葉のブログ

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【感想と考察】『【推しの子】』97話「一緒に」【漫画】

 2022年10月13日発売「ヤングジャンプNo.46」で『【推しの子】』の最新97話「一緒に」が掲載・更新されています。

 前回の感想記事はこちら。

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 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

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97話「一緒に」感想と考察

あかねの決断

 名探偵コ〇ンも驚きの推理力で「カミキ ヒカル」という人物に辿り着いたあかね。あかねは入念なリサーチ(聞き込み調査)を繰り返し、その人物像を明らかにしていく。

 (推理ものとして作品を見たときに、あかねがあかねには公言されるはずのない情報を当たり前の様に知っているので、もう笑って眺めるしかできない)

 浮かび上がる事実と推理を合わせて考えられるのは、「カミキ」は15歳でアクアとルビーの父親となり、その前11歳で姫川の父親となっているということだ。これが本当だとしたらアニメ化できるのか?レベルで闇深い気がするが大丈夫なのだろうか。

 それらに辿り着いた上であかねが起こす決断は、「アクアに知らせずに解決する」ということだ。

 (前々から予想している中で最も悪手)

 復讐に囚われているアクアに心配事を増やさない。それはある側面では純粋な想いからの感情であるように感じるし、別の側面からは全く反対の感情であるようにも感じる。

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『【推しの子】』97話 より

「一緒に」 

 散々以前からの記事でも述べている部分である。

 アクアとしては復讐の利用のためにあかねにキスをした。重曹が好きであるのに、母親(アイ)と同じ結末を回避すべく重曹を遠ざけて"普通の恋人"であるあかねを選んだ。

 一方のあかねは自殺から救われたことに始まる。2.5舞台編では、「一緒に殺してあげる」という言葉を残している。そして恋愛が分からないと71話「歩道橋」で会話をしていたにも関わらず、そこから直ぐの宮崎旅行78話ではあかねの方から告白する。

 当時私はこのキャラぶれと感情のジェットコースターに追いつけていなかった(今もおいついていない)が、長い視点で観るとあかねの方には変化があるのかもしれない。

 今回97話のサブタイトル「一緒に」。途中にある「一緒に背負いたい」という言葉は実は上述した2.5舞台編52話でも用いられている。当時はアクアのやることを全肯定する中での「一緒に」であったが、今回はアクアを想っての「一緒に」背負うからこそのアクアを復讐から遠ざけるという道である。

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『【推しの子】』52話 より

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『【推しの子】』97話 より

 本気で好きだからこそ自信から重曹を遠ざけたアクア。仮ではなくアクアを本当に好きになっていたからこそ復讐から遠ざけたあかね。

 こうしてみると対比はされている。

 (アクア⇒あかねの感情が恋愛感情かの議論は別)

 勿論想いや話の構造をいったん呑み込んだとして、推理部分や「あかねは突き止めた上で何をするつもりだったんだ?」という疑問は次から次へと尽きない。

 そして結局、復讐の復活や重曹との溝によってメンタルブレイクした結果、電話相手となるあかねはアクアにとって「依存関係」ではないのだろうか?勿論、あかねの方は関係の発展を願っていたかは別である。

あかねの死は確定か?

 誰もが思う。あかねの死は確定か?

 97話はあかねと「カミキ」らしき人物が出会うシーンで終わる。普通に考えれば刺殺で事件の匂いがしてくるところだ。丁度よく、あかねは白い薔薇を持っている。

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『【推しの子】』97話 より

 そう仮定すると『【推しの子】』は笑い話になる。

 アクアは好きだと遠ざけた重曹の代わりにあかねが死ぬ展開。恋愛感情の有無に関わらず「自分の選択のせい」で死んだ事実が残る。あかねは一人で突き止めようとした挙句、本当に死んだことになる。重曹は、未来軸の発言を考えるならあかねの死をインタビューで例え話にする少し嫌な奴になる。

 ましてや「純情」が花言葉である白薔薇を伏線とする「カミキ」は純情とは程遠い。女関係にだらしなく、普通に人を殺す。典型的なサイコパスである。

 そして最後に、散々今まで重曹がアクアと結ばれる伏線などを他記事で考察してきた。この前提はまだ有効なのだが、そうであるならば、あかねは自動退場した上で重曹とアクアが付き合ったことになる。

 どっちの方が魅力的だったかとか、どっちの方がアクアを好きだったかとか。そういうラブコメではなく、あかねの椅子に重曹が座っただけという形に見えてしまう。一応、アクアの発言であかねと付き合っている時から重曹を想っていることは明言されているが、形式上は、外聞的には、そのような形になる。

 あかねが居なくなったから重曹と付き合う。

 私はそんな過程でのアクかなを求めていない。

 だからこそ最初の問いに戻りたい。

 あかねの死は確定か?

 答えはノーだ。

 ロングヘア―だもの。髪が舞うことだってあるよね!(現実逃避)考察に値する根拠なんて無い。むしろ伏線通りに読めば、展開としてはあかねが死ぬことは王道なのかもしれない。それでも死んでいないことを望む。あかね推しではなく、重曹推しであるが、重曹のため、『【推しの子】』という作品のため、死んでほしくはない。

 あかねが死んだら『【推しの子】』に残るのは滑稽さだけだ。

今週の重曹ちゃん

 登場無し!!!!!!!

