葉のブログ

忙しい合間にも漫画とか映画とか

MENU

【感想と考察】『【推しの子】』91話「深掘り」【漫画】

 2022年8月25日発売の「ヤングジャンプNo.39」で『【推しの子】』の最新91話「深掘り」が掲載され、更新されています。

 たしか前回は久しぶりの重曹の登場回(わずか数コマ)。

 そんな前回の感想記事などはこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 以前から公言していますが、私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

91話「深掘り」感想と考察

ルビーの策

 ルビーが持ち込んだ策。それは深掘りインタビューの対象を「番組スタッフ」とするものである。悪者となった番組スタッフに対して、謝罪で終わらせるのではなく、番組のネタにする。番組が面白かったり、しっかりした対応を伝えたりできれば、その罪は軽くなるのかもしれない。

 この企画に、プロデューサーである鏑木PはGOサインを出す。

 (ルビーがアクアの妹であることからのGOサインかもしれないが)

f:id:isoisogingin:20220825003327j:image

『【推しの子】』91話 より

 被害者となったコスプレイヤーのメイヤ然り、番組出演者はルビーが既に打診しているという手回しの速さ。その用意周到なルビーの企画に押される形で、「深掘れワンチャン」は挽回を試みる。

ルビーの企画に感じる”寒さ”

 さて、前回の記事でも書いたように、本章はかつての「今ガチ」と構成として似ている。「今ガチ」は映像という媒体から演者の炎上へと発展した。それを解決したのはアクアである。一方で「深掘れ」はテレビの杜撰さが番組の炎上へと発展した。それを解決しようとしているのがルビーである。

 両方とも炎上への流れ、それを解決しようとする形で構成が似ている。

 しかし、私は明確な違いがあると感じる。

 それは当事者意識である。

 「今ガチ」では、アクアも出演者の一人であった。炎上は意図的ではないし、飛び降りようとしたあかねを助け、更にはイメージ回復の手段としてSNSを使ってバズった。勿論、復讐のためだとか、出演している番組の演者に死なれては困るだとかあるが、基本的にはアクアの善意からなる行動である。 

f:id:isoisogingin:20220825003337j:image

『【推しの子】』26話 より

 「深掘れ」では、ルビーは今回の騒動の当事者ではない。首を突っ込む必要のない事案に、根回しを済ませて企画を通す。明らかな別の目的が透けて見える。

 その当事者意識の欠落は発言で明示されている。

f:id:isoisogingin:20220825003353j:image

『【推しの子】』91話 より

 アクアのツッコミにも当然の様に回答。

 それを踏まえると、メイヤに対してかけた言葉も全て薄っぺらくなる。「誰よりも貴女のことを考えている」というような言葉の裏は、ただの空虚だ。全ての言葉が本心では無いのだろう。

f:id:isoisogingin:20220825003404j:image

『【推しの子】』91話 より

 薄っぺらい言葉の裏は、ルビーに「利用される」という構造。

 重曹もせっかく登場してくれるのは嬉しいが、それがルビーに利用され、関係のない燃えている番組への出演という事で、「重曹、仕事選んでくれ」という言葉に尽きる。

だから熱くなれない

 「今ガチ」の時は読みながら熱くなった。なんだかんだ、皆で力を合わせるという展開は王道なのだ。しかし、ルビーの企画で、鏑木Pの発言や、『東ブレ』アビ子先生の登場、重曹ちゃんの登場など、今までの人たちが一斉に登場しても熱くはならないのだ。

 ただ、ルビーの思惑に利用されるだけ。企画自体にルビーの本心は無い。

 だから、全員集合という本来であればワクワク(するかもしれない)展開も冷めた思考で「ご都合主義」と考えてしまったりする。そもそも、登場した人物全てルビーのコネではなく、アクアが築き上げた関係性であることも薄ら寒い。

今週の重曹ちゃん

 ルビーに利用される形で「深掘れ」でリポーターとして登場した重曹ちゃん。映った瞬間のアクアの反応を重曹に見せてやりてぇよ。

 敢えて避けてきた。敢えて考えないようにした。誰よりも想って空回りして距離を置いたのに映像とはいえ目の前に表れただけで思わず固まっているアクアの姿を、俺は重曹に見せてやりてぇ。

 何はともあれ、重曹が登場したぞおおおおおお。

 困り眉の重曹可愛くね???は???推せる。

f:id:isoisogingin:20220825003414j:image

『【推しの子】』91話 より

 

【感想と考察】『おとなりに銀河』3巻【漫画】

 雨隠ギド先生が描く新作『おとなりに銀河』3巻の感想を書く。

 前回記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

 まずは見てほしいこの表紙。

 手を繋いで歩く一郎としおりの姿が尊い。涙流すレベル。

『おとなりに銀河』3巻感想と考察

”契約”への反抗

 前巻感想記事でも記述したが、一郎もしおりも純粋で謙虚で真っすぐである。

 一郎は、電話越しにしおりの母親に突然「付き合っている」宣言したことを後悔する。勿論、付き合っているという内容に対してではない。前触れもなく電話越しに伝え、しおりとの関係を悪化させたかもしれないという部分にである。

