新話よりも未来であることが窺える。その際、五反田監督は「アイに捧ぐ」と発言している。ただし、その前に脚本家としてアクアの話もしている。とすれば、もしアクアが死んだ場合、ここで「脚本家に捧げる」が無いのは文脈としておかしい気がする。

 最後に重曹。重曹のインタビューが時系列的に最新話より未来とする。その場合の重曹の「ナイフで刺されたらお陀仏」発言。これは、アクアが生存し、かつ世間(重曹含めてみんな)に対して演じ続けている証拠にはならないだろうか。「あーくんに怒られる」もアクア自身がナイフで刺されていたら、確かに怒られるので納得がいく(それ以前にアイのことがあって不謹慎ではあるが)

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』6話 より

今週の重曹ちゃん

 アクアの中に、当然の様に「重曹の気持ちに応える」という夢が用意されているんだよ。アクアが生存したらそのままアクかな確定の演出。ただし、上述したように逆にモノローグで描かれたせいでその展開の疑う気持ちもありけり。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』161話 より

次回更新は

 次週は休載。

 次回更新は2024年10月3日(木)の予定である。

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.153「僕らは創り上げた」【漫画】

 2024年9月17日にチャンピオンクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新153話「僕らは創り上げた」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 気になる前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

 アニメ2期も大人気でした!

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 最新10巻が2024年4月に発売しました。

153話「僕らは創り上げた」感想と考察

着実に進む文化祭準備

 市川と山田の提案により巨大迷路を作り上げることとなった3年1組。山田の天真爛漫さとか市川の陰キャ振りとか懸念は色々あったものの準備は順調に進む。

 その様子で描かれているのは二人の短所ではなく長所が活かされる場面である。市川が伝えきれない部分は山田がコミュ力を発揮して助ける。クラス挙げての大規模な制作は市川が目を光らせ、責任をもって携わる。

 文化祭前日に一日塾を休むことにはなったものの、市川はその責任感を以て巨大迷路を完成させる。その没入度は日が暮れることに気づかない程である。

 放課後の学校は特別な空気がある。

 普段より遅い帰り道は何だかエモい。

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Ⓒ 秋田書店 桜井のりお 2024

『僕の心のヤバイやつ』Karte.153 より

 その帰り道、市川、山田、芹那、バヤシコの4人はコンビニに立ち寄り買い食いをする。山田だけカップラーメンなのはお茶目ポイントか。市川にとってはこの光景も特別に違いない。だって普通の人ですら、学校帰りのコンビニ立ち食いは楽しいのだから。

山田の不在

 上述したように文化祭はうまく進行していた。しかし、もっとも重要な文化祭当日にその問題は発生するのだ。

 山田の不在。

 彼氏である市川も何も知らない。小林曰く「今日明日、急に仕事が入った」らしい。だが、冷静に考えてみてほしい。最近有名になったとはいえ、未成年の役者。そんな急に仕事が入るのは怪しいのだ。

 当然、市川も同様の結論に至る。

Ⓒ 秋田書店 桜井のりお 2024

『僕の心のヤバイやつ』Karte.153 より

 同様の展開が修学旅行の時にもあった。そして、山田の存在が当たり前となった現在、市川にとって山田の居ない光景は「何かが欠けている状態」そのものだ。

 しかも、今回は以前とは異なり、山田が夢に挑戦するためという訳でもない。山田が楽しみにしていることを知っているからこそ、市川としてもその喪失感は大きい。

市川の決断

 今回の不参加はSNSに掲載された山田のプライベート画像を事務所側が認知しての対応だ。勿論、その行動には市川の存在を含めた「山田のプライバシー」を守るための毅然とした行動であることが窺える。

 しかし、大人の行動を正面から受け止めて飲み込めるほどに、市川も山田もまだ大人ではない。中学3年生は大人と言うには早すぎるだろう。

Ⓒ 秋田書店 桜井のりお 2024

『僕の心のヤバイやつ』Karte.153 より

 そして、読者の視点から言えば、事務所の対応は当然の行動とも言える。兆候が見られた以上、それに対応しないことは事務所としての責任問題に発展する。

 煽り文にもある通り、市川に、そして山田にできることはあるのか。そしてこの事実はこれから先山田が有名になればなるほど一生付きまとう事実でもある。私としては中学生の子どもだからこその市川の行動を期待したい。

主のイチオシシーン

 皆がファミチキの中で一人どん兵衛を音を立てて啜る山田のワンシーン。学校帰りにカップ麺という晩御飯を準備する親視点では禁忌も同然の行動。

 ただし、山田はカップ麺を食べた上でも家に用意されている晩御飯を平気で平らげるのだろう。だから問題は全く無い。

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Ⓒ 秋田書店 桜井のりお 2024

『僕の心のヤバイやつ』Karte.153 より

次回更新は

 『僕の心のヤバイやつ』は、マンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で隔週更新である。次回更新は恐らく2024年10月1日(火)予定だ

 

【感想と考察】『正反対な君と僕』61話「よりどころ」【漫画】

 2024年9月16日に少年ジャンプ+|人気オリジナル連載が全話無料!の最強WEBマンガ誌 (shonenjumpplus.com)『正反対な君と僕』最新61話「よりどころが更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前話の感想記事はこちら。

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 因みに私の推しはタイラズマです。タイラズマ回はテンションが爆上がりしています。皆でタイラズマを全力ですこりたい。タイラズマだけをまとめた昔の記事などもあります。是非参照頂ければ。

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 本記事は、はてなブログの『漫画』グループランキングに参加しております。宜しければクリックしていただけますと、励みになります!

