葉のブログ

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【感想と考察】『【推しの子】』75話「母親と母親」【漫画】

 一週間ぶりの『【推しの子】』の時間です。

 2022年3月24日発売の「ヤングジャンプNo.17」で『【推しの子】』の最新「母親と母親」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事はこちらから。

 矛盾点とミスリードについて解説した考察記事も更新してます。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 

 ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

 

75話「母親と母親」感想と考察

懐かしき病院へ

 さて、宮崎に来てまであかねとアクアのデート(別れ話はどこへやら)展開になった『【推しの子】』前回。

 病院へ向かう二人だが、歩いていくには限界がある。

 スクーターをレンタルして向かうことに。

 絵面がシュールすぎる笑


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『【推しの子】』75話 より

 

 辿り着いた病院はアクアにとっては勿論、読者にとっても久しぶりとなったあの病院。(恐らく1巻以来)

 しかし、病院のスタッフも当時とは変わり、顔見知りの医者を見つけることも出来ず大した情報は得られなかった。

 死体も埋められたのか、殺害現場であるはずのものに何かある訳でもなく(さすがに15年経っているからそりゃそーだ)、ゴローが連絡がつかなくなって消えたことくらいしか分からない。

 

雨宮吾郎という人間

 アクアの前世、雨宮吾郎。

 彼の出生は母親が産科危機的出血で命を落とすところから始まる。

 父親も分からず、母親の命と引き換えに生を受けた吾郎は祖母に育てられながら、産医となった。


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『【推しの子】』75話 より

 

 つまるところ、アクアは2回の生を受けていながら父親を知らないのだ。それどころか、母親という存在もアイが初めてとなる。

 アクアがアイに執着する理由はただ「推し」であるだけでなく、そういう「初めての母親」という部分も影響しているのかもしれない。

 

さりなの最期

 一方でさりなの最期も語られた。

 ルビーの前世であるさりな。

 その両親は都内で働いており、忙しく、さりなの最期に立ち会うことすら出来ていない。(なんて親だ)

 吾郎が親の代わりになろうとさりなを支えたことも窺える。


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『【推しの子】』75話 より

 

 今回の話で分かったのはアクアもルビーも"普通"の親への経験が乏しい可能性がある、ということだ。

 勿論、親の普通など人によって変わるだろう。

 なので、あくまでも普通は"普通"なのだ。

 

お前誰やねん

 今回のキーポイントは何といってもこれ。

 急に現れた謎の子ども。

 まるで転生したアクアやルビーを知っている口振りである。テコ入れよりも急な展開に衝撃を隠せない。


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『【推しの子】』75話 より

 

 こちらは以前、前話の更新時の私のツイート。

 基本的に私の考えはここから動いていない。

 今更、転生理由なんてオカルトに風呂敷を広げても、そこはこの漫画の設定として納得してしまっている。

 あれやこれや手を出して行くのはそれだけ焦点がブレる。

 あくまで私の考えではあるが、この物語の最後にアイの死に関する映画制作が行われると以前から主張している。

 正直物語の方向性が見えなくて、困っているのだ。

 なぜなら映画制作は2人が何故転生したかを知らなくても、アイの死という事実さえあれば成し遂げられると思うからだ。

 正直、「B小町」のアイドルパートとアクアの役者パート。その2つでお腹いっぱいである。要素が増えれば増えるだけ、2.5舞台編のように間延びは必至。

 広げるならうまく回収してほしいものだ。

 

今週の重曹ちゃん

 今週は出番無し!

 1コマも!

 おかげでこの記事でも語ることは少なかった。

 でも、煽り文的に来週はB小町回かしら。それは楽しみ。

 

 そう言えば、『【推しの子】』が「アニメ化してほしいマンガランキング」第5位だそうです。

 おめでたい!!

 でも、アニメ化するときは、是非B小町のライブまでで願いたい(重曹推しなら多分全員思ってる)。

 

 次の記事はこちらから。

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【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.93「僕は本日の主役」【漫画】

 2022年3月22日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新93話「僕は本日の主役」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

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 誕生日会ってもはや身内イベントに呼ばれた山田。

 つまり親の挨拶を済ませた様なもんですよ。

 

Karte.93「僕は本日の主役」感想と考察

急な来客

 前回、つい勢いで誕生日会に山田を誘った市川。

 "可愛い女の子"の登場に市川家は浮足立つ。

 市川ママはシンクの掃除を始めるし、市川パパは微妙な距離感だし、お姉に関してはわざわざ服を着替えている。

 前回山田が市川家に着たときには普段良く着ている部屋着の様なものなのに


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.92

 ちゃっかりおめかし(おねぇ調べの当社比)しているのだ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.93

 後で、山田がファッションモデルだと知り、しっかり恥ずかしくなるまでがお姉らしくて最高である。

 大人ぶりたい気持ちが空回っていることが分かる。

 

山田母の反応

 さて、前半部分では「市川家の山田に対する反応」が描かれていた。

 しかし、一方で「山田家の市川に対する反応」が描かれている部分もある。

 

 それが、山田が山田ママに電話するシーンである。

 市川家に寄るため、ご飯が要らないことを電話する山田。

 山田はお姉の名前を使って誤魔化すのだが、そこで山田ママが「あら 女の子?」と驚いた表情をするのだ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.93

 つまり、山田ママは相手が男の子と予想していたのではないだろうか?