 そんな一郎に対して、しおりは素直に嬉しかったと伝える。そして、一郎が自分を卑下することに傷つくのだ。

f:id:isoisogingin:20220818013328j:image

『おとなりに銀河』11話 より

 喧嘩にも満たない、率直な価値観のぶつけ合い。

 信頼できる人物だからこそできる言葉のやりとりを「契約」は許さない。

 しおりの感情は一郎に影響する。一郎は眩暈に襲われ、倒れこむ。

 しおりは、遂に決意するのだ。契約は、うんざりだ、と。

 

 倒れこんだ後、一郎はしおりを好きな自分は結構好きだと伝える。

 しおりを傷つけ、悲しませてしまったことへのフォローである。それを受けて、しおりも赦すのだ。沢山考えすぎる部分も一郎の良いところである。だから、もっと考えて、もっと好きになってほしい。(このしおりに純粋さが最高である)

 恋人だからこそ、お互いの価値観をぶつけた後はお互いに譲り合って、赦し合って、認め合えるラインを決める。その様子が正しく描かれていると思う。

f:id:isoisogingin:20220818013341j:image

『おとなりに銀河』11話 より

親心と子心(五色家の場合)

 一郎の不安は的中する。

 しおりの母親である五色都(ミヤコ)と父親である五色健(タケル)。

 旅行帰りの夜に突撃してくるような突飛な行動。しかし、まちとふみおのような小さい子どもを気遣って出直すような常識も持ち合わせているようだ。

 しおりは両親と対談するにあたって目標を2つ定める。

 1つめは、契約の解除方法を聞くこと。2つめは、帰ってもらうこと。

 

 しかし、話し合いはスムーズには進まない。しおりが一郎に騙されている、弱みを握られていると偏向的な考えを貫く五色都との話し合いは平行線。しおりは、母親に彼氏のことを良い人だと認めてほしかったようだ。

 しかし、その願いは叶わない。

 五色都はしおりの話に耳を傾けることなく、契約の解除を持ち掛ける。

 契約解除に関しては、一郎としおりにとっても願ったり叶ったりである。その条件を呑む。ここで認識しておきたいのは、一郎やしおりは契約と婚約を別物として捉えているのに対して、都は契約の解除=恋愛関係の解消と捉えていることである。

 これで1つめの要件は満たした。

 続いて、現在の生活はしおりを腑抜けにすると都は言う。親からの支援ありきの自由。仮初の喜劇。

 でも、楽しいことは悪い事ではない。

f:id:isoisogingin:20220818193924j:image

『おとなりに銀河』12話 より

 話し合いの結果、しおりは仕送りを今までよりも抑えた上で1年間やってみるということで落ち着く。五色健が言うように、漫画を描くことに関しては島を出る必要はない。今回の協議はそのような意味で子心を尊重した形式になる。

契約破棄と恋心の行方

 五色家との顔合わせの結果決定した、契約の解除。

 それを実行すべく、島から馬門紅葉と古牧京吾という従者二人が派遣される。

 契約解除は儀式で行われる。島に伝わる棘抜きで棘を抜く。

 しおりの味方である紅葉はここで1つの仮説を提示する。

 しおりへの好意すら契約の作用であったら?

 一郎がしおりへの感情を恋心として自覚したのは不平等な契約を結んだ後である。つまり、契約によってしおりへの好意が芽生えたのなら、契約の解除という行為はしおりへの感情を変える要因になってしまうのではないか。契約を解除することで、しおりへの恋心を失うのではないか。

 紅葉が提示する仮説は一郎としおりに多大な不安をもたらす。

 契約解除の儀式自体はアッサリと終わる。そこで改めてしおりは尋ねる。

f:id:isoisogingin:20220818193909j:image

『おとなりに銀河』13話 より

 しおりが涙ながらに訊いたこの問いに、一郎は「好きだ!」と想いが変らないことを告げる。

 島の中では「姫だから好き」と、姫であることが全てのアイデンティティであった。

 だからこそ、かつて漫画の中に憧れたように、「姫」というレッテルではなく自分自身を見てくれる一郎に惹かれ、そんな一郎に好きだと言われて涙を流した。

 契約を解除する前にお互いに話し合っておけば良かったと一郎は後悔する。

 だからこそ、伝えることを続けていきたい。(純粋で素敵な二人である)

親心と子心(久我家の場合)

 3巻のテーマとして私が設定した「親心と子心」。

 本作では五色家と久我家の2つの家族の形がある。

 早くから両親を亡くし、弟妹を育てる一郎。

 その家族の形には、しおりと違った難しさがある。

 まちは一生懸命働く兄を気遣って、ふみおと遊ぶために友達と遊ぶことを自粛する。ふみおはまちに普通に遊んでほしい。その様子を眺めるしおり。

f:id:isoisogingin:20220818193900j:image

『おとなりに銀河』15話 より

 一郎はここでも”伝えること”を重要視する。

 溜め込まないでほしい。その想いを少しでも共有できるのが家族だから。

 まちは一郎やふみおに想いを伝えていく。

 

 その”伝える”という行為は伝播する。

 一郎が経営するアパートの住民と花火を開催する。その中で、しおりは一郎にハッキリと伝えるのである。(何を伝えたかは察するか、3巻を読んでください!!)

 f:id:isoisogingin:20220818193851j:image

『おとなりに銀河』15話 より

主のイチオシシーン

 親と子ども。血は繋がっていても全く別の人間である。

 テレパシーでもない限り、お互いが完全に分かりあうことなんて不可能である。

 そのような意味では「家族」という枠組みは、全く別の人間を1つに集約する形式上の「契約」である。しかし、そこには他人とは別の感情があるのも間違いない。

 例えば、自分の子どもを嫌悪する親なんて居ないのだ。

 (自分の子どもを嫌悪するような人間を「親」と呼称するべきではない)