次回更新は

 次回更新は何事も無ければ来週10/20(木)発売の『ヤングジャンプNo.47』だと思われます。来週まで待機。

【感想と考察】『【推しの子】』96話「白薔薇」【漫画】

 これは地雷回www

 2022年10月6日発売「ヤングジャンプNo.45」で『【推しの子】』の最新96話「白薔薇」が掲載・更新されています。

 前回の感想記事はこちら。

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 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

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96話「白薔薇」感想と考察

私にとっては地雷回

 以前から重曹派を公言する私としては、確定の地雷回。重曹を泣かせておいてからのあかね回。またもや重曹は放置されるのだ。

 確かに先週からあかねの影は感じていた。

 しかし、それは例えば重曹に謝るような過程の中で現れると思っていた。真実の暴露役として、実はアクア以外は気づいていた、みたいな。

 蓋を開けてみたらビックリ。

 重曹の影は1ミリも見当たらない。どうやらあかねは日本映画賞の授賞式らしい。アクアと通話する中で、夜に会いたいと尋ねるが、アクアは拒否する。当のアクアは犯人が生き残っているという驚愕(笑)の真実からか、重曹を泣かせた後悔からか(これはこじつけ)部屋をぐちゃぐちゃにする荒れ模様。

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『【推しの子】』96話 より 

 開幕から想定と違った。

 思わず(´・ω・`)となった。

 そして、犯人探しではありとあらゆることを察するのに、彼氏の感情は察せない。勿論電話越しであるが、あかねはもう少し普段からそういう機微を感じ取っても良いと思ったり思わなかったり。

名探偵あかね

 あかねは授賞式の中で、アクアに似た人物を見つける。劇団ララライのOBであるという彼は、白い薔薇をプレゼントしに来たらしい。あかねが見せる「嘘を真実だと思わせる力」はどうやら真犯人も持っているようだ。

 そんなあかねは「私の中にある再現したアイの感情」という二重人格もとい名探偵コ〇ンも衝撃の超能力で真犯人と思われる人物にたどり着いてしまう。その際に白い薔薇という伏線に気付いたようなのだが、当然あかねは現場には居なかった。

 ネットニュースなどの記事に「白い薔薇を持った犯人が~」などと書かれていることになるが、これは想像するだけで一生笑える。(細かすぎるでしょ)

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『【推しの子】』96話 より 

 心の中のアイを顕現させたあかねはそのままアクアと父親として合点が行く部分を次々と見つけ出していく。本当に金田一少年もビックリだ。

 カミキ ヒカルという名前らしい。

 しかも、アイが妊娠した当時15歳なのだ。

 (15歳はしっかりアウト!!)

 直角よりも鋭い曲りで復讐相手の素性を突き止める展開。どんな展開であっても、あかねを登場させて、心の中のアイを顕現させれば真実に辿り着けるのであるから、「ミステリーパート」とやらは存在しないに等しい。ミステリー要素があると錯覚していたのは私だけか。

白い薔薇

 あかねが自然と「白薔薇」を伏線の様に用いていたことに、笑いが止まらなかった私であるが、花が出たら花言葉をググるのは義務である。

 白い薔薇の花言葉は相思相愛、純潔、無邪気という意味。「いつもあなたを想っています」や「私はあなたに相応しい」と言ったフレーズもある。

 花言葉から大層な考察は出来ないであろうが、アクアの父親はしっかりとアイを好きだったらしい。好きすぎて殺すくらいなのかもしれない。人を殺した時点でその背景等わりとどうでも良いのだが。

 さて、どうやら「カミキ ヒカル」はアイのことがとても好きらしい。殺してしまうほどに好きらしい。で、あるならば、殺人の動機はアイであるが、そのアイはこの世にもう存在しない。

 で、あるならば真犯人を突き止めたとして、アクアはどう行動するのだろう。あるいは、アイを顕現させるほどの、嘘を真実だと思わせるほどの超能力(笑)があるあかねが殺されでもしたら、アクアは復讐を始めるのだろうか。

 アイを好きな人が、アイを偽るあかねを殺し、あかねと嘘の恋人だったアクアがそれを復讐の動機にする。

 滑稽も滑稽。

 シェイクスピアもビックリの滑稽さである。

 では、あかねはどう行動するか。アクアに復讐をしてほしくないなら、当然であるが自分も触れない方が一番気づかれにくいのではないか。しかし、一人で行動を起こすかもしれない。そうなると死亡フラグがビンビンであるが、真犯人カミキとしても上述した通り殺す理由がない。

 逆に、祝いとしてあかねに送った白薔薇は、アイを顕現させるあかねへのラブレターと仮定する。そうなると、カミキはアイではなく「アイっぽい人」が好きな訳で、見事に花言葉とは離れた笑劇である。

 適当にあしらわれて、アクアはあかねとカミキの繋がりを知ってしまう。そこからあかねの信頼が下がっていくくらいが妥当な展開予想であろうか。本当にあかねが殺されでもしたら、上述した通り滑稽すぎて読む気すら冷めるかも。

今週の重曹ちゃん

 登場なし!

 登場を期待していた分、反動がでかい。

 

【感想と考察】『【推しの子】』95話「盲目」【漫画】

 2022年9月29日発売「ヤングジャンプNo.44」で『【推しの子】』の最新95話「盲目」が掲載・更新されています。

 前回の感想記事はこちら。

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 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

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95話「盲目」感想と考察

伏線の答え合わせ

 壱護と邂逅したアクア。

 壱護はまるで探偵の様に推理を披露する。推理の内容自体は、私自身も半年ほど前に考察記事を掲載しているものだ。つまり、上原清十郎が父親だと仮定すると、アイの殺害と時系列が合わない。

 (以下の記事にて整理しています)

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 読者としては、まぁ半年も粘って引っ張ったなという感じの伏線。しかし、当のアクアには今その瞬間まで見えていなかったのである。自分の復讐劇が終わっていないことにアクアは動揺を隠せない。

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『【推しの子】』95話 より

重曹とアクア

 雨の中、自問自答を繰り返すアクア。真犯人の登場は、またしてもアクアを復讐の苦しみへと誘う。自身が立つその現状が全て虚構であったことを目の当たりにする。

 思わずアクアは叫ぶのだ。

 アイを救えなかった幼少期の自分。アイの出産の中で殺害された前世の自分。動揺したアクアは幻影に囚われたまま、意図せず重曹を突き飛ばすのである。

 どうやら重曹は雨の中、呆然とするアクアに傘を貸しに来たようだ。その行動に対して突き飛ばされた重曹は思わず涙を流しながら立ち去る。

 重曹としては、突き飛ばされるようなことをした覚えはない。アクアが呆然としている間、何か言葉をかけたかもしれない。「大丈夫?」とかだろうか。それを突き飛ばされてしまえば絶望も頷ける。一方で泣きながら、謝りながら立ち去る重曹にアクアは言葉をかけれないのだ。