 山田ママは、バレンタインの時に市川が来たこと、その時の山田の反応などから山田の市川に対する気持ちをなんとなく察しているのだろう。

 そうでなくても、同級生の言葉から、山田が女子同士の会話でも市川のことを話題にしていることが分かる。

 

 このような感じで、今話は両家族の反応が見れる貴重な回であった。

 (もはや両家への挨拶は済ませたも同然なので、はよ結婚してもろて) 

 

本日の主役

 誕生日と言えば、誰でもその日は主役になれる特別な日である。

 誕生日以外いつ使うのか分からない100均で売っている眼鏡をかけ、ケーキを食べ、プレゼントを貰う(ちゃっかりお姉は酒を飲んでいる)

 

 ここで私は「本日の主役」というフレーズが気になるのだ。

 今回のサブタイトルにもなっているこの言葉。

 別に違和感がある訳ではない。

 それでも前回からの文脈を考えると、察してしまう部分があるのだ。

 「本日の」という言葉は「今日の」でも良いのでは?

 意味は全く一緒だし。

 それを敢えて「本日の」とした理由があるのではないか?(考えすぎ)

 

 「きょう」というフレーズは大事な場面に取っておく。

 だから私は最初から正座で待機していたのだ。

 そして、ケーキのろうそくを消し、真っ暗になったその瞬間。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.93

 キターーーーー(゚∀゚).----!!

 前々回、前回からモヤモヤを残した「名前呼び」の件はここでしっかりと有効であることが分かった。最高すぎるけど市川の心臓が保たん。

 

お姉の暴走

 酒を飲んでも飲まれるな。

 アルコールには人の思考を鈍らせる作用があり、それ故に気持ちが大きくなり、普段はしないようなことをすることがある。

 そして、お姉は完全に飲まれるタイプの人間だ。

 お酒で気持ちよくなったお姉はファッションショーを開くだけでなく、山田に「泊まっていきなよ」と提言する。

 次回、市川と山田二人のお泊り会が実現してしまうかもしれない。

 勿論家族が居るから変なことにはならないだろうが、告白前にお泊り()とは進み方が爆速過ぎて大変助かる。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.93

 ちなみにお姉に対しても若干嫉妬している市川にも注目がいった。 

 

なんか僕ヤバが恵比中とコラボしている件

 これ、""ガチ""で良かった。

 

【感想と考察】『【推しの子】』74話「高千穂」【漫画】

 重曹盛り盛りだった先週から早1週間。

 2022年3月10日発売の「ヤングジャンプNo.15」で『【推しの子】』の最新74話「高千穂」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事はこちらから。

 矛盾点とミスリードについて解説した考察記事も更新してます。

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 ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

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74話「高千穂」感想と考察

B小町のPV制作

 高千穂たかちほ

 宮崎県北部にある町の名称らしい。

 生憎私は宮崎県に行ったことが無いので、タイトルだけで地名だと分からなかった。

 

 さて、宮崎県の地名が出たという事はお分かりであろう。

 以前から話題に挙がっていた「PV制作兼慰安旅行」である。

 有名な作曲家であるヒムラさんから新曲が届き、ようやく「B小町」として曲を制作する段階にやってきた。

 歌ったり、踊ったり、映像を撮ったり。

 そしてそれをプロモーションしたり。

 世に創作物を出すというのは多くの過程を踏むものであり、やらなくてはいけないことが沢山あるのだ。


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『【推しの子】』74話 より

 そしてB小町の中で「業界」のノウハウがあるのが重曹ちゃんだとすれば、「創作」のノウハウはMEMちょが担当していると言える。

 (ひさしぶりのMEMの見せ場!)

 そしてPV制作はMEMの知り合いであるアネモネ・モネモネに頼むことに。

 アネモネ自身も「撮りたい画がある」ということで、2曲同時に宮崎でPVを撮ってしまおうということになった。いったいどんなPVが出来上がるのか楽しみである。


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『【推しの子】』74話 より

 

来るんかーい

 来るんかーい。

 読者の誰もが思ったことだろう。

 誰しもが重曹ちゃんと同じ顔になったであろう。

 私もだ。


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『【推しの子】』74話 より

 なぜ、有耶無耶になったとは言え、仮にも別れ話があった後で「来ちゃった」が出来るのか理解に苦しむが、文句を言うなら誘ったアクアに言うしかない。

 だから改めて言おう。

 誘うんかーい。

 正直、悪い展開として予想はしていた。恐らく来るのだろう、と。

 しかし、予想しない展開で裏切られるのは爽快感があり感動するが、予想していた展開で裏切られるほど寒いものはない。

 まぁ来てしまったものは仕方ない。

 ルビーはあかねに懐くし、重曹は泣くし、MEMは板挟みで痩せそうである。

 

芸能の神様

 宮崎には芸能の神様が居るらしい。

 アメノウズメノミコトという神様に縁を求めて東京から芸能関係の人が来るそうだ。

 そんなこんなで自然に囲まれ、芸能の仕事も得られる。


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『【推しの子】』74話 より

 あれよあれよという間にB小町組はPV撮影へと向かうことになる。

 どうやら2本撮りにした為に詰め詰めのようだ。

 

 取り残されたアクアとあかねは観光する流れに。

 解せぬ。本当ならアクアもPV制作を眺めていると思っていたが、別れる前のカップルのデート回になってしもうた。

 しかし、観光スポットよりもアクアには気になる場所がある。

 アクアとルビーが生まれた場所。そしてゴローが死んだ場所。

 その病院へ向かうのだ。

 ここも、あかねをそのまま連れて行くなと言いたい。

 

