2024年5月23日発売「ヤングジャンプNo.25」で『【推しの子】』本編の最新150話「ナイフ」が掲載・更新されています。
前回の感想記事はこちら。
本記事は、はてなブログの『漫画』グループランキングに参加しております。宜しければクリックしていただけますと、励みになります!
私は重曹推しです。
記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。
それについて、随分と前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。
※約3年ほど前の記事になります。
なので、以下に含まれる感想の内容にも『【推しの子】』の恋愛要素(特にアクかな)に焦点を当てた内容が多くなります。上記内容が苦手な人、宗派が合わない人はブラウザバックしていただければ幸いです。
150話「ナイフ」感想と考察
アクアの自問自答
前回149話にて、あかねが重曹を彼女に推すという構図が発生した。それによって考察されるのは以下3点である。①あかねはアクアの幸せを願っていること。②その一方で自分自身が彼女である必要はなく恋愛感情の整理がついていること。③彼女となる人物には自身が認めた人物であってほしいこと。
そして、当の重曹本人はアクアに対して好意を抱いている。それは『今日あま』のドラマ撮影から始まり、枕営業を泣きながら断るほどに継続中である。
となれば気になるのはアクアの本心である。しかしこれに関しても物語中で散々描かれてきていることではある。直近で言えば146話。アクアは「有馬と居るとつい楽しくなってしまう」と発言している。遡れば、83話。アクアは重曹を「大切な人」と認めるからこそ、自ら関わりを断って復讐に巻き込まれないようにした。
上述した内容は物語中の一例である。本ブログでは最新話が更新されるたびにアクアと重曹のやり取りを拾ってコメントしている。気になる人は遡って確認してほしい。
その上で150話で重要なのは「アクアの自問自答」によって重曹への好意が明言されたことである。基本的に行動で示すタイプかつ天邪鬼な性格でもあるアクア。そんなアクアの心中がハッキリと描かれたことにより、ヒロインの枠は重曹に確定したと思ってよいだろう。
アクアは転生している存在。そんなアクアの心中にかつて医者をしていたゴローと新たに生を受けてから生きてきたアクアの2種類の価値観が存在することも今まで描かれてきたことである。かつて重曹とアクアがキャッチボールしていた時の発言からも同様の内容が窺える。
当時はゴローの精神性の方が強かったのだろう。「「僕(=ゴロー寄り)」と「星野アクア」」と表現していることから考察できる。
Ⓒ 集英社 2021
赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』30話 より
それが芸能人として役者として物語中で様々な経験を経て、様々な人間と交流することによって、その存在は医者であったゴローから乖離し、「星野アクア」という存在を形作っていく。
だから、今回のアクアとゴローの対話の描写は、自問自答でありつつ、全く別の精神性の会話でもある。そして、その主体にあるのは「ゴロー」ではなく「星野アクア」という存在である。
そしてゴローが明言するのだ。
アクアが「星野アクア」として、前世の柵や復讐など考慮せず「ただの思春期の男子」として好意を抱いたのが有馬かなという存在なのだ。
Ⓒ 集英社 2024
赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』150話 より
わざわざ明言されなくても読めば分かると思ってしまうが、明言されたこと自体は喜ばしい。この発言にてアクアの本命は重曹に確定したのだ。
仮にこの後どのような展開を向かえても、本命は重曹だ、という認識で全て片付く。当然、望むのはハッピーエンドである。しかし、そう簡単には行かないのも予想はついてしまう(後段で別途記載)。
ルビー(さりな)への想い
同様にして自問自答の中ではルビーへの想いも語られる。以前から本ブログ記事内でも言及している通り、ルビーが見ているのは「星野アクア」という存在ではなく、「ゴロー」なのだ。
そして、かつて医者として治療していた「ゴロー」にとっては、さりなが人生をやり直して、前世で不可能だったことを実現していくことは幸せそのものである。しかし、それはゴローとしての想いである。
前章にて言及した通り、アクアとゴローは乖離しつつある。その要因自体は年月の長さ以上に、前世への執着である復讐に終わりが見えてきたことがある。ただ、そううなってしまえば、「星野アクア」から見て、ルビーは妹以上の何者でもない。
大切な家族。
それが最も形容しやすい言葉だろう。
これも今まで描かれてきたことではあるが、再度明言された、といった印象だ。こうしてルビーへの恋愛的な好意は否定されている。
Ⓒ 集英社 2024
赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』150話 より
重曹の行動
今回は今まで物語で描かれてきた描写を整理してくれいてる回である。アクアが重曹への好意を明言したこともそれに該当する。同様にして、重曹がアクアに対して好意を抱いてきた変遷も描かれる。
それに加えてあかねの後押しだ。
あかねは重曹に対して「モタモタするならヨリを戻す」と脅している。これも当然あかねの本心ではない。重曹の性格上このように言われれば行動に移すということ理解しているからこその発言だ。
Ⓒ 集英社 2024
赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』150話 より
だから、重曹も行動に移すのだ。メッセージにて休日の予定をアクアに尋ねる。これが示すことは、ほぼ間違いなく重曹とアクアのデート回である。来週休載なんかしないで、早く掲載してくれの気持ちである。
しかし、重曹とアクアが両想いに結ばれて物語はハッピーエンド、とそんな簡単な結末は迎えないだろう。その展開に関しては前回も多少考察をしている。
例えば、重曹がアクアの復讐に巻き込まれ、カミキに何かされることも想定される。今回のサブタイトルが「ナイフ」というのも不気味である。150話の中では、アクアの復讐心やカミキへの対応の比喩として描かれている。ただ、それ以上に直接的に考えればナイフは凶器である。二人の想いが通じ合う展開が、カミキの殺人や事件と関係してくる可能性は大いにある。
続いて、重曹が未だアイドルであることも考慮しなければいけない。卒業ライブは確定しているものの、現在はまだB小町に在籍している。この卒業ライブも本来であれば、『15年の嘘』撮影中にスケジュールされていたが、公開後に後ろ倒しになったことが、かつて描写されている。芸能界としてはアイドルの恋愛はご法度。復讐を成し遂げ、全ての問題が解決し、アイドルとしての肩書を下した後で付き合うのが現実的な展開かもしれない。
いずれにせよ、次回、次々回といった直近の展開で「付き合う」なんてありえないのではないだろうか。想いが通じ合ったり、少し相手の好意に気付くくらいが現実的な展開であろうか。
特に上述した2点の要素には注視したい。
今週の重曹ちゃん
アクアを誘うという行動に移した重曹。
アクアを想いつつも、なかなか行動に移せなかったり諦めたりしてきた重曹を見てきただけに、涙が止まらない展開である。
あまりにも表情が良い。
Ⓒ 集英社 2024
赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』150話 より
次回更新は
次回は定期休載を挟む。
そのため一週間空く形での更新だ。
次回更新は2024年6月6日(木)の予定である。