 どんなにしおりとは意見が食い違っていても、それはしおりを想っての発言である。ある意味、最高の「親バカ」なのである。

 そんな親バカが垣間見えるのがこちらのワンシーン。

 本巻は1冊通じて、親心と子心が描かれていたと良く分かる。

f:id:isoisogingin:20220818020159j:image

『おとなりに銀河』12話 より

 

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.102「僕は他人」【漫画】

 2022年8月16日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新102話「僕は他人」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

102話「僕は他人」感想と考察

目撃者半沢ユリネ

 他人から強制される前に、自らの意志で告白したい。

 そう市川が決意した矢先に現れたのが、半沢ユリネである。

 市川と山田の二人きりの現場をバッチリ目撃したのである。

 しかも、表情には出ていないが動揺していることが分かる。

 (同様のあまり机に脚をぶつけるの可愛い)

f:id:isoisogingin:20220816150344j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.102 より

 その際に落としてしまった本は後ほど山田が半沢さんに返却することになる。

席替えと半沢さんの配慮

 席替えイベントで見事主人公席(窓際列一番後ろ)を引き当てた市川。

 その隣には山田の姿が。しかし、これも半沢が「視力の関係で」と山田とわざわざ席を交換したことによるものである。

 当の半沢さんは満足げのこの表情。

f:id:isoisogingin:20220816150337j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.102 より

 しかし、市川の天邪鬼な気質がそれを許さない。

 今まで描かれた市川の姿。それは「素直になれない」である。

 反抗期で両親に強く当たってしまうこと然り、「好き」という感情を認められないこと然り。だからこそ、二人の関係はゆっくりと変化してきた。

 そんな市川にとって、かつてカップルを誕生させた安藤さんや半沢さんのやり方は悪手なのである。

 結果、市川も良く分からない言動をしてしまう。

 山田は少女漫画の冒頭と良い方向に解釈したが、安藤さんは端的に「キショ」である。(この「キショ」という反応は、バヤシコみを感じる)

山田の想い

 山田から半沢さんに向けて書かれた手紙の内容は誰よりも市川を見ている、見てきた山田だからこそのものであった。市川のことを「シャイ」「猫みたい」「人のことを考えてくれる」と評した手紙の内容は、市川に向けられていないからこそ、市川への素直な想いが書かれている。

f:id:isoisogingin:20220816150328j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.102 より

 市川は、図らずもその想いを盗み見てしまった。

 だからこそ、「おはよう」に「おはよう」で返すくらいには素直になるのである。

半沢さんの本音

 半沢さんは、恋を知りたいのである。

 友情との線引き。憧れとの線引き。

 昨年成立させたカップルは何故別れてしまったのか。

 山田にとっては、コイバナをする仲間が増えたようなものである。

f:id:isoisogingin:20220816150320j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.102 より

 

【感想と考察】『おとなりに銀河』2巻【漫画】

 雨隠ギド先生が描く新作『おとなりに銀河』2巻の感想を書いていこうと思います。

 前回記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

『おとなりに銀河』2巻感想と考察

隣の芝は青く見える

 隣の芝は青く見える。つまり、他人のことが良く見える。

 一般的に、他人に対しては良い所ばかりを見て、自分に対しては悪い所ばかりが見える。そのような人を自己肯定感が低いなどと形容する。

 しおりは一郎とは別のアシスタントとして働くことになった。

 しかし、一日で解雇(漫画業界でこの表現が適切かは分からない)されてしまう。

 しおりは、その原因を技術的なものよりもコミュニケーション的なものであると判断する。とある島の姫として生きてきたことに対して環境が特殊であるという自覚はある。

 ここで、環境のみのせいにしないことが五色しおりの「らしさ」である。

f:id:isoisogingin:20220815023353j:image

『おとなりに銀河』7話 より

 生きてきた環境が特殊であり、自分自身にも偏りがある。

 しかし、その環境の中で変わろうしなかった自分にも責任がある。

 だから、進んで学ぶ。

 声を大にして言いたい。偉すぎる

 