 一応永らく『【推しの子】』を読んできた読者目線で言うならば、ここら辺が重曹展開の底であろうか。本作ではどうやら重曹を落としては上げる展開を繰り返す。ここまで仲違いしてしまえば、あとは紆余曲折の果てに仲直りして、アクアが想いを告げれば丸く収まるのである。(どう納得させるか、どう展開させるかは知らんが)

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『【推しの子】』95話 より

 重曹の後ろ姿を眺めるアクアの表情。

 お前、めちゃくちゃ重曹のこと好きじゃん。そうでもなきゃ、そんな絶望の表情しないでしょ。そのままその猫?柄の傘を大事に帰宅しろ。

【考察】アクアの「普通の幸せ」と「真の幸せ」

 さて、重曹の泣き顔からは少し話が逸れるが、一つアクアの台詞に注目したい。

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『【推しの子】』95話 より

 最新95話で、アクアは「普通の幸せ」という言葉を吐いている。アクアが手に入れていたもの。それは「あかねとの恋人関係」であると仮定しよう。

 普通という言葉と対比されるものは当然普通ではないということになる。漫画として描写されていたが、83話でアクアは重曹を想って突き放したことを暴露している。

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『【推しの子】』83話 より

 散々悩みに悩んでアクアは重曹ではなくあかねを選んだ。

 真に好きな重曹ではなく、普通の恋人であるあかねを選んだ。そして、最新95話で「普通の幸せ」は仮初のものであったことに気が付くのである。勿論、復讐劇の展開とアクアを取り巻く恋愛模様を重ねて対比して読んでいるだけである。しかし、主張しておきたいのは、ここから残された展開はアクアが真に好きな重曹との結ばれる展開なのだ。

今週の重曹ちゃん

 雨の中、傘を届ける。

 距離を置かれている相手に見せる優しさ。

 重曹、めっちゃアクアの事好きやん。

 ただ、一つ主張したい。

 重曹を泣かせればいいってもんじゃねーぞ。

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『【推しの子】』95話 より

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.105「僕は負けたくない」【漫画】

 2022年9月27日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新105話「僕は負けたくない」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

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105話「僕は負けたくない」感想と考察

体育祭あるある

 遂に始まった体育祭。

 体育祭あるあると言えば、クラスTシャツとボディペイントである。『僕ヤバ』世界ではボディペイントが主流であるようだ。

 (そもそもクラT選ぶのは高校からだっけ?)

 山田は額に「誠」と書く謎センス。ギャルの安藤さんからは彼ピの名前かと訊かれるが、蒙古タンメン中本の店主、白根誠の「誠」をチョイスする山田のセンスが迷子であるだけだ。

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蒙古タンメン中本 店主ご挨拶(蒙古タンメン 店主挨拶 - 検索) より

 今回ポイントとなるのは山田が市川の額に何かを書いていることだ。鉢巻をするため丁度隠れる場所である。山田のことだから「周りに気付かれない」と思って、山田だと分かることを書いているかもしれない。

 次回以降の考察ポイントは決定である。まず間違いなく、市川の鉢巻が取れる展開が来るだろう。そして額に何か書かれていることがバレる可能性大である。

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『僕の心のヤバイやつ』Karte.105 より

借り物競争という名の両親ラブ回

 体育祭は足立の選手宣誓から始まる。「下ネタとバレないように下ネタを言う」という男子らしいくだらない賭けをする足立であるが、果たして無事だったのか。

 そんな体育祭の借り物競争。

 安藤カンナが「カップル(両片想い可)」という限定的なお題を山田の所に持って来る。明らかに山田と市川をくっつける気満々の行動である。

 山田は苦渋の選択を迫られる。

 選ばれたのは、両親でした。山田の期待に応えるべく山田ママをお姫様抱っこして全力疾走する山田パパ。腹が千切れるくらい笑った。

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『僕の心のヤバイやつ』Karte.105 より

 恥ずかしさの限界を迎えた山田ママが、「おろして」と悲鳴を上げているのもポイントが高い。てぇてぇの塊である。

 しかし、安藤カンナのお題は嘘だったようで失格だ。山田両親の頑張りも水に流れた。

障害物競走と応援

 障害物競走では山田が走る。

 市川は応援をするよりも、周囲の目が気になるタイプである。しかし、網に絡まる山田の姿を見せまいと足立の妨害をする。その姿が結果として山田には応援しているように映ったようだ。

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『僕の心のヤバイやつ』Karte.105 より

 山田はビリであるが、笑顔でゴールする。

 一方で男子は見えている景色が違う。足立としてもやはり、「山田を観ることを邪魔されている」という自覚はあるようだ。だからこそ、男同士の勝負は重要なのだろう。

市川の決意と展開考察

 結局、自分が山田を好きであることを足立に伝えられない市川。しかし、男には言葉で語らずとも拳で語ることが出来る。その想いは騎馬戦に委ねられた。

 足立の想いを知るからこそ、市川は勝負を受けなければならない。だから雨で体育祭が中止になる訳にはいかないのだ。普段は言わないであろう、体育祭続投志願。

 その言葉はマイクを通じて山田にも届くのだ。

 (当の山田は、市川が山田のために騎馬戦をすることを知らないのである。ただ、頑張っている姿を純粋に応援したいのだろう)