 もしかしたら、アクアとルビーが転生したのも、神話のような力が働いたかもしれないし、アイが出産のために遠い場所を選んだとは言え、その中で宮崎だったのも全て「神の力」が理由なのかもしれない、とひそかに思ったり。

 

今週の重曹ちゃん

 重曹ちゃん。

 全人類が同じ気持ちだったよ。


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『【推しの子】』74話 より

 

 ちなみに、連載の法則的に来週は『【推しの子】』休載だと思われます。

 また、2週間後にお会いしましょう。

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.92「僕は生まれた」【漫画】

 2022年3月08日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新92話「僕は生まれた」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

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92話「僕は生まれた」感想と考察

市川の誕生日

 既視感 デジャブ

 かつて、同じようなコマを見た。

 そう、バレンタイン回だ。

 完璧な一致。

 そもそも『僕ヤバ』界において初手のお姉ぇほど安心するものはないが、さらに天丼ネタを仕込んできた訳だ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.92 よりf:id:isoisogingin:20220308120028j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.68 より

 この世界ではイベントを刻む習性があるのか、無いのか。

 

 市川の生まれた3月26日。

 しかし、山田は仕事が入っている様で、自分も塾がある様で、そもそも自分の誕生日が3月26日だと伝えていなくて。

 誕生日直前になって誕生日のことを伝えるのは、「祝ってほしい感」が出て嫌なのだ。とても共感できる。

 だから、誕生日はどうでもいい。

 市川姉のウザい絡みから逃げるように部屋に帰る訳である。

 

名前呼びの行方:問題編

 誕生日なんかよりも市川には重要なことがあるのだ。

 それは、終業式の賭けへの報酬の件だ。

 つまり「きょう」呼びの行方である。

 市川は名前で呼ばれるシチュエーションを妄想し、さらには自分も名前で呼ぶべきかを考え悶々とするのだ。

 (回想に山田とのエッなものが含まれているのもポイントだ)

 妄想は膨らみ、ルシファー濁川も膨らむ。

 でも、安心のお姉ぇである。

 すぐに縮む。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.92 より

 

誕生日イベントが無い訳がない

 誕生日当日の塾からの帰り道。

 当然の様に連絡を取り合っている市川と山田。

 

 口では何と言っていても、「特別な日に特別な人と」という願望は誰しもが持ち合わせているものだ。

 市川も敢えて、自身も山田も駅に居ることを伝えるような文面を送る。

 (「会おう」とかではなく、「僕も駅ついた」なのだ二人の距離感って感じでよい)

 当然、山田は会いに来るのだ。

 ドゥクシ、と挨拶代わりのじゃれ合いを含めて。

 

 夜道で山田を家まで送るがてらの実質デートである。

 しかし、後ろから人の気配がするのだ。

 怪しく思った市川はその身体を盾に山田を守ろうとする。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.92 より

 怪しい人物は市川父であったという安心安全なオチである。

 ただ、その手に持たれたケーキから、市川の誕生日バレが起こり、誕生日回も第2ラウンドに突入するのだ。

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『僕の心のヤバイやつ』Karte.92 より

 

名前呼びの行方:回答編

 さて、散々モヤモヤした名前呼びの行方であるが、山田が「市川」呼びしてしまうシーンがある。

 市川の方も回想で拒否したと思われたとか、名前で呼んでいいと言わなくてはとか悶々としているが、山田の表情にも注目したい。明らかに迷っている表情だ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.92 より

 次回は、市川家での誕生日パーティー回である。

 漫画あるある「全員が市川さん」という状況ができるであろう。

 正しく、その時に「きょう」呼びが聴けるかもしれない。

 次回まで期待しておこう。

 

 

 

【感想と考察】『【推しの子】』73話「スマート」【漫画】

 2022年3月3日発売の「ヤングジャンプNo.14」で『【推しの子】』の最新73話「スマート」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事はこちらから。

 矛盾点とミスリードについて解説した考察記事も更新してます。

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 ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

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 さて、推理パートは終わり、重曹ちゃんとアクアのデート回と期待して正座していた1週間。それではその期待が報われたかどうか見ていきましょう。

73話「スマート」感想と考察

アクかなデート回

 いざ、約束の地カナーンへ。

 待ちに待ったアクかなデート回。

 アクアにとってはただスーツケースを買いたいだけのショッピングでも、重曹ちゃんにとっては違う。

 好きな人とショッピング。それを人はデートと呼ぶ。

 好きな人には少しでも良く見られたい。

 この思考もまた自然の摂理なのかもしれない。


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『【推しの子】』73話 より

 2時間前から準備をしていたはずが、試行錯誤している内に遅刻確定演出。

 セクシーなのか。キュートなのか。


www.youtube.com

 明らかに「ね~え?」の歌詞を連想させる重曹ちゃんの思考にアカ先生とメンゴ先生の"時代"を感じざるを得ないが、一旦置いておこう。

 

 しかし、遅れた重曹ちゃんに対してアクアは嫌味を言うどころか、ホットラテを予め頼んでおき、支払いまで済ませるスマートさ。

 幾人もの女性を転がしてきたようなその気の利きように重曹ちゃんも思わずこの表情だ。

 完全にチョロイン極まっている。


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『【推しの子】』73話 より

 

重曹の独走

 重曹ちゃんの思考回路はどんどんと限界突破していく。

 選んだスーツケースの色が白であることを、自身のサイリウムカラーと同じであると結び付けたり、カバンを持ってくれるアクアにキュンとしたり。

 言葉では通常運転のツンツンした感じであるが、心の中は完全に乙女である。

 すまん。

 もうフワフワした心中のフキダシと重曹ちゃんの顔のハッピーセットで笑いが止まらん。同じようなコマの天丼。明らかに狙ったものであろう。

 そして、勿論私は大好物だ。


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『【推しの子】』73話 より

 

