2021年10月25日に『その着せ替え人形は恋をする』最新8巻が発売されました。
遂にアニメスタッフも公開され、勢いに乗る本作。
その最新巻の感想を書いていこうと思います。
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— TVアニメ『その着せ替え人形は恋をする』 (@kisekoi_anime) 2021年10月15日
TVアニメ「その着せ替え人形は恋をする」
メインスタッフも公開❗
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アニメーション制作は
CloverWorksが担当いたします✨https://t.co/0URTXuYeP4#着せ恋 pic.twitter.com/4A7wbeeKE8
前回の感想記事はこちらからご確認ください。
8巻感想と考察
8巻でもコスプレ知識全開!
全巻に引き続いて本巻でも学園祭でのミスコン(ただし男装)でのコスプレが話のメインとなります。
この漫画の魅力の一つに「コスプレ知識」があると思います。女性に役立ちそうなメイクの話から本格的な生地やそれをどのように衣装にするかまで様々な知識が物語に登場します。
それは最新8巻でも例外ではありません。
本巻では①ウィッグの生え際 ②男らしさとはどう作るか の2点が主です。
ウィッグの生え際
コスプレと言えば、髪型を変えるアイテムとしてウィッグは有名でしょう。
しかし、ここで五条と海夢の二人が今まで経験していない問題が発生します。
それが、「ウィッグの生え際をどう表現するか」です。
今まで作ってきたコスプレキャラは全て前髪を下ろしています。しかし、今回の麗様は前髪を上げるタイプのキャラです。そこでウィッグの生え際が見えてしまうため、そのままやると不自然な印象が出てしまうのです。
そこで二人が発見したのが生え際パーツというものです。
『その着せ替え人形は恋をする』8巻
実際にAmazonでググってみたらありました(笑)。意外と高いんすね。
結局二人は、自作することに。
前髪を立ち上げた後に、前髪の生え際のラインにビニールを並べてボンドを付着。カットした髪をヘアスプレーをかけて形を整えてからビニールの上に置いて毛先をカットすれば完成です。
コスプレと工作は表裏一体に感じますね。
最近では韓流と言いますか、前髪を立ち上げるようなヘアスタイルが流行っているので、この知識も役に立つかもしれません。
男らしさをどう作るか
衣装やウィッグを作り終えた五条ですが、「何かが違う」と違和感が消えません。
そこで気が付いたのは「立ち振る舞いから滲み出る男らしさ女らしさ」です。
今までの様に写真を撮るだけなら、その瞬間のポージングだけを決めれば大丈夫です。しかし、今回はミスコン。ステージ上でのパフォーマンスを伴ったコスプレです。
海夢は以前の男装コスプレでも登場した『ペタ胸メーカー』『ペタ尻メーカー』を着用します。さらにはタオルを巻いたり、靴にインソールを入れたりと男性になるため、体の形を変える工夫をしていきます。
『その着せ替え人形は恋をする』8巻
こちらも意外と高価(笑)。
以前Twitterとかでバズってるのを見たんですけど、男性が女性コスプレをするための偽乳なんてのもあるんですね。
この世は広い。
私が知らない世界を知れるというのもこの漫画の魅力の一つなのでしょう。
さて、しかし話はここで終わりません。
男性と女性という所謂”性別の差”というのは身体の形を変えれば全て消えるものではありません。立ち振る舞いや声の高さなど突き詰めれば限りがありませんが、五条と海夢は「立ち振る舞い」に注目します。
『その着せ替え人形は恋をする』8巻
ステージ上で振る舞う以上、見て「男らしさ」を感じる必要がある。それは見た目だけではなく、立ち方などの身体の動かし方も寄せていく必要があるのです。