 そして、その言葉は市川にとって「山田を譲らない」という強い決心である。一方で、足立に対しての宣戦布告ともなった。

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『僕の心のヤバイやつ』Karte.105 より 

 さて、騎馬戦は被った帽子を取った方が勝ちの様だ。ここで、最初の考察ポイントに戻ろう。どのようにして市川の鉢巻がとれるだろうか。

 現時点の情報だと2種類考えられる。

  1. 騎馬戦で帽子を取られる勢いで一緒にとれる
  2. 雨の勢いでとれる

 ②雨の勢いでとれる、については考察としてお粗末すぎる。よって①騎馬戦で帽子を取られる勢いで一緒にとれる、について書いていきたい。

 市川の騎馬である鵠沼は身長が高い。しかし、肝心の市川は運動神経が悪いことが所々で描写されてきた。単純に考えれば、騎馬戦は負けるのだろう。

 そして勝負に負けた場合、帽子を取られると同時に鉢巻がとれるのだ。市川の額に描かれた山田の文字。それを見て足立は市川と山田の関係を明確に察してしまうのではないか。正しく「試合に勝って、勝負に負ける」展開である。

 そしてその額のマーキングは、水性ペンの為雨に流されてしまうのであろう。そうであるならば、額に何が書かれていたかは書いた山田本人と足立しか知らない結末になるかもしれない。市川すら知らない秘密となるかもしれないのだ。

 そんなこんなで私は市川が「試合に負けて、勝負に勝つ」展開を予想する。そんな王道の通りに展開が進むかは分からないが、ある読者の考察として聞いていただけたら幸いである。

 

 

【感想と考察】『その着せ替え人形は恋をする』10巻【漫画】

 2022年9月24日に『その着せ替え人形は恋をする』最新10巻が発売されました。

 10巻は良いシーンが多すぎる~!

 アニメ2期も決定!

 益々波に乗る本作に目が離せません。

前9巻、8巻の感想記事は以下からご覧ください。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

10巻感想と考察

【考察】9巻から残っている考察部分

 10巻の考察をするにあたって、9巻から継続して存在する謎がある。最新10巻について考える前におさらいしておきたい。

isoisogingin.hatenablog.com

 端的に言うと「旭の挙動不審」である。

 9巻で登場した、コスプレに関する小道具を制作しているという旭。所々で挙動不審な素振りを見せるため、その行動の裏にある感情を考察した。

 上記考察記事では以下の順で考えた。

①五条と話す際はいたって普通である。

②海夢たちと合流してから挙動がおかしくなる。

③旭さんは涼香さんたちと友達であり、本人もコスプレをする。

④五条はどこかで旭さんを見たことがある。

⑤涼香さんたちは訳を知っているような素振りをしている。

 これらの要因から考えられる原因は、旭は海夢推しであるということだ。嫌いではない。好きすぎるが故の、挙動不審。ヲタクあるあるである。

 この考察の正否が判明するかもしれない。

 それでは10巻の感想と考察を書いていく。

『棺』合わせ

 ホラーゲーム『棺』のコスプレを皆ですることになった海夢達。人数が足りないため、海夢はジュジュに声をかけた。

 最初は断るジュジュであるが、妹である心寿が『棺』コスプレを見たいということで結果としては参加することになる。

 (シスコン兼ツンデレの代表のような行動)

 一週間後という制約上、五条が海夢の衣装を作ることはない。しかし、それでも大きなコスプレ機会であることは間違いない。その方向性は決定した。

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『その着せ替え人形は恋をする』72話 より

急遽訪れる「お泊り回」

 『着せ恋』ではお馴染みとなった、五条がコスプレ作品をやりこみ、海夢が教える展開。実質お家デートである。

 当然の如く10巻でもお家デート。

 ホラーゲーム『棺』を二人で実践する訳だ。

 しかし、本巻は今までとは一味違う。なんと事故によって、帰りの電車が運転見合わせの状態となる。つまり強制的な「お泊りイベント」の到来である。

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『その着せ替え人形は恋をする』74話 より

 海夢の家への宿泊に最初は渋る五条であるが、海夢に押される形で泊まることになる。

 当然五条にとっては頭の痛い問題だ。

 海夢は可愛い。その事実は五条の中でも真である。そんな海夢と二人で夜を過ごす。そのためには揺らがない強固な理性が必要なのだ。

 五条が理性を保とうとすると目が据わる。

 そんな五条は必死に思考を巡らせてある結論に至るのだ。そう、寝なければ問題ないのではないか、と。

 そのためにエナジードリンク(あのロゴは恐らくモ〇スター)を据わった目で吟味する。しかし、傍からそれを眺める海夢には全く異なる風景が見えるのだ。そこに居るのは、真剣な眼差しで男のアレを増強させる飲み物を選んでいる五条である。

 (ここでまさかのアンジャッシュ)

 万が一にも間違いが無いように寝ないつもりの五条。一方で、五条にその間違いの覚悟があると誤解する海夢。その後の顛末は、空回りする海夢の視点で語られる。

 お風呂という言葉に過剰反応し、下着の色で長考する。緊張も相まって海夢は爆発し、結果として五条が海夢に覆いかぶさる形となる。(完全に致す前の体勢で草)

 落ち着くために何か食べることを提案する海夢。構図とか会話とか全てが恋人のそれ。てぇてぇが止まらん。

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『その着せ替え人形は恋をする』75話 より

 最終的には、安心した海夢が先に寝てしまい、五条は夜通し一人でホラーゲームをプレイすることになる。どうやらカニバリズムものらしく、結構グロかったらしい。

海夢の片想い

 五条としては何事もなく終えた夜。

 しかし、海夢としては、何事もなく終えてしまった夜である。下着の色まで揃えて、二人きりで家に泊まって何もなかった。海夢曰く「付き合えると思ってたし」。

 緊張で空回りしていたものの、五条が嫌いな訳ではない。だからこそ、今回の一件は海夢にとっては「片想い」を意識させられる出来事であった。

 海夢は五条のことが好き。その気持ちは揺らがないとしても、五条は海夢のことを「恋愛対象」として意識している訳ではない。

 その衝撃は、海夢の食欲に影響する。図らずともダイエットが成功しそうなほど、食欲が無くなってしまう海夢。更に、乃羽との会話で友達と恋人の線引きについて話し、海夢の思考はフラれる方向へと広がっていく。