アクアの恋愛遍歴

 デートの終わりは予約必須のお店でディナー。

 買い物からの動線を考えた上で、事前にめぼしいお店を予約しておくアクアの完璧ぶりは重曹ちゃん曰く「アラサーの業界人」。

 女性の扱いに手慣れ過ぎている。

 それもそのはず。アクアは生前はアラサーの医者である。

 アラサーの医者が遊んでないはずがない。

 「こういうデートは金持ってから覚えるもの」とアクア自身が言うように、そのスマートさは生前のゴローの恋愛遍歴あってのものなのだろう。

 

 そして重曹ちゃんにも楽しんでほしいとさらりと言うアクア。

 やはり、こいつ女に慣れ過ぎて怖いまである。

 そして勿論重曹ちゃんはこの顔だ。


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『【推しの子】』73話 より

 

おいおいおい不穏じゃねぇか

 一方で、不穏な要素もあった。

 私の解釈では、前回の話を以て、「アクアはとりあえずあかねに別れを告げた。しかし、あかねがそれに食い下がった」という構図だと思っていた。

 しかし、重曹ちゃんに対して、「次会うとき多分答えを出す」とまるで、まだ決めていないかのような発言をするのだ。

 おい、アクア。

 頼むから転がすのは重曹だけにしろ。


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『【推しの子】』73話 より

 

今週の重曹ちゃん

 思考が行くところまで行って、ラブホに連れ込まれることまで想像する重曹ちゃん。それでもその後のアクアの表情を見れば、流石にJKをホテルに連れ込む真似はしない倫理観を持ち合わせているってよくわかんだね!

 それにしてもマジでチョロイン極めすぎて可愛すぎる。

 最高だ。


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『【推しの子】』73話 より

 

【感想と考察】『【推しの子】』72話「自由」【漫画】

 全人類衝撃に備えよ。

 という訳で、あかねの行動で戦争となった『【推しの子】』前回。

 2022年2月24日発売の「ヤングジャンプNo.13」で『【推しの子】』の最新72話「自由」が掲載され、更新されています。

 遂に更新が来た。

 前回の感想記事はこちらから。

 矛盾点とミスリードについて解説した考察記事も更新してます。

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 一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

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 さて、あかねの行為に対するアクアの行動の如何によっては戦争が起こりそうな展開で終わった前回。最新72話ではどのようになるのでしょうか。

72話「自由」感想と考察

恋愛感情

 あかねのある種セフレでも良い宣言で終わった前回。

 アクアのことが本気で好きであるからこその発言であることは理解できるものの、その発言内容は『【推しの子】』界隈に波紋を呼んだ。

 主に重曹推しに。

 さて、そんな衝撃の展開のアンサーが今回であった。

 その内容は想像の8倍くらいあっさりしたものだった。

 アクアからあかねに対する恋愛感情はない。

 そう。仮にHを迫られ、したいかしたくないかの二択で考えたらしたいと思うくらい。極論思考まで行かなければならない程度の感情なのだ。


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『【推しの子】』72話 より

 対するあかねも前回の発言とは逆に自身の恋愛感情には自信が無いようである。

 恋愛経験がなく、その感情にどのような名前を付けたらいいかもわからない状態。


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『【推しの子】』72話 より

 前回までの発言で私個人としては「あかねはアクアのことが好き」という前提があった。しかし、それすら否定されてしまうと私としては困ったものである。

 (まぁ、あかねというキャラクターのブレ感についてはもう慣れた)

 勿論、この発言がアクアの発言を受けて空気を読んだ可能性はある。

 アクアに全く恋愛感情がないという発言をされた上で、「私は好き」などと言うのはなかなかのメンタリティであろう。

 というより、あかねが好きという感情に自身が無いなら、別れ話を断ろうとしたり、キスやセッなどの行為を求めるという思考にならないような気がする。

 読んでる私自身があかねについて理解できていないが、あかね自身もその感情を理解できていないし、恐らく赤坂アカ先生も分からなくなってるのでは……

 そして、最終的に次項で触れる推理パートの話が入って来たせいで、結局明確に分かれるか否かは定まっていないのがなんとも言えない感じだ。

 

重曹の役割とあかねの役割

 あまりこういう読み方をする人は少ないかもしれないが、私はメタ読みする方だ。

 今までの私の記事を読んだことがある人なら、私が話の構造やキャラクターの感情を論理的に捉えようとしていることに同意してくれるかもしれない。

 そういう観点から言えば、今回の話は分かりやすく分水嶺だ。

 今まであかねと重曹ちゃんが並列で語られていたのに対して(それなりにしっかり読んでいれば重曹ちゃんがヒロインであることは分かるが、物語の中でやたらとあかねと重曹を並列で語ろうとする節があった)、今回で棲み分けができた訳だ。

 重曹ちゃんは恋愛パート担当。

 あかねは推理パート担当。

 なんて平和的解決。

 未だにあかねを推している人には大変申し訳ないが、あかね本人が明言したのだ。

 恋愛感情かどうかは分からないけど、力にはなりたい。

 その感情と関係が他人でないことを置いておいても、恋愛とは決定づけられなかった。好きという言葉、キスやセッという行為を明言した上でそれなのだ。

 明確な役割分担。

 その代わりにアクアの話を気づいて察してしまうのだ。

 『【推しの子】』68話時点で仕組まれていた伏線に、アクア本人より先にあかねが気付く。これを探偵役と言わずなんと言おう。

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『【推しの子】』72話 より

 だから、今後もあかねが話の展開に関わってくることは間違いないのだろう。

 なんなら、姫川とアクアのように、あかね自身も何かしらこの事件と関係があるかもしれない。

 是非、次会うときも推理パートで願いたい。

 