 一郎も私と同じ気持ちなのだろう。

 そんなに卑下せずとも、しおりには良いところが沢山ある。落ち込んでいる時は、悪い所ばかりに目が行くようになってしまうから。だから一郎は伝えたいのだ。

 長い人生のわずか数日で会っても一緒に過ごしたから。彼氏であるから。だから一郎は伝えたいのだ。

 しかし、一郎は口下手である。だから漫画で描くのだ。

 徹夜して描いた漫画は、一郎からしおりに向けた、この世でたった1つの意味を持つ作品となる。そこに込められた真っすぐな感情を、しおりも正面から受け止める。

 しおりにも素敵なところがある。その想いにしおりは涙を流すのだ。

f:id:isoisogingin:20220815023342j:image

『おとなりに銀河』7話 より

クリスマスデート

 某漫画家系ジャンプ漫画でもお馴染み、締め切りに追われる漫画家にクリスマスはないパターン。一郎もしおりも漫画を描くうちにクリスマスを迎える。 

 夜に一郎としおりはイルミネーションデートをする。

 そこでしおりは自身の想いを吐露する。

 棘に刺さって契約を結んだ。その不平等な契約で、好きな人が苦しめられるという事実に、しおりも棘で刺されるような想いを感じている。

 前項でも「一郎は真っすぐ想いを伝え、しおりは正面から受け止める」と記述した。

 この二人の物語がなぜ、こんなにもハートフルなのか。

 それは一郎としおりがどこまでも純粋で、お互いに正面から想いをぶつけ、受け止めるからであろう。

 ここでも一郎はしおりの感情を正面から受け止める。

 契約はしおりだけの問題ではない。契約に関わる実家とか体質とか、全てひっくるめてしおりと一郎の二人で解決したい。

f:id:isoisogingin:20220815023330j:image

『おとなりに銀河』9話 より

 その言葉に続くのは、プロポーズにも近い言葉であった。

年末温泉旅行と宣戦布告

 年末は、ひょんなことから当選した温泉旅行に行くことに。

 クリスマスを経て、更に仲が深まった二人は、足湯に浸かりながらタブレットの漫画作成ソフトで遊ぶ。

 そんな中、しおりの母親はしおりの上京に反対であったことが伝えられる。

f:id:isoisogingin:20220815023253j:image

『おとなりに銀河』10話 より

 (はい、ここのシーンはてぇてぇが詰まっている)

 一郎は、その問題も一緒に解決したいと伝える。

 翌日しおりの母親から電話がかかってくる。しおりは一郎のことを母親に伝えようとするが、言葉に詰まる。

 一郎は、しおりから電話を受け取ると、宣戦布告する。

 一般的に結婚における両家への挨拶、初顔合わせは重要であると言われる。そのような意味で、この一郎の言葉は、とても積極的、攻撃的なものとも捉えられるかもしれない。

f:id:isoisogingin:20220815023244j:image

『おとなりに銀河』10話 より

次なる展開は?

 次巻以降の展開として大きく2つ考えられる。

 1つ目は、契約の問題。2つ目は、五色家の問題。

 1つ目の契約の問題は、2巻で一郎としおりの二人で向き合おうと語られた。

 恋愛関係とは平等であるはずなのに、体調に影響を及ぼすように不平等な契約を結んでしまった二人。その契約がこの恋の始まりであったとはいえ、今後二人が関係を進める上で避けては通れない道である。

 2つ目の五色家の問題は、2巻最後に宣戦布告をしたことから考えられる。当然しおりの母親はそのことを良い事とは思わないだろう。こちらは契約の問題に絡められて必ず突き当たるであろう。

主のイチオシシーン

 かつて一郎に放った「寝ている人間の身体に触れる人だったなんて」という言葉。

 しおりは、眠っている一郎のうなじを見て思わず触りたくなってしまう感情に駆られる。かつての言葉が自分自身に返ってくる。

 恋愛は人間を変えるということを正しく表したシーンである。

f:id:isoisogingin:20220815023229j:image

『おとなりに銀河』6話 より

 3巻の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

【感想と考察】『おとなりに銀河』1巻【漫画】

 『おとなりに銀河』1巻の感想を書かせていただきたいと思います。

 作者は雨隠ギド先生。私としてはアニメ化もした『甘々と稲妻』でお馴染みです。

 前作同様、ハートフルな物語とイラストを期待して読んでいきたいと思います!

『おとなりに銀河』1巻感想と考察

契約から始まる恋愛

 本作のテーマを一言で表すとするならば、「契約」である。

 「契約」という言葉で私が真っ先に思い浮かぶのは某魔法少女アニメのクソ小動物である。

 「僕と契約して、魔法少女になってよ!」

 可愛い見た目に騙されてはならない。キュウベえを許すな。

f:id:isoisogingin:20220814004859j:image

アニメ『魔法少女まどか☆マギカ』 より 

 クソ小動物は置いておいて、『おとなりに銀河』の概要をザックリ説明する。

 

 主人公である久我一郎は早くして両親を亡くす。弟妹の将来のために漫画家として日々締切とにらめっこする毎日である。そこにアシスタントとして現れるのが、本作のヒロインである五色しおりである。

 一郎としおりは、ひょんなことから契約を結ぶことになる。

 (経緯は是非漫画を読んでほしい)

 この契約は魔法少女になる訳ではない。

 しおりの台詞から引用するのであれば、「一蓮托生の契り」である。

 

 どうやらしおりは流れ星の民の姫であるらしく、契約を結んだものと婚姻関係を結ぶことになるらしい。しかし、出会って数日の漫画家とアシスタント。当然恋愛感情などあるはずもなく一郎は困惑してしまう。