 端的に言って「病み期」である。

 そもそも五条は女性に対して免疫がない。

 特に海夢は距離感が近いタイプであり、そのため五条は過剰な反応を見せる。しかし、海夢にはそれが「拒絶」に映る。既に避けられているのであれば、フラれる。

 悪い妄想を巡らせて涙するほどには海夢は五条のことが好きなのだ。

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『その着せ替え人形は恋をする』76話 より

 そして海夢は、五条がアジフライを作ってくれたり、帰り道で送ってくれたりと一挙手一投足に「好き」が止まらない。この感情は「ダメだったら次」で済むような軽いものではない。

 だからこそ、海夢は決意するのだ。

 悩んだって仕方がない。まずは告白する。

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『その着せ替え人形は恋をする』77話 より

【考察】五条の感情は?

 海夢は五条のことが恋愛感情として好き。

 では、五条はどうか。

 結論から言うのであれば、明確な恋愛感情は抱いていないが好意はあると予想される。その根拠となり得るものを探す。

 『着せ恋』は展開構成としても上手くできていると私は思う。(誰目線か分からない早口失礼)

 例えば、3巻23話で五条と海夢が海に出かけるシーン。夏休みに二人で出かける約束を取り付けた海夢はこっそりと五条の写真を撮る。写真のフィルター越しに映る五条に海夢は思わず顔を赤くする。

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『その着せ替え人形は恋をする』23話 より

 一方で立ち位置だけを逆にした構図が9巻67話で存在する。海夢が購入したミラーレスカメラの試し撮りをするシーンである。カメラのレンズ越しに見える海夢の無邪気な笑顔に五条は顔を赤くする。(海夢がキスのフリをしたのも原因ではある)

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『その着せ替え人形は恋をする』67話 より

 では、海夢が五条を好きになったのはどこか考える。明確に描写されているのは、最初の雫コスプレ後に五条が発した「綺麗」という言葉であろう。本心から思った時にしか言わないと明言する五条から海夢に向けて放たれた。その言葉に海夢の心は動かされた。

 では、五条の方はどうか。同様の構図で観るのであれば、全く同じような展開は存在していない。五条のことを否定せず信じる海夢の言葉に五条が自信つけられていることは確かである、しかし、恋愛感情では無いと言える。

 10巻78話でも、五条が海夢のことを大切に思っていることは描写されている。

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『その着せ替え人形は恋をする』78話 より

 海夢も五条も真っすぐ純粋な人物であることは今まで描かれてきている。だから、五条が海夢の言葉を切り捨てるようなことは無いのだろう。しかし、現在即答で「恋愛感情として好き」と判断できるような状態ではない。なぜなら前提として五条は恋愛経験が無く、恋愛感情の定義が為されていない。

 結論として、海夢が告白したら、五条は真剣に考えるのだろう。もしかしたら、返答までに期間が空くかもしれない。一時的に気まずくなるかもしれない。それでも、五条は海夢と真剣に向き合ってくれるだろう。

 つまり、『棺』合わせ後に予定される海夢の告白こそが、「五条に海夢の感情を意識させる」という点で、五条の綺麗発言と対比される展開になるのではないか。それを期に、五条も海夢のことを恋愛対象として考えるのでは無いか。

 真剣にコスプレに全力な海夢のために全力で応援する五条。その関係を変化させるために「言葉」は必要不可欠であると考える。

 だから、明確な恋愛感情は抱いていないが好意はある、が今の五条の状態である。近々行われるであろう告白を通じて、二人の感情を受け止め合う。願わくば、結ばれてほしい。

ジュジュのコスプレ

 さて、海夢が病んでいる一方で、もう一人悩む存在が居た。

 それがジュジュである。好きなキャラクターだからこそ、イメージに合わない自分はコスプレをしない。ヲタク然とした強い覚悟でコスプレに臨むジュジュ。

 その覚悟は称賛に値する。

 両手で拍手である。

 しかし、勿体ないのだ。自分以外の存在になれることがコスプレにおける究極のアイデンティティ。それなのに、自分とは離れたキャラクターのコスプレはしない。本来は、自分とは違うからこそ、コスプレを楽しむものなのではないか。

 そしてジュジュにとってそのポイントは、身長、童顔、胸囲の3つが挙げられるらしい。これらを解決する道具はコスプレ界隈にはお馴染みらしい。シリコンブラやメイクの工夫を通して自分とは別の存在になっていく。

 自分は似てないからコスプレをしてはいけない。

 そんなルールは存在しない。似ていないのが気に入らないのなら、似るように徹底的に工夫をすれば良い。様は捉え方次第である。

 海夢のコスプレ姿に憧れるだけではない。

 ジュジュ自身もブラックロベリアを纏う。

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『その着せ替え人形は恋をする』79話 より

【考察】旭の挙動不審

 さて、本記事冒頭で触れた9巻から残っているポイント。旭の挙動不審については触れられたシーンがあったものの明確な結論は出ていない。

 カラオケであまねが旭に問いかける。

 (そして偶然居合わせる五条)

 その答えは「一緒に居たくない」。

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『その着せ替え人形は恋をする』78話 より

 しかし、その後何事もなかったように解散し、更には旭と五条は後日一緒にコスプレ道具制作をしている。その様子を見るに、そこまで悪い理由ではないのではないかと予想される。

 実際、旭も「嫌い」という言葉は用いていない。

 近くにいたくない、一緒に居たくないという言葉を用いている。そして、旭自身もヲタクであり、「ルナ社長」のコスプレをしていたと明かされた。

 (ここは考察当たりでした!)