父親の存在

 ルビーはアイの墓参りに来た。

 アクアのことを「憑き物が落ちたみたいな」と評す。

 よく見ているものだ。

 ルビーもアクアもそれぞれ前に進んでいく。

 それはアイを忘れていくようにも思えて、でももっと別の意味もあって。

 

 そんな墓参りを終えたルビーはニアピンしてしまう。

 それが、実の父親だとは知らずに。


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『【推しの子】』72話 より

 

今週の重曹ちゃん

 今週は1コマも出番なし!!!

 でも、あかねが推理担当、重曹が恋愛パート担当。

 はっきり分かんだね!!!

 ↑今回の記事を140字以内でまとめるとこんな感じ。

 まぁ、通過儀礼みたいな回だった。

 

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.91「僕らはゴールした」【漫画】

 2022年2月22日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新91話「僕らはゴールした」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

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Karte.91「僕らはゴールした」感想と考察

終業式の寂しさ

 終業式。誰しもが思っただろう。

 この式要るか? と。

 先生の話を延々と体育館で聞かされる。3月であれば、寒いという条件もプラスされ、更に嫌になる。

 私の終業式に対する印象を書いたが、つまるところ、子どもたちにとって「終業式」という形式はそれほど大切ではないということを言いたい。

 今でも覚えている感情としては、新学年に上がることで生じるクラス替え、交友関係の変化や勉強がレベルアップすることへの不安、あとは宿題が面倒だといったものだ。

 

 クラス替えは重要だ。

 半ば強制的に交友関係を壊したり形成したりするイベントである。

 それ故「こうすれば同じクラスになれる」だとか「あの人は〇クラスらしい」などと噂が出回るものお決まりである。

 そんな噂に踊るのが我らがJC仲良し組である。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.91 より

 

 仲が良い人同士を同じクラスにしない、といった噂はいつの時代も健在らしい。

 裏を返せば、純粋無垢なバヤシコが山田や関根さん、吉田さんと一緒のクラスになりたい、と藁にも縋る思いなのが見える。

 それほどまでに仲の良い友達ができたこと。

 俗にいう、てぇてぇである。

 

 そして、別れの可能性があれば、今ある縁を大切にしたいと思うのも人の常。

 市川のラインに、足立、太田、神崎の名が加わることとなる。

 家族と山田以外だと初めての「友達」の追加になるのだろうか?

 その様子は我ら読者が山田やバヤシコの様子を見ててぇてぇと思っていたのと同様に映る。傍から見ている山田もこの表情だ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.91 より

 

終業式テンションのバスケ

 卒業式に独特のテンションがあるように、終業式にもその雰囲気がある。

 帰るのが寂しい。

 それはクラス替えという強制的に離れ離れにさせられる可能性があるからこそのものだろう。

 大人になれば「教室」というハコは狭く見えるが、子どもにとってはとても大きいものなのだ。今まで常に視界に入っていた人が、居なくなるかもしれない。

 だから、山田は市川をバスケに誘うのだ。

 「勝った方の言うことをなんでも聞くこと!」

 お約束の文言で始まった 1 on 1 はお互いの運動神経が悪いことから、山田が市川を抜いてシュートまでいっても外すという泥沼の様相を呈する。

 もう辞めてしまったが、中学生で身長が170cmある山田は、仮に運動神経が悪くとも、シュートが入らずとも、腕を上げて立っているだけで脅威であり、バスケ部では重宝されるのだ。

 市川の攻撃の番。

 なんとかシュートまでこぎつけた市川は一つの願掛けをする。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.91 より

 (ついにここまで来たか)

 

 告白の有無を決めるシュートは、外れそうなところを山田がタップして入れることで終わる。結果は山田の勝ちか市川の勝ちか疑念が残るだろう。

 結局は山田の勝ちということで落ち着き、市川の願掛けはノーカンとなる。

 そして、山田からのお願いとは、


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.91 より

 「きょう」呼びすることである。

 (京太郎呼びを飛び越えた~!)

 以前から、山田が市川を名前で呼ぼうとする場面はいくつかあった。

 新年度。

 それはクラス替えなどにより半ば強制的に環境が変わる季節。

 だからこそ、二人の関係もゆっくりと変わっていくのかもしれない。

 もちろん、それが前に進むのであればなおさら良い事だろう。

 

今後のイベントを考察

 まずは春休み中に山田の広島での撮影イベントがある。

 これは確定だ。

 何話の発言だったか忘れたので思い出し次第ここに貼ろうと思う。 

 

 その他に3年生で待ち受けることと言えば、実際にクラス替えがどうなるか、GWという長期休み、修学旅行に学校祭(漫画では2回目)、夏休み、そして受験。

 イベントが目白押しである。

 桜井のりお先生のTwitterでも、去年から海に行く市川と山田(+仲良し組)が描かれている。腕に市川がプレゼントしたブレスレットをつけていることから、3年生でのイベントだと分かるだろう。楽しみである。

 

 

【感想と考察】『【推しの子】』71話「歩道橋」【漫画】

 さて、2週間ぶりの『【推しの子】』の時間です。

 2022年2月17日発売の「ヤングジャンプNo.12」で『【推しの子】』の最新71話「歩道橋」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事はこちらから。

 矛盾点とミスリードについて解説した考察記事も更新してます。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 

 一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 最新7巻が明日(2022年2月18日)発売予定です!