 一郎としては、弟妹の将来もあり、結婚など言われても困る。

 しおりとしては、契約は絶対。しかし、婚姻は恋愛の上に成立すると考える。

 そのような訳で「契約」を結んでしまった一郎はしおりに恋愛を迫られる。

 そんな話である。

f:id:isoisogingin:20220814004910j:image

『おとなりに銀河』1話 より

不平等な契約

 なぜ好きでもないのに結婚しなくてはいけないか。

 その理由は、結んでしまった契約の内容が大きく関わる。

 しおりは、流れ星の民の姫。そう、"姫"である。

 契約の内容もその”姫”を守るためのものになっている。

 例えば、一定以上距離を離れると契約者の体調が悪くなる。”姫”が不快な感情を抱くと契約者の体調が悪くなる。

 一方通行でに”姫”の状況が契約者に影響する契約である。

 一郎はナンパから助けるつもりでしおりの手を引いたとしても、しおりが驚くだけで一郎はくしゃみや鼻血など体調に影響が出る。

f:id:isoisogingin:20220814011541j:image

『おとなりに銀河』3話 より

 島では、姫として扱われる。その中で漫画の世界に憧れ上京した。

 しかし、その「島を出る」という選択が結果として一郎に災いを招いていることをしおりは気に病む。

 一郎はわずか数日ではあっても漫画家とアシスタントという立場で一緒に居た。

 しおりの技術は生半可なものではなく、どれだけ練習したか想像もつかない。

 だから、努力をして、夢に憧れて、その道を進むしおりの姿に対して、「誰かのためにやらなきゃよかったなんて」言わないでほしいのだ。

f:id:isoisogingin:20220814011613j:image

『おとなりに銀河』3話 より

 純粋な一郎の言葉はしおりの心に届く。

 しおりの夢の為にも、一郎も契約の内容を覚えて不都合が無いように協力することが決定した。

その感情の名前

 一郎としおりの元に有名漫画家の塊肉先生(すごいネーミング笑)が来る。

 どうやら一郎と幼いころから付き合いのあるようで、もか姉と親しまれる。

 その関係性にモヤモヤとした感情を抱くしおり。その原因を言語化していくうちに、その感情が嫉妬であることに気づき、そして恋心を自覚する。

 そして一郎の方も、日々過ごしていく中でしおりに惹かれていたことを自白する。

 こうして、しおりが姫、一郎が契約者という不平等な契約の上に二人の恋愛関係が始まるのだ。

f:id:isoisogingin:20220814011608j:image

『おとなりに銀河』5話 より

主のイチオシシーン

 雨隠ギド先生の描くキャラクターは本当に全員が優しいのだ。

 そんなキャラクターが物語を紡ぎ始めた1巻のイチオシのシーンは、恋心を自覚したしおりが一人ニヤニヤするシーンである。

 尊い。可愛い。それ以外の言葉が出てこない。

 そして一人の女の子らしさも感じる。ここは重要なのだが、描かれるしおりは純粋な少女の様であるのに対して、背景には島の姫として周囲に扱われてきたというものがある。だからこそ、この1コマはより愛おしい。

f:id:isoisogingin:20220814011629j:image

『おとなりに銀河』5話 より

 2巻の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

 

【感想と考察】『【推しの子】』90話「コンプライアンス」【漫画】

 2022年8月4日発売の「ヤングジャンプNo.36&37合併号」で『【推しの子】』の最新90話「コンプライアンス」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事などはこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 以前から公言していますが、私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

90話「コンプライアンス」感想と考察

倫理観の話

 コンプライアンス。一般的には法令遵守と訳される語。

 噛み砕いて言うのであれば「ルールは守りましょう」である。

 では、ルールとは何か。

 人間誰しも自分自身のルール、家族のルール、学校のルール、会社のルールと多種多様な規則慣習に囲まれて生きている。

 その根源にあるのは法律であり憲法である。

 「日本」に所属する以上、法律、憲法がルールの根源に無くてはならない。

 ただ、その法律憲法にも長々と様々なルールが記載される。

 だから大切なのは「公共の福祉」である。

公共の福祉

  1. 社会一般に共通する幸福や利益。個人の利益や権利に対立ないしは矛盾する場合があり,相互の調和が問題とされる。

 つまるところ、「様々な権利自由が存在するけど他人に迷惑をかけてはいけないよ」という意味だ。

 

 これらを踏まえて1つ語るなら、今回のテレビ番組サイド、コスプレイヤーであるメイヤサイド、どちらも悪手であると言える。

 テレビ側は急な依頼内容変更、セクハラ。

 メイヤ側は番組の内容を放映前に暴露。

 どちらも「公共の福祉」に反していると考えられる。

 当然、先にやったのはテレビ側であると読んでわかるが、やられたらやりかえすが通じる程「法の世界」は甘くない。


f:id:isoisogingin:20220804004023j:image

『【推しの子】』90話 より

 プライドが傷つけられたという事実とそれらを暴露する話は別問題である。

 言い分が分からない訳ではないのだが、私の一意見である。

 漫画の展開としては見え見えの地雷を踏みに行ったような展開が続いているので語ることは無い。

価値が変化すること

 さて、メイヤ側の言い分は分からなくもないという前提を置いた上で「ルールを守るべきだ」と主張した。酷いのはテレビ側である。こちらは言い分も分からない。

 責任は俺がとる。

 まるで背中で語るかの如く描かれているが、騙されてはいけない。

 ①ギリギリを攻めなくては面白くない。

 ②家族を養わなくてはいけない。

 これらの主張はまるで「責任」とは真逆の言い分である。


f:id:isoisogingin:20220804004029j:image

『【推しの子】』90話 より

ギリギリを攻めなくてはいけない

 こちらの言い分は、価値を考えることを辞めたという無責任さである。

 人が生きて姿形が変わる様に、あらゆるものも常に変化している。

 昔は灯りの象徴であったロウソクが今は電球・蛍光灯にその役目を奪われた。しかし、現在ロウソクは「アロマキャンドル」という全く異なる価値を持って生きている。

 テレビ番組も変わった。今、若者の多くはスマートフォンで動画サイトを通して観るのではないか。

 で、あるならば画面のサイズが小さくなった分だけ、登場する人数は少ない方が観やすいだろうし、動画を選択し「ながら観」するようになった分だけ、番組(動画)の時間は短くなるだろう。