 一緒に居たくないというのは、推しとの距離感を大切にするヲタク特有の思考ではないかと思う。であるならば、やはり旭は海夢のコスプレが好きで、海夢推しであるために近くに居ると挙動不審になる、という考察はあながち間違ってはいないのではないだろうか。

 10巻で明確な答えは出なかったため、今後も注目して読みたい。

今回のイチオシシーン

 11巻は良すぎるシーンが多すぎた。

 その中で敢えて選ぶのであれば、75話の海夢が寝てしまったシーンである。

 目を覚ました海夢は「何もされていなかった」ことにショックを受けていた。しかし逆に考えてほしいのだ。海夢が寝落ちした場所はリビングなのだ。つまり、五条がお姫様抱っこで(担ぎ方は任意の妄想による)寝室まで運んだのであろう。

 ベットに運ぶだけ運んで何もなかったというのはあるが、むしろ五条らしいと言える。しっかりと寝室に運んだ部分で妄想が捗ったので今回のイチオシとして選ばさせていただきました。

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『その着せ替え人形は恋をする』78話 より

【感想と考察】『【推しの子】』94話「躍進」【漫画】

 2022年9月15日発売「ヤングジャンプNo.42」で『【推しの子】』の最新94話「躍進」が掲載・更新されています。

 約束された展開。

 前回の感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

94話「躍進」感想と考察

ルビーの躍進

 『【推しの子】』お決まり時間飛ばしの術。

 人の半生を描くのだから時間を巻いていかなくてはいけないのは重々承知である。遂にはこの爆速時間経過に実家のような安心感を覚えるかもしれない。

 (作者の意図的なものなのだろう)

 その間の展開はサブタイトル通り。

 ルビーは芸能界で活躍の場を広げていく。その例として、ルビーは「新星賞」を受賞し、B小町のYoutubeチャンネルの登録者は30万人から100万人へと増加した。

 しかし、一方で圧倒的な光は影を産む。B小町の撮影はルビー無しでは成しえなくなった。ルビーが居ないと動画のコメント欄が荒れる。急増したチャンネル登録者の70万人はルビー目当ての人が大半であり、その人にとってルビーの居ない動画は攻撃の対象となる。

 私個人としては、観たくないなら観るなというタイプであるが、一方でインターネトの世界には悪意を持って人を傷つけるコメントを残す人が居ることも事実である。

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『【推しの子】』94話 より

 モノローグの中で正しくその様子が描かれている。

 ルビーを「人気が高い」と称するこのシーン。しかし、ルビー以外のメンバーの顔にフキダシが重ねられている。漫画のコマの真ん中に描かれたキャラの顔に被るフキダシ。これは故意的な描写であろう。

 (私としては、誠に遺憾である)

 しかし、それほどまでにルビーが注目を集めていることは理解できる。


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『【推しの子】』94話 より

 ルビーのなんというかジメジメとした人間の嫌な部分を出したかのような展開。前前々話くらいから、そのキャラ崩壊気味の部分には触れているのでもう触れない。いったんそういうもんと流して読むことにした。

 (仮にも事務所に顔出すなら、話す機会あるやろ!とか)

 (そう言えば、重曹とアクアはどうなっとんねん、とか)

 ルビーが重曹とMEMと切磋琢磨笑い合って過ごすB小町。そんな彼女たちの努力を知っているからこそ、ルビーが復讐しか眼中にない表れであると分かっていても、ルビーが一人で人気になるのは悲しいし、普通にガッカリなのだ。

壱護とアクア

 ルビーのお陰で忙しくなった苺プロ。

 ルビーのマネージャーとして、ADであった吉住が転職。しかし、それでも回りきらないくらいに仕事が舞い込んでくる。社長であるミヤコは精神と睡眠時間を削られているようで、アクアは気遣う素振りを見せる。


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『【推しの子】』94話 より

 ミヤコもルビーもアクアにとって家族である。

 そこでアクアは強硬策をとる。

 ルビーの後を付けることで、壱護の居場所、ルビーとの繋がりを突き止める。壱護曰く、シスコンである。

 (私としてはシスコン設定あったな、と)

 そこでアクアは壱護と会話を始める。

 芸能界に未練があるのではないか、と。


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『【推しの子】』94話 より

 果たして、壱護が苺プロに戻るか。

 恐らくその答えは「No」であろう。

 未来軸でも、同様に釣り堀に座っていたことがその根拠である。しかし、アクアも壱護を「許す気は無い」と評価することから、これから描かれるのはある種取引のようなものになる。アクアとしては、ルビーに対して何かしら楔を打つ手段になり得るかもしれない。

 壱護、お前が戻って来て良いのは、ミヤコさんが限界を迎えたときだけだ。しかし、それでも姿を見せることなく、陰から手伝うべし。なんならまずはミヤコさんが倒れるような展開にならないことを望む。

今週の重曹ちゃん

 重曹とMEMが可哀そう。

 フキダシは被るし、ルビーには気を遣う。

 完全に描いていた理想像とは違う状態である。

 MEMに至っては94話はデフォルメされまくりで溶けていた。可愛いから許せる。


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『【推しの子】』94話 より

次号休載

 次の更新は9/29(木)です。

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.104「僕の方が好きだ」【漫画】


 僕ヤバは常に神回。

 安定の尊みで溢れている。

 2022年9月13日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新104話「僕の方が好きだ」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

104話「僕の方が好きだ」感想と考察

足立との勝負

 足立に騎馬戦でタイマンを挑まれた市川。

 市川としては、足立が山田を好きなこと、そして山田に良い所を見せたいという足立の思惑が見えてくる。(足立が市川が山田のことを好きだと感づいているかは明確には描写されていない)ずっと足立が山田を好きであることは知っていた。

