葉のブログ

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【感想と考察】『【推しの子】』71話「歩道橋」【漫画】

 さて、2週間ぶりの『【推しの子】』の時間です。

 2022年2月17日発売の「ヤングジャンプNo.12」で『【推しの子】』の最新71話「歩道橋」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事はこちらから。

 矛盾点とミスリードについて解説した考察記事も更新してます。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 

 一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 最新7巻が明日(2022年2月18日)発売予定です!

 今のうちに予約しておきましょう!

 

71話「歩道橋」感想と考察

舞台の終わり

 展開からキャラから何から何まで盛りだくさんだった『東京ブレイド』編。

 そんな2.5次元舞台は千秋楽(最後の日)を迎えた。

 ふぅ、長かったぜ。

 

 舞台も終わり、復讐の意味も見失った。

 そんなアクアはルビーから見ても明らかなほどの放心状態であった。

 ルビーの言葉を借りれば「無職」。

 実際、演じる役が決まっていない役者はその言葉に当てはまるのかもしれない。

 

 つまるところなのだ。 

 そうだ。宮崎に行こう。そんな提案を受けるくらいには。

 

 それにしても、アクアの去り際のこの約束。

 「明日」つまり来週か再来週には重曹ちゃんとアクアのデート(ショッピング)回が見られる可能性があるってことでよろし???


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『【推しの子】』71話 より

 

関係の終わり

 「今ガチ」が終わって以来偽りの彼氏彼女を演じるあかねとアクア。

 会話の中でアクアの精神とあかねとの間にジェネレーションギャップがあることが窺える。それでも傍から見れば彼氏彼女なのかもしれない。

 

 アクアが宮崎旅行に誘い、ついでに話したいことがあると提案する。

 しかし、察することが得意なあかねには分かるのだ。

 あかねの場合は、察するというより、「国語力」という範囲を超えて誇大妄想甚だしいような気もするが、役者としてそれで大成しているので問題ない。

 まぁ、今回はあかねでなくても分かるかもしれない。

 旅行ついでの別れ話である。

 

 誰しも、別れ話の控えている旅行なんて嫌だろう。

 だから、あかねは今からその話をすることを提案するのだ。


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『【推しの子】』71話 より

あかねの一方通行

 時系列的には「今ガチ」から半年。

 キスは番組の一度きり。手を繋いだこともない。

 アクアが言葉にする「形式上始まった関係」という言葉が全てを物語っている。

 

 前項で記述した通り、あかねは並外れた国語力というか洞察力を持っている。

 その関係に打算があったこと。

 あかねが利用できそうだったこと。

 全て分かっているのだ。

 

 しかし、一方で打算だけでないことも知っている。

 かつて歩道橋で身を投げ出す直前に助けてくれたこと。


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『【推しの子】』25話 より

 あかねにとっては単純に「嬉しかった」のだろう。

 だから、打算だとか、ずる賢いところとか、何かを抱えていることとか、全てを察して、理解して、それらを受け止め、その上であかねはアクアを受け入れるのだ。


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『【推しの子】』71話 より

 

物語的な恋愛の構造について語らせてくれ

 物語の構造として、恋愛漫画に欠かせないものがあると私は思う。

 それは「双方向の矢印関係」である。

 つまり、両想いであるということだ。

 

 異なるタイトルの漫画で大変恐縮であるが、私は『五等分の花嫁』を結構真面目に考察し、感想を書いていた。もう2年も前の話である。

isoisogingin.hatenablog.com

 それを今でも語るのはその漫画には「双方向の矢印関係」があったからだ。

 風太郎は家庭教師の生徒として最初に向き合ってくれたことを、花嫁(ネタバレ防止のために敢えてこう記述する)は過去に助けてくれた風太郎を好きになった。

 

 ここで私が言いたいのは、あかねとアクアの関係はそれに至っていないという事だ。

 あかねがアクアのことを本気で好きなのは理解した。

 自殺を考えるほどの苦しみの中で、唯一自分を見て、文字通り「救い上げてくれた」人物がアクアなのだ。

 だから、そんなアクアに対して好きになってもらおうと抱きつくのは理解しよう。

 この行為自体を気持ち悪いだとか、あかねは無理だとか言うつもりはないのだ。

 私はあかねの気持ちも十分に理解できるし、しているつもりだ。

 (最後のキスもセッもする発言はアレだが)

 

 では、何が問題か?

 道具としてしか見ていなかったアクアが急にあかねを恋愛対象に見ることだ。

 アクアはあかねのどこを好きになるのだろうか?

 二人で会っていても、利用だとか、復讐だとかを考える。

 アクアがあかねを助けたのも、あかねのことをよく見ていたのも、全てはアイの死から得た教訓なのだ。あかねを見ていたのではなく、その先にアイを見ていたとも言える。

 

 転生者としての大人目線から全てを語っているあかねよりも、一緒に居ると復讐心が宿る前に戻ってしまう重曹ちゃんの方が、まだ恋愛関係の相手として納得感がある。


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『【推しの子】』40話 より

 勿論、恋愛に理論は関係ないという派閥もあるだろう。

 これから好きになれば良いという人も居るだろう。

 抱きつかれて、何か好きになるのかもしれない。

 それでも、私はこれが漫画であり、フィクションであり、物語であるからこそ、仮に恋愛関係一つを取っても論理的なものが欲しいのだ。

 

 だから、私は断言する。

 今までの71話分の展開を踏まえた上で、次回72話でアクアは別れを告げるのが論理的には正しいのである。

 ただ、アクアが押されて流される可能性もあるし、結局復讐はしなくてはいけないので、そういう意味でも今後あかね改めて何かしらの関係を結ぶことはあり得る。

 これらの発言を重曹推しの戯言と取ってもらって構わない。

 それを踏まえた上で改めて言う。

 今回あかねが抱きつき、本気の気持ちを伝え、仮に抱かれてもいいとしても、次回72話でやっぱり別れない、むしろその関係を継続しようとするアクアは正しくないのだ。

 

 

 だから、もしアクアが流されて、あかねと関係を持ち、重曹ちゃんとのショッピングをすっぽかすようなものなら、今後『【推しの子】』は横槍メンゴの作品として読もう。NTRやBSS、それに伴う細やかな心情を描くのならメンゴ先生一人で十分なのだ。

今週の重曹ちゃん

 MEMが呆れるほどに、アクアと旅行に行きたい気持ちが隠しきれていない重曹ちゃん。素直になりきれず、ついでに自分も予定がスカスカであることを暴露していく。

 可愛すぎるぜ。


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『【推しの子】』71話 より

 あと、やっぱ重曹ちゃんは芸能人として先輩ぶっていたり、アクアに対して年上ぶっている時が一番可愛いのかもしれない。このドヤ重曹ちゃん。(MEMを添えて)


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『【推しの子】』71話 より