 今のうちに予約しておきましょう!

 

71話「歩道橋」感想と考察

舞台の終わり

 展開からキャラから何から何まで盛りだくさんだった『東京ブレイド』編。

 そんな2.5次元舞台は千秋楽(最後の日)を迎えた。

 ふぅ、長かったぜ。

 

 舞台も終わり、復讐の意味も見失った。

 そんなアクアはルビーから見ても明らかなほどの放心状態であった。

 ルビーの言葉を借りれば「無職」。

 実際、演じる役が決まっていない役者はその言葉に当てはまるのかもしれない。

 

 つまるところなのだ。 

 そうだ。宮崎に行こう。そんな提案を受けるくらいには。

 

 それにしても、アクアの去り際のこの約束。

 「明日」つまり来週か再来週には重曹ちゃんとアクアのデート(ショッピング)回が見られる可能性があるってことでよろし???


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『【推しの子】』71話 より

 

関係の終わり

 「今ガチ」が終わって以来偽りの彼氏彼女を演じるあかねとアクア。

 会話の中でアクアの精神とあかねとの間にジェネレーションギャップがあることが窺える。それでも傍から見れば彼氏彼女なのかもしれない。

 

 アクアが宮崎旅行に誘い、ついでに話したいことがあると提案する。

 しかし、察することが得意なあかねには分かるのだ。

 あかねの場合は、察するというより、「国語力」という範囲を超えて誇大妄想甚だしいような気もするが、役者としてそれで大成しているので問題ない。

 まぁ、今回はあかねでなくても分かるかもしれない。

 旅行ついでの別れ話である。

 

 誰しも、別れ話の控えている旅行なんて嫌だろう。

 だから、あかねは今からその話をすることを提案するのだ。


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『【推しの子】』71話 より

あかねの一方通行

 時系列的には「今ガチ」から半年。

 キスは番組の一度きり。手を繋いだこともない。

 アクアが言葉にする「形式上始まった関係」という言葉が全てを物語っている。

 

 前項で記述した通り、あかねは並外れた国語力というか洞察力を持っている。

 その関係に打算があったこと。

 あかねが利用できそうだったこと。

 全て分かっているのだ。

 

 しかし、一方で打算だけでないことも知っている。

 かつて歩道橋で身を投げ出す直前に助けてくれたこと。


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『【推しの子】』25話 より

 あかねにとっては単純に「嬉しかった」のだろう。

 だから、打算だとか、ずる賢いところとか、何かを抱えていることとか、全てを察して、理解して、それらを受け止め、その上であかねはアクアを受け入れるのだ。


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『【推しの子】』71話 より

 

物語的な恋愛の構造について語らせてくれ

 物語の構造として、恋愛漫画に欠かせないものがあると私は思う。

 それは「双方向の矢印関係」である。

 つまり、両想いであるということだ。

 

 異なるタイトルの漫画で大変恐縮であるが、私は『五等分の花嫁』を結構真面目に考察し、感想を書いていた。もう2年も前の話である。

isoisogingin.hatenablog.com

 それを今でも語るのはその漫画には「双方向の矢印関係」があったからだ。

 風太郎は家庭教師の生徒として最初に向き合ってくれたことを、花嫁(ネタバレ防止のために敢えてこう記述する)は過去に助けてくれた風太郎を好きになった。

 

 ここで私が言いたいのは、あかねとアクアの関係はそれに至っていないという事だ。

 あかねがアクアのことを本気で好きなのは理解した。

 自殺を考えるほどの苦しみの中で、唯一自分を見て、文字通り「救い上げてくれた」人物がアクアなのだ。

 だから、そんなアクアに対して好きになってもらおうと抱きつくのは理解しよう。

 この行為自体を気持ち悪いだとか、あかねは無理だとか言うつもりはないのだ。

 私はあかねの気持ちも十分に理解できるし、しているつもりだ。

 (最後のキスもセッもする発言はアレだが)

 

 では、何が問題か?

 道具としてしか見ていなかったアクアが急にあかねを恋愛対象に見ることだ。

 アクアはあかねのどこを好きになるのだろうか?

 二人で会っていても、利用だとか、復讐だとかを考える。

 アクアがあかねを助けたのも、あかねのことをよく見ていたのも、全てはアイの死から得た教訓なのだ。あかねを見ていたのではなく、その先にアイを見ていたとも言える。

 

 転生者としての大人目線から全てを語っているあかねよりも、一緒に居ると復讐心が宿る前に戻ってしまう重曹ちゃんの方が、まだ恋愛関係の相手として納得感がある。


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『【推しの子】』40話 より

 勿論、恋愛に理論は関係ないという派閥もあるだろう。

 これから好きになれば良いという人も居るだろう。

 抱きつかれて、何か好きになるのかもしれない。

 それでも、私はこれが漫画であり、フィクションであり、物語であるからこそ、仮に恋愛関係一つを取っても論理的なものが欲しいのだ。

 

