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【感想と考察】『【推しの子】』98話「道を外す」【漫画】

 2022年10月20日発売「ヤングジャンプNo.47特大号」で『【推しの子】』の最新98話「道を外す」が掲載・更新されています。

 前回の感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

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 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

98話「道を外す」感想と考察

未来軸の重曹の発言の真意

 上述してるが私は重曹推し読者である。だから感想記事を読むうえで多少の偏りは許してほしいし、あかね推しの人はブラバしてもらっても構わない。

 以前から本ブログ記事で散々書き殴ってきたヒロインレースの考察。物語の構造上、その役者に値するのは重曹とあかねの二人であり、二項対立の如く対比され描かれてきた。

 その中で先週の記事で論点として挙げたのは重曹の未来の発言である。

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『【推しの子】』6話 より

 重曹は未来軸で「天才だってナイフで刺されればお陀仏」と発言している。この発言について、話掲載当初はアイを指すものだと考えられた。しかし、あかねの登場と重曹との経歴によって、アイをミスリードにしたあかねを指す発言であると考察されるようになった。

 天才がアイを示す場合について考える。重曹は未来軸において、アクアの作成する「作品作り」に参加している。となれば、アイとアクア、ルビーのことも知っているかもしれないし、その事実と「作品」に紐づけた発言であると分かる。

 一方で、天才があかねを示す場合について考える。監督らの発言から、アイの真実を題材にしていると思われる「作品」。それに本筋では関係しないであろうあかねの死を話題にするのは不謹慎だとか、不誠実だとか、嫌味だとかいろいろなものが映る。重曹が嫌な奴に思えてくるのだ。

 だから、私は私の好きな重曹像を信じて、前回感想記事時点では「あかねは死なないでくれ」という考察とも言えない願望を記した。

 結論から言う。

 あかねは死ななかった。

 願望が届いた様で何より。

 あかねはナイフで刺されるのではなく、通行人とぶつかって足を滑らせる。そこを助ける人物として、アクアが登場する。丁度、あかねが自殺未遂した時と同じ構図である。

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『【推しの子】』98話 より

 とりあえず死なんくて良かった。

 しかし、あかねはナイフを仕込んで「カミキ」を殺すつもりでいたようだ。マジで自分の頭の中だけで完結して、犯人だと思い込んでガチでナイフまで持ち出すのは普通に怖い。ここら辺のあかねの暴走ぶりも後述するが、あかねの歪さである。

アクアの外道ぶり

 「道を外す」と書いて外道。

 98話では、アクアの外道ぶりが描かれていた。というのも、私が「あかねが死ななかった」という事実に胸をなでおろす一方で、当事者であるあかねは意外な所に目をつけるのだ。

 あかねは「カミキ」を殺すつもりだった。アクアを復讐から解放するために。アクアより先回りする形で、カミキに向かうことができるはずだった。だから、アクアが同じ場所に居るのはオカシイのである。

 その疑惑の正体は読者もビックリ。

 なんとGPSを仕込んでいたのだ。どうやら『今ガチ』が終わった後少ししてつけたらしい。そして時間が経過した今も確実にそれは機能していた。

 アクアはどこまで行ってもあかねを復讐の道具として使った。あかねが願った恋人という対等な関係とは程遠い、利害関係であることを明らかに示す。

 結局、『今ガチ』のラストシーンから、アクアとあかねの関係は変化はしていないのだ。どれほどあかねが恋人関係を望もうとも、残酷ではあるがこれが結末である。

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『【推しの子】』30話 より

アクアとあかねの幕切れ

 利害関係と上述したが、形としてはあかねが心配だからこそ遠ざけたのかもしれない。その言い訳として仕込んであったGPSで納得させただけかもしれない。

 それでも、「二度と関わらない」とまで宣言した。

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『【推しの子】』98話 より

 この発言は、ある意味アクアとあかねの関係をハッキリと終わらせるものだろう。

 地獄までついていく、と言いながら一人で「カミキ」に近づくつもりでだったあかね。仮カップルを始めてわりと序盤にGPSまで仕込んでいたアクア。

 それらの皺寄せの1つかもしれない。

 ただ、1つ言えるのは、重曹が大切だと言いながら安全を保障するために遠ざけ、一方のあかねにはGPSをつけていた。ただただアクアがクズ男なのだ。

道を間違えたと自覚するのであれば、復讐の道に突き進む前にごめんなさいが必要である。当然その謝罪は重曹にもあかねにも必要である。そもそもアクアが拗れてなければ、状況は複雑にはならなかった。

 当のあかねはアクアを救えなかったことに涙を流すのである。一方でアクアはあかねの恋心を考えることなく、復讐に突き進むことしか考えていないのだから、大したエゴイストである。

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『【推しの子】』98話 より

 だがしかし、アクアのことをエゴイストと称するのであれば、あかねもまた同様にエゴイストであることは認めざるを得ない。だからこそ私は、この涙があかねの本心であればあるほど、自分のエゴを押し付ける形に見えてしまう。

 作者がキャラに言わせた「二度と関わらない」。

 今後あかねの登場が文字通りあるのか否かにも注目だ。

今週の重曹ちゃん

 今週も出番はなし。

 でも、文字通りアクアとあかねの関係が断たれたとするならば、残されたのは重曹ヒロインルートのみである。そういう観点で、重曹の波動は感じた。

次回更新は

 次号休載なので、次回更新は11/2(木)です。