 最新7巻が、2024年8月に発売しています。

 表紙は我らが最推しのタイラズマ。勿論、収録されている内容もタイラズマ要素が多い絶対買わなくてはならない最新巻だ。

61話「よりどころ」感想と考察

神回確定タイラズマ

 文化祭にて、谷、西さん、そして平の悩みが示された。そしてそれが59話で谷、60話で西さんが解決された。となれば、残る平にスポットが当たる回がそろそろ来ることも当然の予想である。

 タイラズマに関しては東が平への恋愛感情を自覚し、ただ平に告白しても成功しないことが察せてしまった。その結果として、東は「平が東のことを恋愛的に好きになるまで待つ」作戦を取っている状態である。

 そんな読者視点ではじれったい状態に対して、平も一つの結論に至る。それは、「東が自分を好きになる訳が無い」「それを勘違いする自分がキモい」という自身を卑下した答えだ。

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阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』61話 より

 それもそのはず。東は平に対してアプローチをかけた後、すぐにそれを辞めた。だから、平の思考回路も必ずしも間違っているとは言えない。平はいつも自己肯定感が低い。それ故の平らしい結論だ。

 しかし今回はその結論が前向きに作用する。

 それを後段にて記載する。

東の恋愛相談

 しかし、平について語る前に東の様子についても記述する。というもの初出の情報として佐藤の恋愛観が描かれているからだ。

 平が東に向き合うようになった。

 今までは無関心であったが、それが東に対して少しでも関心を向けてくれているようになった。好きの反対は嫌いではなく無関心という言葉がある通り、今までの平の態度を考慮すると東視点では大きな進歩である。

 その変化を受けて、例に漏れず東は佐藤に恋愛相談をする。現状として、「一緒に居たいから好きバレを避けている」ということ。そして「前よりも懐かれている」という変化があったこと。

 結論から言えば、佐藤の恋愛観は「人間関係の延長」である。人として好きという感情の延長に恋愛がある。だからこそ、東の様に恋愛から始まる人間関係が理解できない(今回の東の恋愛感情は「人間関係の延長」であるが)。佐藤は東の好意の対象が平であると知らない。また今までの様に恋愛を前面に押し出していると感じている。



Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』61話 より

 だから、佐藤が出す相談の答えは「人として好きか」を考え直すというもの。そして、アドバイスとして少しでも悪影響があるなら縁を切った方が良いというものだ。東の恋愛対象がクズ男である前提のアドバイスに読者視点では笑いが止まらないだろう。

平の「向き合う」姿勢

 平も自身が劣等感を持ち、必要以上に物事を偏った見方をしていることを理解している。だからこそ自分のそのような姿勢を嫌悪している。

 そこで平は向き合う。

 己の劣等感の対象は何か。

 一体誰に対して、何にに劣等感を抱いているのか。それを噛み砕いていくと、自身が引いた線引きとのギャップであることに気付く。平は東のことをずっと「自分とは関わりようがない領域の人間」と判定していた。だからこそ、そんな東がその領域に存在しない自分と関わることに客観的にどのように見られるのかを気にしていた。

 つまりは、”グループの線引き”も”それに対する客観的な視点”もどれも平自身が生み出したものである。結局、平は一人相撲なのだ。

 ただ、その一人相撲は日常の些細な事から解決の糸口が見える。それは東との会話である。3月にスポッチャに行きたいと提案する東。その提案を聞いて、平はその輪の中に自分の姿を当たり前に想像する。

Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』61話 より

 そして、その姿こそが平が望んでいたものでもある。自分が肯定され、自分自身も肯定できる人間関係それが上手くできなかったからこそ、平は中学校時代を否定し、その人間関係を遠ざけている。

 自分の居場所。

 それを自覚できれば、これほど幸せなことは無い。自分が何をしたって、周りの人は受け入れてくれる。周りの人の言動は自分だって楽しい。それらの関係には、勿論個々人の信頼感や体験の積み重ねがあってこそである。そして、東を含むイツメンに対してはその要件を満たしている。

 その自覚ができたからこそ、平は最新話を通して一つ前に進んだ。誰に対して何を気にするか。自分が居たい場所にいる彼ら彼女らは恐らく自分を肯定してくれる。それさえ信じることが出来たら何も周囲の目など気にする必要はない。

 だから、平は東に対して帰り道のコンビニ寄り道を提案する。同級生も訪れるコンビニであるが、今の平は自分が作り出す「周囲の目」を気にしない。

主のイチオシシーン

 一緒の飲み物を飲んで、一緒に不味いと反応し、一緒に笑いあう。「この時間が好き」という東のモノローグその通りである。その様子に東の平に対する恋愛感情の大きさも窺えるし、平の姿勢の変化も見える。

 タイラズマとして一つの分岐点である。

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阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』59話 より

次回更新は

次回更新は恐らく2024年9月30日(月)になると思われる。