2024年10月2日発売「ヤングジャンプNo.44」で『【推しの子】』本編の最新162話「星野アクア」が掲載・更新されています。
前回感想記事はこちら。
また、150話を受けて重曹とアクアの関係性の変遷の整理や今後の展開の考察を少しだけした記事を作成しています。こちらも気になる方は是非。
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私は重曹推しです。
記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。
それについて、随分と前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。
※約3年ほど前の記事になります。
なので、以下に含まれる感想の内容にも『【推しの子】』の恋愛要素(特にアクかな)に焦点を当てた内容が多くなります。上記内容が苦手な人、宗派が合わない人はブラウザバックしていただければ幸いです。
最新15巻が2024年7月に発売しています。
表紙はあかねと重曹。
162話「星野アクア」感想と考察
復讐の結末
アクアが選んだ復讐。それは、自決してカミキと一緒に海に飛び込むこと。事実が「アクアがカミキを殺した」であっても、自決したことによって客観的な解釈は「カミキがアクアを殺した」になる。それを見越した上での策である。
海の中で必死にカミキの首を絞めようとするアクア。しかし、それよりもカミキに大きな傷を負わせているのは落下時に岩場に頭をぶつけたことのようだ。
Ⓒ 集英社 2024
赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』162話 より
描写として、カミキには走馬灯が見えている。具体的にはゴローの影が描かれているが、その他にも海の底から手が伸びている。当然であるが、漫画的表現であり、カミキの精神世界という解釈で間違っていない。つまり、カミキは今まで殺してきた人に引っ張られている=海の底に沈んでいっているということの比喩的表現である。
結局、沈んでいく意識の最後の瞬間までカミキはアイのことしか見ていない。どこまでいってもカミキの視線は過去に向いたままなのだ。過去に見てしまった眩しい輝きを忘れられないために、現在に至るまで同様の輝きを求めて殺人を犯した。
カミキは最後の瞬間まで悪役であった。
アクアが転生した意味
カミキが沈むのと同様にアクアの意識も沈んでいく。その中でカミキは自身の転生の意味を「ルビーを守るための存在」と定義する。大前提として、読めば分かるがこれは恋愛感情では無い。
結局、この物語はアイに始まり、アイに終わるのだ。アイと同様の輝きを持って転生したルビー。そのルビーも前世でアイに影響をされている。そして、殺人犯であるカミキも同様にアイの輝きを求めて殺人を犯す。そんな物語の中で、展開は必然的にカミキとルビーを引き合わせる。だからこそ、それを阻止することがルビーの傍に生まれたアクアの意味。
Ⓒ 集英社 2024
赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』161話 より
定義は良しとして、アクアが自身の殺人を許容していることは悲しい。例え死ぬことになってもである。この後に考察するが、アクアは生存ルートもあり得る。死んだ場合はバッドエンドとして生存した場合もこのままでは正直救いようがない。
アクアとカミキの生死
さて、では気になるのはアクアとカミキの生死である。後述するが、次号、次々号と休載のため次回更新までは日が空く。そして、そのような時、赤坂アカ先生は何かしら逆転展開を持ってくることが多いと感じる。それを踏まえた上で予想していきたい。
Ⓒ 集英社 2024
赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』162話 より
まず、カミキ。カミキに関しては死亡の可能性が高い。理由は2つ。1つが、走馬灯として、亡き人から引っ張られ海に沈んでいく様が描かれていること。2つめが、カミキが生存した場合、アクアの生死に関わらず復讐は失敗し、ルビーの芸能人生は失脚し身が危険にさらされるからだ。
というのも、アクアの復讐シナリオはカミキの死亡を前提に作られている。カミキが死んでしまえば、アクアが死んだとしても刺傷痕からカミキが加害者として疑われる。アクアが生きた場合は、アクア自身が嘘を吐けばよい。そのような狙いである。であれば、ここでカミキが死なないということは、メタ的な考察にはなってしまうが考えにくい。
次にアクア。アクアに関しては生きている可能性も高いと考える。まず前回、前々回感想記事でアクアが防刃チョッキを着用しており、演技である可能性も考察していた。子の考察自体は外れである(お恥ずかしながら)。ただ、それを踏まえても生きている可能性が高いことを根拠づけていこうと思う。
第一に、アクアの生死は復讐に関係ない。これは上述した通りである。この物語の大一番であるアクアの復讐。これは「アクアが刺されていること」「カミキが死亡すること」の2条件を満たせばアクアの生死は問われていないのだ。これは生きている根拠ではなく、死ぬ必要が無い根拠だが記載させていただく。
2つめに、アクアの目の輝きである。本ブログ記事では以前より目の輝きの色について考察を書いてきた。端的に言えば黒い光は過去に、白い光は未来に対する輝きであると。結局カミキは最期までアイという過去に囚われていた。一方でアクアの意志は「ルビーの未来」という未来方向に向いている。
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赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』162話 より
目の輝きが極限まで小さくなっていることから、意識を失う寸前・死ぬ寸前であることは確かであるとも捉えられる。ただし、それでも未来を向いているということが重要だ。カミキが拘る過去と異なりアクアが望む未来は可変的なものである。
そのような中で、アクアは自身の役割を「ルビーを守るため」と定義した。ただし、改めて伝えたい。未来は可変的である。カミキという脅威が取り除かれたとしても、ルビーは芸能界の道を進むうえで様々な困難にぶつかり、様々な脅威にさらされる可能性は高い。つまり、アクアのが定義する転生の役割はカミキの死で終わるものではないのだ。
そして最後に3つめ。私的な感想になるが、アクアが死んだ場合、恐らくルビーや重曹は悲しみに暮れる。ルビーに至ってはアクアの死、ゴローの死という過去に囚われて目の輝きが再び黒くなるようなことも考えられる。そして、その姿はアクアが思い描くような芸能界での成功、ルビー本来の輝きとは異なるのではないか。
今回の復讐をアクアは「アイを殺されたこと」という過去に対する復讐ではなく、「ルビーを守るため」という未来に向けた復讐と定義している。しかし、アクアの死という要素は「ルビーを守るため」という未来の先にある、本来目指すべき輝きが失われる本末転倒な状態を作り出すのだ。
これらの要素を鑑みた上で、赤坂アカ先生が敢えて2回分の更新を休載するか。それはアクアの死亡フラグを全読者に読み取ってもらった上で、どんでん返しがしたいから(2回分更新を空けるとジャンプラの人も確定で1回分は休載を挟む)。つまり、そのどんでん返し要素はアクアの生存である。そう考えることもできる。
今週の重曹ちゃん
出番なし!
次回更新は
なんと次号、次々号は休載。
次回更新は2024年10月24日(木)の予定である。