 その一方で、市川は山田と想いを通じ合わせつつあり、沢山の秘密が増えていく。その関係が進むほど、秘密が増えるほど、市川は足立に対して後ろめたさを覚えるのだ。

 市川がモノローグで語る様に、恐らくこのタイマンの勝敗に意味はない。残酷なことを言えば、市川が勝てば山田は喜ぶだろうし、市川が負けたら山田は励ますのだろう。そもそも勝った方が山田に好かれる訳でもない。そのような意味で足立に勝ち目はない。

 結局、結果は関係ない。

 男と男の意地のぶつかりあいなのだ。

 市川としては、「山田を好きだ」と自覚し、山田に好かれているという自信もついてきた。しかし、だからと言って足立との勝負を避けるのは、「卑怯者」な気がする。足立の想いを知っているからこそ、自分は正面から戦わなくてはいけない。

 市川京太郎は真面目なのだ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.104 より

今回は筋トレ回

 そんなこんなで体育祭に向けてトレーニングを始める市川。ランニング中に犬の散歩をする山田と出会う。犬語で喋る山田は、あまりの恥ずかしさに市川にジト目を向ける。

 (山田にしては珍しい表情だ)


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.104 より

 トレーニングをする市川をみて山田は提案するのだ。

 一緒にダッシュをする、と。

 その提案の流れで、どこかへ向かう二人はあれよあれよと、自然に山田家に二人きりになる。

 (あまりにも自然な導入に衝撃的)

 そして何とはなしに二人きりで筋トレをするのである。

 (確実に健全)

 どうやら山田は市川のトレーニング姿を見て、ある思い付きをする。そして、「お弁当はもってこなくてよい」、と市川のお弁当を作る気満々の言葉を放つのである。

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『僕の心のヤバイやつ』Karte.104 より

 

 

【感想と考察】『【推しの子】』93話「リーク」【漫画】

 2022年9月8日発売「ヤングジャンプNo.41」で『【推しの子】』の最新93話「リーク」が掲載・更新されています。

 重曹の登場が確定なので正座待機。

 前回の感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

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 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

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93話「リーク」感想と考察

番組炎上の裏

 アクアが気付いた違和感。

 それは読者にとっても違和感なのだ。

 私の前々回、91話の感想記事から引用する。

isoisogingin.hatenablog.com

 さて、前回の記事でも書いたように、本章はかつての「今ガチ」と構成として似ている。「今ガチ」は映像という媒体から演者の炎上へと発展した。それを解決したのはアクアである。一方で「深掘れ」はテレビの杜撰さが番組の炎上へと発展した。それを解決しようとしているのがルビーである。

 つまるところ展開が酷似しすぎている。

 当然、その違和感の答え合わせパートである。


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『【推しの子】』93話 より

 アクアが「今ガチ」でやったようにやった。

 それが正解だ。

 どうやら私の考察はあながち間違いでは無かったようだ。やり方だけを真似たために、起承転結は同じ道を辿っても本質の全く異なるものが出来上がった。それが違和感である。

私が考えるルビー像(浅い)

 恐らく多くの人がルビーをキャラ崩壊気味と捉えるであろう。

 しかし、私としては理解はできる。

 結局のところ、ルビーは「1か0かの真っすぐなキャラ」なのだろう。「真っすぐ」は綺麗ということではなく、周りが見えなくなる猪突猛進型という意味である。

 復讐、と決めたらどこまでもそれしか見えないのかもしれない。
  (なぜ復讐に拘るのか、は納得いかない部分があるが)

 そこに行くまでの最短ルートの為なら、何でもする。

 そこは理解。(解釈一致かは別問題)


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『【推しの子】』93話 より

 私としては、復讐復讐言うのが悪いとは思わない。

 (読んでて爽快感はないが)

 しかし、単純に登場キャラを次々と悪く言って言うのは単純に不快である。アクアが怒るのも、人間関係に亀裂が入っていくのも、当然の結果。

今週の重曹ちゃん

 重曹の登場は嬉しい。

 しかし、今後のギスギスパートを思うと今から心が重い。

 もっと良い登場のさせ方があると思うんだ。

 例えば、アクア絡みの問題とか。

 でも、ルビーと重曹がギスることで、逆にアクアと重曹の距離感がいったんリセットされる可能性は考えられる。アクアの想いを伝える展開にはならないだろうが(そもそも有耶無耶で終わりそう)、アクかなの絡みを見れるなら今は何だっていいや。


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『【推しの子】』93話 より

【感想と考察】『【推しの子】』92話「禊」【漫画】

 2022年9月1日発売「ヤングジャンプNo.40」で『【推しの子】』の最新92話「禊」が掲載・更新されています。

 重曹の登場が確定なので正座待機。

 前回の感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

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 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

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92話「禊」感想と考察

番組のオチ

 番組はルビーの思惑通りに進行する。

 番組の企画、メイヤの説得、アビ子先生への手配、重曹の登場。この番組に関わる全てがルビーが準備したものでありながら、ルビー自身は部外者の立ち位置を貫いた。

 テレビ制作陣の闇から始まり、コスプレ利権問題、そしてSNSでの炎上と広がった本章の問題。それを一体どのような形で収めるのか。前話の感想記事で私は「今ガチ」の際の炎上との比較をした。

 あの時もネットの炎上を収めるために、逆のイメージをつける動画を当事者であるアクアたちがSNSでバズらせるというものであった。それに対して今回の着地点はサブタイトルの通り、「禊」である。

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『【推しの子】』92話 より

 問題の発端となった番組ディレクターがコスプレをする。本人の前に現れて、コスプレイヤーの苦労を理解したと謝罪する。

 滑稽である。

 私にはこの番組内容で鎮火できるとは思えない。「メイヤが許したから関係ない人は許すべき」という理論は存在する。しかし、それが通じないのがネットである。ネットの火種は当事者を超えて燃え上がることは『【推しの子】』という作品自体で描かれてきた。

 それにも関わらず、炎上しました、謝りました、許しましたで終わった本章。勿論、番組内容ではなく、ルビーが芸能界にどう乗り込むかが主題であることは理解している。それにしても、あまりにも手抜きが過ぎる展開ではないか。