 だから、私は断言する。

 今までの71話分の展開を踏まえた上で、次回72話でアクアは別れを告げるのが論理的には正しいのである。

 ただ、アクアが押されて流される可能性もあるし、結局復讐はしなくてはいけないので、そういう意味でも今後あかね改めて何かしらの関係を結ぶことはあり得る。

 これらの発言を重曹推しの戯言と取ってもらって構わない。

 それを踏まえた上で改めて言う。

 今回あかねが抱きつき、本気の気持ちを伝え、仮に抱かれてもいいとしても、次回72話でやっぱり別れない、むしろその関係を継続しようとするアクアは正しくないのだ。

 

 

 だから、もしアクアが流されて、あかねと関係を持ち、重曹ちゃんとのショッピングをすっぽかすようなものなら、今後『【推しの子】』は横槍メンゴの作品として読もう。NTRやBSS、それに伴う細やかな心情を描くのならメンゴ先生一人で十分なのだ。

今週の重曹ちゃん

 MEMが呆れるほどに、アクアと旅行に行きたい気持ちが隠しきれていない重曹ちゃん。素直になりきれず、ついでに自分も予定がスカスカであることを暴露していく。

 可愛すぎるぜ。


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『【推しの子】』71話 より

 あと、やっぱ重曹ちゃんは芸能人として先輩ぶっていたり、アクアに対して年上ぶっている時が一番可愛いのかもしれない。このドヤ重曹ちゃん。(MEMを添えて)


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『【推しの子】』71話 より

 

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.90「僕はややこしい」【漫画】

 2022年2月8日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新90話「僕はややこしい」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 

Karte.90「僕はややこしい」感想と考察

やりきった男たちと未だ悩む男

 Wデート(仮)でホワイトデーというイベントをやりきった市川と神崎くん。

 しかし、その一方で足立は悩んでいるのだ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.90 より

 仮に貰ったものが義理だと分かっていても返さないのは男が廃る。

 だから足立もお返しの品は用意している。

それを如何に渡すかが重要だ。(本当にそうか?)

 

 足立の作戦は関根さんの下駄箱にチョコを入れておき、それに気づいた関根さんに市川が「足立のものだ」と教えてあげるという何とも他人任せのものだった。

 結局、足立も直接渡すのが恥ずかしいのだ。

 

誤解を避けたい市川 

 しかし、ここで足立のミスが発覚する。

 関根さんの下駄箱ではなく、山田の下駄箱にお返しを放り込んだらしい。

 

 しかも、そのすぐ近くに様子を窺う市川が居るという状況。

 関根さんは持ち前の空気読みで察するのだ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.90 より

「市川がバレンタインのお返しを山田に渡そうとした」

 この解釈は間違っている。

 市川は本当のことを言うべきか迷うが、ここで「足立のものだ」と言うと、「足立が山田に渡そうとした」と解釈され、それはそれで異なる。

 だから、とりあえず関根さんを帰らせないのだ。

 山田の前で関根さんの腕を掴むとか、やるじゃん。

 (当然、山田は圧倒的嫉妬)

 

そういうところ

 市川が言い出せないまま、誤解が広がっている最中に足立が登場する。

しかも、親に首根っこ掴まれて。

 どうやら、お返しのクッキーはお母さんが用意したものだったらしい。

 だから、母に強制されたという形式をもって、足立は感謝を述べるのだ。

 当の関根さんは元より義理のチョコであるため、気にしていない風である。

 皆に渡しているから、感謝される義理は無い。

 そのようなメッセージに対して、足立はそういうところが良い奴なんだ、と言う。

 恐らくこれは心の底から出た本音だ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.90 より

 (この関根さんの表情、最高だ)

 人間誰しも感謝されて嬉しくないことなどない。

 ましてやそれが心の底から出た正直な言葉であればいう事はないだろう。

 だから関根さんのこの表情も頷ける。

 

 関根さんは周りが良く見える良い奴だし、足立は素直で良い奴なのだ。

 

アンジャッシュは続く

 関根さん×足立の可能性に沸き立つ中、忘れてはいけないのは「まだ誤解は解けていない」という事だ。

 そう、関根さんも山田も下駄箱に入っていたクッキーは市川が用意したものだと勘違いしている。

 当然手紙も市川のものだと誤解している訳だ。

 足立が書いた、足立節?たっぷりの「Lovers」とか「ぴ」とか「ちゅっ」とかあれこれ多用し、日本語迷子の文章が全て市川の声と顔で再生されるのである。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.90 より

 いつも通りではあるが、誤解を解くのはむずかしい。

 

 

【ガチ】『その着せ替え人形は恋をする』着せ恋、喜多川海夢が何故可愛いのかを本気で考えた【漫画】

 2022年1月よりアニメ化され、今界隈でアツい『着せ恋』。

 正式タイトルは『その着せ替え人形は恋をする』であり、2018年から『ヤングガンガン』で連載されている漫画である。ちなみに「着せ替え人形」で「ビスク・ドール」と読むことは覚えておいてほしい。

 

 私は『着せ恋』を連載当初から読んでおり、いくつか感想記事も書いた。

isoisogingin.hatenablog.com

 古参アピではなく、単純に好きな漫画がより多くの人に楽しんでもらえているのが嬉しいのだ。ニチャニチャしてしまう。

 

 そこで、私は思う訳である。

 なぜ、喜多川海夢はこれほどに可愛いのか。

 その私が抱いた疑問に立ち向かうべく、記事に書いていこうと思う。
 (あくまで私が抱いた疑問であり、私が思った答えである)

 

 

『着せ恋』の題材コスプレ

 『着せ恋』の題材はなんといっても「コスプレ」である。

 外務省: ポップカルチャーで日本の魅力を発信! (mofa.go.jp) のページによると日本は着物や華道,茶道,歌舞伎,武道などの伝統文化と共に、「ポップカルチャー」を推しているのだ。