 これらの変化から目を背けて、被害者面をする。

 その絵面を私は無責任であると言いたい。

家族を養わなくてはいけない

 これも無責任の塊のような言葉だ。

 養うべき家族が居るからこそ、養える保障のある仕事をするべきだし、真っ当に生きるべきである。綺麗事かもしれないが、そう思う。

ルビーの策

 そんなこんなで当然のようの火種が発火し炎上する展開。

 渦中にいる吉住に忍び寄るのは提案書企画書を携えたルビーである。


f:id:isoisogingin:20220804004040j:image

『【推しの子】』90話 より 

 しかし、ここで1つ触れておきたいのは「この炎上展開に救いはあるのか」ということである。

 テレビ番組関係でのネット炎上という点でアクアの「今ガチ」と今回のルビーの件は展開として似ていると言える。

 しかし、アクアの時はあかねを救うための策であり、そもそもあの場でルール違反は無かった。一方で今回の件は何かしらの番組をして誰かが救われるのであろうか、と疑問になるのだ。お互いにルールを違反している。どちらかを救うことは、逆サイドを責めるような、悪役にするよな論調になる。

 だから、ルビーが持っている企画書は「誰かを救うための企画」ではなく、「ルビーが芸能界で飛躍するための企画」であるのだ。その企画書を提出する窓口として丁度良いのが、芸能界から干される可能性の有るADというだけであるかもしれない。

 闇落ちルビーの展開は基本的にそうであるが、私の考えが合っているのなら爽快感があるようなオチにはならなさそうである。期待薄だ。

今週の重曹ちゃん

 テレビ、芸能人枠として重曹が描かれている。

 実に8話ぶり、約2か月半ぶりの重曹との邂逅に思わず合掌

 正直この登場が今週の『【推しの子】』の一番の価値である。


f:id:isoisogingin:20220804004047j:image

『【推しの子】』90話 より

次回更新は…?

 今週号『ヤングジャンプ36&37合併号』は名前の通り合併号である。

 来週はお盆休みという事である。

 加えて、『【推しの子】』は4週やって1週休載という更新ペースである。今週が丁度4週目の更新に当たるため、次回は1回分の休載後の更新となることが予想される。

 つまり、2週間も空くのだ。(このやりとりも何回も見た光景)

 次回更新は8月25日(木)である。

 正直、次が待ち遠しい!とワクワクする展開とは言えないが、それでも2週空くのは寂しい。ワクワクするような怒涛の展開がそろそろ描かれることを期待しつつ次回更新を待つとする。

 

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.101「僕は山田に近づきたい」【漫画】

 祝アニメ化!!!!!

 2022年8月2日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新101話「僕は山田に近づきたい」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

アニメ化決定!!!

 突如始まった市川と山田のデートツイート企画。

 この企画が始まった時点で、ファンの多くは察していただろう。

 そして、遂に発表された僕ヤバアニメ化!

 拍手しかない。

 Twitterを見るに、一部アニメの作画に文句を言う層が居るが、折角の祝い事なのだから、頼むから心の中にしまっといてくれという気持ちだ。ネガティブなお気持ち程萎えるものはない。(私自身もこのブログのこの部分で留めたい)

 当然、アニメの作画は桜井のりお先生ではないのだ。絵柄を完全に似せるのは難しい。それだけ、のりお先生の絵が素晴らしいものであるということだと思うのだが。

 絵柄への文句を言う人ほど原作へのリスペクトを謳うが、それならばコンテンツへのリスペクトを持ってほしい。のりお先生が大々的に発表し、『僕ヤバ』というコンテンツがこれから注目を浴びるだろうというときに、わざわざネガティブな発言を人目に晒さないでほしい。これは一個人の意見だ。

101話「僕は山田に近づきたい」感想と考察

身体測定回

 思春期は大人と子供の境目。

 その狭間は多くの人に多種多様な悩みをもたらす。

 例えば、市川としては山田よりも身長が低いことが一つの悩みである。

 山田が市川を見下ろす。

 その逆の市川が山田を見下ろす構図には市川としては憧れがあろう。そして山田も同様の憧れを持っていることが窺える。

 以前クリスマスデートでも山田より高いところに市川が並ぶシーンがある。市川が前に行こうとすると、山田が止める。


f:id:isoisogingin:20220802181139j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.46 より

 山田のこの感情は、身長◯◯以上という異性への条件のようなものではなく、市川という好き人が先行するシチュエーションへの憧れだと思われる。

 だから、市川の成長を自分事のように山田は喜ぶ。


f:id:isoisogingin:20220802182129j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.101 より

 身長を測るシーンでは市川の首元に視線が向く。恐らく喉仏を見ているのであろう。喉仏は声変わりの象徴。

 市川が大人へ近づいている証だ。


f:id:isoisogingin:20220802182113j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.101 より

市川の"想い"

 さて、キャラクター紹介欄にも変化があった。

 今まで通り市川の視点で記述される自己紹介ではあるのだが、山田のプロフィール欄に「好き」と明記されたのだ。


f:id:isoisogingin:20220802180649j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.101 より

 山田が恋心を完全に自覚して、距離感にストップが利かないように、市川だってその感情は止められない。

 モノローグでも"想い"という単語を使っている。


f:id:isoisogingin:20220802234319j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.101 より