 登場人物ですら何故丸く収まったか分からない。

 ならば、読者が分かる訳がない。(笑)

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『【推しの子】』92話 より

 勿論、一個人の感想だ。

ルビーの思惑

 このような小見出しをつけていて申し訳ないが、今話ではルビーの思惑は明かされない。ただ読者が感じているように、アクアも当然「番組の異様さ」には気づいている。

 だから、アクアは問うのである。

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『【推しの子】』92話 より

 今回の展開は要約すると、何事もなく問題は解決し、ルビーの思惑が次回明らかになるという展開の「て」の字もない繋ぎの回である。重要な部分に突入する前の、やっつけ展開である。

 謎の疾走感で進んだ今話。

 重曹の登場だけが安らぎである。

コスプレの権利

 では、重曹が登場したコスプレパート。

 毎週感想記事を書いている私が言うのもアレではあるのだが、世の中には様々な「二次創作」が溢れる。同人誌然り、コスプレ然り、私に言わせればこの感想記事ですら、私の感想中心とはいえ、漫画無しには生まれないのだから二次創作とカウントできる。

 そんな世界で大事なのは信頼関係らしい。

 この感想記事を読んでくださる人の中には、私の記事にある何かを求めてきている人も居るかもしれない。そうやってお互いに何かを求め、把握し、築いていく。

 大切なのは、リスペクトである。

 全国世界神羅万象共通である。下ネタに限らず、リスペクトに欠けた言動は人を傷つける。そんなお話であるらしい。

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『【推しの子】』92話 より

今週の重曹ちゃん

 アビ子先生との信頼関係はバッチリの様子。リポーターの仕事もテキパキこなす。その姿が拝めただけで今週はオッケーです。ただ、重曹が映った際のアクアの反応は描かれた一方で、映像という事で重曹側のアクアに対する反応は未だ描かれていない。

 ツンを貫くか。正面からぶつかるか。

 はたまたこじれるか。

 私としては、番組のオチやルビーの思惑と復讐心よりもそっちの問題の方が大きい。

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『【推しの子】』92話 より

 

【感想と考察】『僕の心のヤバいやつ』Karte.103「僕は回想した」【漫画】

 2022年8月30日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新103話「僕は回想した」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

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お決まりのフリ

 さて、バレンタイン回、誕生日回と何かと刻みがちな『僕ヤバ』。

 当然の様に体育祭も残り19日18時間23分を刻んでいく。

 

『僕の心のヤバイやつ』Karte.103 より

 元気モリモリ守屋でーす、の新たな担任。守屋先生。

 そんな守屋先生の個人的な事情(教師間のマウント合戦)のために、市川や山田が属する3年1組は体育祭への積極的な参加が求められる。

 市川はこのようなイベントに消極的な部類である。

 そして、市川も山田も運動は苦手なのだ。

言葉は難しい

 『言葉は、どうしてこんなに不便なんだろう』

 Karte.103最後の煽り文から引用した。

 思い返せば、本作の1つの主題であるかもしれない。

 想いを伝えられない二人の姿。言葉足らずで浮いてしまった過去がある市川。本作の節々で現れる「言葉の難しさ」は今話でも健在である。

 市川を騎馬戦の騎手にしたいという名もなき3人。

 その際に放った「チビ」という言葉。

 その言葉に市川ではなく山田が思わず反応してしまう。

 恐らくこの言葉も否定的な意味を込めて使われたものではない。単純に騎馬戦というスポーツの構造上、騎手は背の小さい人が担ぎやすいのだ。

 その後の「度胸もある」という言葉を言っていることから、むしろ3人は市川を好意的に見ていることさえ考えらえる。

 (同時に山田との関係も疑ってそうな雰囲気はある)

 しかし、同じ言葉に同じような感想を持つとは限らない。

 想い人が身長を気にしていること、身長を伸ばそうとしていることを知っている山田にとって「チビ」は受け入れられない言葉なのである。

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『僕の心のヤバイやつ』Karte.103 より

伝えられない言葉

 なぜ市川と山田は告白しないのか。

 それは不安や緊張で言葉が喉を通らないから。

 前項で記載したように言葉は同じ解釈をされるとは限らない。しかし、それ以上にそもそも言葉を発するさえ叶わない時もある。

 市川と山田が好意を伝えられないことがその典型例である。

 その言葉を他の感情が邪魔をするのである。

 しかし、一方で感情に後押しされて言葉が出ることがあるのも事実。

 過去の体育祭では、山田を庇った市川を誤解されないように、山田は素直に言葉を出している。この時から、市川も山田も今と変わりないことが窺える。

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『僕の心のヤバイやつ』Karte.103 より

 そして、その姿は市川が山田を尊敬するように他の人にも映る。

 市川が山田を好きなように、足立だって山田を想うのだ。

 しかし、足立と市川には現実的で残酷な距離がある。山田と市川は何時からか仲良しで、その想いを隠せないほどに好き合っている。一方で足立は、市川よりも先に好きになったかもしれないのに、所詮山田と市川の取り巻き。脇役なのだ。

 クラスの女子に疑われ、騎馬戦を誘う男子に囁かれる。

 二人が両片想いなだけで、外野はその関係を認識しているだろう。

 そしてそのような関係は距離が近いほど、ありありと見えるのだ。バヤシコが鈍いだけである。他の人は恐らく全員感づいている。

 その関係に気付いていて、その距離感を知らされる。

 (このコマの描写、好きすぎる)

 足立は何時まで経っても二人の様にはなれない。

 BSS。僕が先に好きだったのに。

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『僕の心のヤバイやつ』Karte.103 より

 でも、現実問題として、市川と山田の関係は覆らない。

 だから足立は今までで一番マジメな顔つきで宣戦布告するのだ。

 体育祭。騎馬戦でのタイマンで勝負しよう、と。