 そのポップカルチャーに『着せ恋』の題材となっている「コスプレ」であったり、そもそもの媒体である「漫画」といった文化が含まれている。

 では財務省の「ポップカルチャー」の定義は何だ。

ポップカルチャーとは,大衆向けの文化全般のことを表しますが,現在では「訴求力が高く,等身大の現代日本を伝えるもの」という意味でも使われます。

外務省: ポップカルチャーで日本の魅力を発信! より

 以上の様に定義されている。

 「訴求力」って何だ。

 我らがコトバンクさんで調べた。

①訴えて欲求すること。

②広告や宣伝を通じて、消費者の欲求に働きかけること。

コトバンク [ 辞書・百科事典・各種データベースを一度に検索 ]より

 つまり、等身大の日本を伝えた上で、「買いたい」と思わせるまでがワンセットであるらしい。

 だが、ここで「企業の戦略によって消費させられている」だとか、「日本全体で団結して海外の人にお金を落としてもらう」だとか、そんな陰謀とかはこの際どうでも良い。

 

 私が言いたいのは、コスプレや漫画のようなポップカルチャーが「そこにお金を落としたいと思えるほどとても魅力的なコンテンツである」ということだ。

 その魅力を日本の外務省が認めているのだ。

 

 私も幼いころから漫画を読み、現在こうしてブログの記事にするぐらいには、漫画を含むポップカルチャーに魅了されてしまった人間である。

 好きなことには人間いくらでも時間とお金を消費できるのだ。

 そして『着せ恋』の主人公、喜多川海夢もそんな魅了された人間の一人なのだ。

 

ヲタクに優しいギャル

 さて、ヲタク界隈では「ヲタクに優しいギャル」というコンテンツが存在する。

 「ヲタクに優しいギャルなんて存在しない」なんて言葉を耳にしたこともあるだろう。

 本当にそうであろうか?

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『鬼滅の刃』3話 より

 頭の中の鱗滝さんも言っている。

 「主語がでかい」と。

 結局のところ、ネット上のミームというかネタというか構文というか、そういうものは得てして過度に一般化したり、過度に二項対立で考えたりするものだ。

 しかし、このような構文がなぜ構文足り得るのか。

 やはり、多くの人に「訴える力」があるのだろう。

 誰しも自分の趣味に理解を示してくれる良き理解者が欲しいのだ。

 


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『その着せ替え人形は恋をする』2話 より

 そして何を隠そう喜多川海夢はヲタク文化に理解があるどころか、ヲタク本人なのだ。そのルックスとはギャップがありすぎる単語が口から出るのも本作ではお馴染みである。

 つまるところ喜多川海夢は全ヲタクの願望なのだ。

 ヲタク趣味を理解してくれる超良い奴。

 我らが夢なのだ。

 

喜多川海夢の「可愛さ」

 しかし、それでは自分に優しい奴なら誰でもええんか、という疑問が浮かび上がる。

 先程の「ヲタクに優しいギャル」理論は喜多川海夢の可愛さの一部ではあるものの、それで全てを説明はできないだろう。

 では、可愛いとは何か。

 顔が良い。スタイルが良い。

 確かにアニメの作画は神だ。

 全ての表情が素晴らしい。

 

 では、外見が良ければ「可愛い」なのだろうか?

 それも少し違う気がする。

 「顔が~」とか「スタイルが~」とかは結局可愛いの要素だ。

 表情が良い。それも同上だ。


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『その着せ替え人形は恋をする』14話 より

 

 困った時のコトバンクだ。

①小さいもの、弱いものなどに心引かれる気持ちをいだくさま

②他と比べて小さいさま

③無邪気で、憎めない。すれてなく、子供っぽい

④かわいそうだ。ふびんである。

コトバンク [ 辞書・百科事典・各種データベースを一度に検索 ]より

 以上の定義なら、①②④は違うので③に当てはまるのだろう。

 

 子供らしさ。よく言えば純粋。

 そんな喜多川海夢の「等身大」な姿が何よりの「可愛さ」であり、多くの人が魅了されるポイントだと私は思うのだ。

 

 好きなキャラクターに少しでも近づきたいという気持ち。

 コスプレを一から勉強して挑戦しようという気持ち。

 キャラのイメージは崩したくなく、少しでも良いコスプレをしたいという気持ち。

 そして、五条への純粋な恋心。

 そのどれもが「好き」という気持ちを原動力に、正面から純粋に挑戦するその「等身大」の姿に魅了されてしまうのだろう。

 

 ただ、ヲタク趣味を理解しているだけではない。

 ただ、顔が良いだけではない。

 等身大の姿とその挑戦から得られる最高の喜び。

 色々失敗するかもしれない。難しいことがあるかもしれない。

 でも、だからこそ、自分でやったからこその喜び、成功したときの喜びは大きい。

 そのような「本気の気持ち」が表情に乗るからこそ、喜多川海夢は「可愛い」のだろう。


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『その着せ替え人形は恋をする』12話 より

 

実はまだまだある

 本来であればここからも様々な喜多川海夢の可愛さを証明していくところであるが、現在2022年2月6日現在アニメは5話まで放送されている。五条への恋心とそれによるギャップだとか、あれやこれや話すべき点はあるが、過度のネタバレを避けるためにもここれへんで筆を置く。

 少しでも『その着せ替え人形は恋をする』、そして喜多川海夢の魅力について共感が得られたなら幸いである。