 今までは読者視点は「早く付き合えよ」であったのに対して、今では市川や山田自身も「早く付き合いたい」と両片想いを越えた状態だ。

 ただ、その言葉は言わされるのではなく、自らの意思で言いたいというのは理解できる部分である。

 当然、クラス皆で祝おうと画策する安藤カンナの姿には気を遣うのである。

 しかし、気を抜いた瞬間にバッチリ見られる、というのは当然の結末でもある。次回、半沢ユリネの対応は如何に!


f:id:isoisogingin:20220802234448j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.101 より

 

 

【感想と考察】『【推しの子】』89話「コスプレ」【漫画】

 2022年7月28日発売の「ヤングジャンプNo.35」で『【推しの子】』の最新89話「コスプレ」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事などはこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 以前から公言していますが、私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

89話「コスプレ」感想と考察

ほな炎上しようか

 ガチで重曹が登場しないでテンションが下がり、予想通り過ぎる展開で更にテンションが下がるって~!

 さて、先週先々週の感想記事で予想していた「炎上展開」。

 まぁ予想に反せずやってきたという感じである。


f:id:isoisogingin:20220728002515j:image

『【推しの子】』89話 より

 コミケ会場で行われるコスプレを題材とした企画。

 メンバーは、ルビー、寿みなみ、吉住木実、加えて「B小町」とYoutube上で共演したことがあるという縁で招待されたメイヤの4人である。メイヤは「エロ系」のコスプレをしているらしい。

芸能界の性質

 芸能界の「汚さ」は『【推しの子】』で冒頭から散々描かれてきた。

 それを受け入れる受け入れない、好き嫌いは人それぞれである。

 そして、今回の番組ディレクターは正しくその「汚さ」を体現したような、私利私欲に塗れた人間である。コスプレイヤーのメイヤに対してもデリカシーのない発言を繰り替えす。

 その発言然り、権利関係で番組の内容が突然変わったこと然り。

 それらの事実にメイヤは辟易しているようで、所々で笑顔を貼りつけながらも含みのある発言をする。あからさまな火種という感じである。


f:id:isoisogingin:20220728002520j:image

『【推しの子】』89話 より

吉住木実は「B小町」に加入するか

 炎上するぞぉ、炎上するぞぉ、で炎上した。

 それ以外に言えることが無いので、先週に引き続き「吉住木実は「B小町」に加入するか」を考える。

 炎上というものは読んで字の如く火種が発火する。

 火種は周りに飛び散るものだ。

 今回の番組がメイヤのツイートをきっかけとして炎上するのは間違いない。

 で、あるならば共演したルビー、寿みなみ、吉住木実にも火の粉が降りかかるのは当然である。それを自身のアピールの場とするか、周囲の視線に押し潰されるかは人それぞれであろう。

 その際に、期せずして番組の視聴率は伸びるだろう。実際の姿を隠して「Vtuber」という職業をしている吉住木実はルビーや寿みなみ以上にその炎が強くなる可能性がある。

 その駆け込み寺として「B小町」は考えられるかもしれない。

 そうでなくても、今回ルビー、寿みなみ、吉住木実が一緒に仲良さそうに行動していることから、全くルビーが関与しないとは考えにくい。

 今回の炎上を期に新しい人間関係が構築される。

 このパターンも考えられるだろう。


f:id:isoisogingin:20220728002527j:image

『【推しの子】』89話 より

今週の重曹ちゃん

 まぁ、登場しないよね~

 知ってた。

 

【感想と考察】『【推しの子】』88話「オファー」【漫画】

 2022年7月21日発売の「ヤングジャンプNo.34」で『【推しの子】』の最新88話「オファー」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事などはこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 以前から公言していますが、私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

88話「オファー」感想と考察

予想通りのパワハラ展開のみ

 展開としては前々回、前回に引き続きの繋ぎの回。

 (相も変わらず、話の本筋はなかなか動かない)

 簡単に要約するのであれば、AD吉住が自身の妹、寿みなみ、星野ルビーと「東ブレ」コスプレを題材とした番組のキャストを揃えたものの、直前になって権利の関係で、オリジナルか、ギリギリまで似せるかに変更する必要があるというパワハラを上司から受ける。

 実際の対応は、AD吉住とコスプレイヤーである妹でなんとかするのであろう。

 しかし展開としては、登場時から業界の闇を抱えた頭の悪いパワハラ上司が「コスプレ」というコンテンツにおいて重要だと前回示唆された権利問題に引っかかり、ADがパワハラを受けるというどこまでも予想通り過ぎる展開でびっくりだ。


f:id:isoisogingin:20220721003046j:image

『【推しの子】』88話 より

 自分が出演する番組の悪い情報をしっかりADに伝えるあたり、先週の話の寿みなみの言葉を借りるのであれば、ルビーも芸能界に染まっている。

 ここまで予想通り過ぎて面白いとは正直言えない。

 ここ2.3話で炎上しそうな伏線というか設定を散りばめるだけ散りばめられている。どれもあからさま過ぎて予想の範疇を超えない。

 そして、予想通りな部分が物語の根幹とそれほど大きく繋がっていないっぽいのがこれまた質が悪い。

 アクアが父親の真相を突き止めるべく動いた舞台編などとは変わり、今回の章では物語の中心はルビーと元苺プロ社長の壱護である。現在、この二人は本章の展開に大きくは絡んでいない。(章の前半パートであることを考えれば妥当かもしれないが)