行動の理由は単純で良い
この漫画で一つ描かれているものとして、色々考えすぎるが故に「好き」を表現できない五条と行動力が限界突破していて全身で好きを表す海夢の対比があります。
五条は海夢の姿を見て、今まで「好き」を表現するのに複雑な理由は要らないと感じるシーンがしばしばありました。
その輪が前巻から学校内の同級生にまで広がっていきます。雛人形を作っていること、海夢のコスプレ衣装を作成していることをクラスに知られても、その事実をクラスの皆は何でもないように受け止めます。
それは学校祭の準備をしていく中でも節々で現れます。『生ホス』ガチ勢の村上が海夢の顔より下の衣装だけ写真に写すほどのガチ勢であったり、同級生のギャル成蘭ちゃんが薔薇の色付けを手伝ってくれたり。
『その着せ替え人形は恋をする』8巻
(成蘭ちゃん可愛い)
人と人が触れ合うときに、「相手の気持ち」を考えないのは良くないが、それはどこまで行っても「勝手に想像した相手の気持ち」でしかなく、考えすぎて勝手に複雑にして袋小路みたいな、そんなのは逆に良くない。
五条はそんな風に思います。
五条のメイク
いざ本番。
メイクをする五条の周りには多くのクラスメイトが。
『その着せ替え人形は恋をする』8巻
今まで誰かに注目された状態で海夢のメイクをしたことがない五条はパニックに陥ります。
しかし、心配してくれる海夢の表情を見て、「俺が喜多川さんを1位にしてみせる」と全ての期待を集中力に変換します。全身全霊で海夢のメイクに臨みます。
その甲斐あってステージ上に麗様(海夢)が登場した際には大盛り上がり。
クラス皆で連携して合いの手を入れながらパフォーマンスを盛り上げ、コスプレは大成功に終わります。
てか、こういう知識が無さ過ぎて、合いの手とパフォーマンスがヒプノシスマイクの「パーティーを止めないで」に聞こえてきて笑っちゃいました。
皆で打ち上げ
大成功に終わった学校祭。
その打ち上げに五条は成功の立役者として、皆に呼ばれます。
カラオケで皆わいわいガヤガヤ。代わるがわる五条に話を聞きに来たり、話をしに来たりと若者特有の無尽蔵の熱量を五条は全身で受けます。(五条も若者ですけどね)
個人的に注目なのは、乃羽ちゃんです。
過去の記事にもしましたが、乃羽ちゃんは6巻のカラオケではTHE PINBALLSの『片目のウィリー』、神聖かまってちゃんの『ロックンロールは鳴りやまないっ』を歌ってました。
そして今回も歌っている訳ですが……
『その着せ替え人形は恋をする』8巻
今回歌っているのはELLEGARDENの『ジターバグ』ですよね。この歌詞。
なんと言いますか、随分選曲がロックバンドに寄っていると言いますか、世代を感じると言いますか、仲良くなれそうな気がします。以前もそうだったのですが、私も好きでよく聞くので歌詞を見てピンと来てしまいましたね。
これは作者の福田普一先生の趣味かもしれませんが(笑)。
そんなこんなで熱量にやられた五条はカラオケルームから退避して、休憩します。そこに海夢がやってきて二人でゲーセンを巡ることになります。
『その着せ替え人形は恋をする』8巻
海夢が勇気を出してプリクラに誘いますが、ここはお決まりの何故か皆居るパターンで、五条は男どもとプリクラ撮ることになります。
皆でプリクラやボウリングと何か一つ五条の中にあった壁のようなものが崩れた感じがしますね。
という感じで8巻は学校祭編が丁度キリ良く終わりました。アニメも控えていますし、ここから先、どのようなコスプレに挑戦し、どのような物語が展開されていくのか。
二人の関係の更なる発展にも期待です。
今回のイチオシシーン
個人的にはゲーセンで五条がUFOキャッチャーに夢中になった結果、意図せずプレゼントを受け取る形になった海夢の「えへっ」が最高に可愛くて推せます。
『その着せ替え人形は恋をする』8巻
次9巻の感想記事はこちらから。