 故にここ3週間ほどの『【推しの子】』は敢えて言葉を悪く言えば、流し読みで十分な展開である。ここから盛り上がることに期待したいが、なにせ重曹の気配が微塵も感じられず個人的にはつまらないという言葉に尽きる。

鈴音コミミ(住吉未実)の行方

 私自身は普段Vtuberの配信を観ることがあるので、この単語に違和感はない。

 しかし、聴きなれない人も居るだろう。

 詳しく知りたい人は今話冒頭の説明で分からない単語をググればなんとなくは分かるかもしれないので、ここでの説明は割愛したい。

 さて、兄に無理矢理出演させられ、パワハラ上司からはエロい目で見られそうな鈴音コミミである。今章で新登場の女の子。

 番組自体はルビーが関係し、今話最後にAD住吉とコミミがコスプレをどうにかしようと努力するシーンがあることからも大きな失敗はしないだろう。

 (権利問題や視聴率問題などでもう一悶着くらいはあるだろうが)

 そうなると気になるのは、コミミというキャラクターの行方だ。


f:id:isoisogingin:20220721003052j:image

『【推しの子】』88話 より

 今章でサヨナラか、今後も登場するか。

 しかし、コミミはアクアとルビーの出生に関わっている様には思えない。で、あるならば、今後も登場すると仮定した場合にB小町加入という展開の可能性が見えてくる。

 根拠はないので考察通り越して妄想であるが、可能性として書いておく。

 

今週の重曹ちゃん

 気配なし!

 この章は1コマも登場しない可能性あるわね。

 ガチで重曹の需要と供給が見合っていない。

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』番外編1「足立くんが補足してくれる回」番外編2「宝物を世界に見せびらかす回」【漫画】

 2022年7月19日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』番外編1「足立くんが補足してくれる回」番外編2「宝物を世界に見せびらかす回」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 100話到達めでたい前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

番外編1「足立くんが補足してくれる回」感想と考察

足立のクラスは

 さて、悪い奴ではない友達である足立のクラスが市川と同じではないことが100話で判明した。クラスが何組かは明記されなかったが、市川や山田と離れ離れになったことは間違いない。

 そんな足立としては市川の1組が羨ましいようだ。

 山田に加えて、半沢さんや安堂さんもいる1組はヒエラルキー上位の女子が集まっているようなのだ。(足立談)

 市川としては恐らくどうでもいいのだが、他人に羨まれるのは悪くない。

 このように素の性格の悪さを躊躇うことなく出せる辺りに、足立や神崎と市川の仲の良さを感じる。仲良くなったのは最近であっても、それは「友達」なのだ。


f:id:isoisogingin:20220719230248j:image

『僕の心のヤバイやつ』番外編1 より

 一方、神崎は市川と同じくらすではあるものの原さんとは別クラスになったようだ。(ということは、市川、山田と原さんも別クラスである)

 神崎も市川を羨むのだ。

 神崎の場合は、自分は原さんと同じクラスになれなかったのに、市川が山田と同じクラスになったという事実に対してである。

 しかし、ここで足立が気付くのだ。

 市川が山田と同じクラスであることが何故良いのか、と。

 市川は一瞬の躊躇いの後、一番仲良いからと、素直に答える。お互いに好き合っていても、告白を通さなければ、その関係は「仲が良い」以外のなにものでもない。

 嘘ではなく、誤魔化しでもなく、現状を正面から伝えたその言葉に、足立は何かを察するような間を置くものの納得した様子を見せる。

 足立の「たまには一緒に帰ろうな」という言葉には、市川と山田が好き合っていて、一緒に帰るような仲であることに気づいている可能性も考えられる。

 (流石に考えすぎか?)


f:id:isoisogingin:20220719230255j:image

『僕の心のヤバイやつ』番外編1 より

番外編2「宝物を世界に見せびらかす回」感想と考察

 市川は山田から貰ったウォレットチェーンをつけて買い物へ出かける。

 市川ママからは「レトロ不良スタイル」と言われるが、以前までと比べるとファッションセンスが上昇していることは間違いない。

 勿論プロのモデルが選んだチェーンのお陰もあるのかもしれない。

 そんな市川と偶然にも出会うのは休日仕様の吉田である。

 エッッッ

 思わずそう叫んでしまったのは、へそ出しスタイルの服装と、そこからチラ見えしている鼠蹊部のラインのせいである。バカ可愛いが。


f:id:isoisogingin:20220719230317j:image

『僕の心のヤバイやつ』番外編2 より

 そんな吉田は市川の財布に着目する。市川はカツアゲされると誤解したようだが、実際には山田にウォレットチェーンをつけている様子を見せたかっただけなのだろう。

 恐らく、市川がホワイトデーにプレゼントを散々悩んだように、山田も悩んだはずである。悩んだ結果吉田に助けを求めたことも当然である。

 だから吉田は市川のチェーンが山田からのプレゼントだと気づいているのだ。

 気づいた上で、プレゼントが喜んでもらえるか不安を抱えている山田を安心させるように証拠写真を送り付けるのだ。当然、山田は市川が自分の渡したチェーンをつけていることに足をバタバタさせるほど喜ぶのである。


f:id:isoisogingin:20220719230300j:image

『僕の心のヤバイやつ』番外編2 より