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【感想と考察】『【推しの子】』90話「コンプライアンス」【漫画】

 2022年8月4日発売の「ヤングジャンプNo.36&37合併号」で『【推しの子】』の最新90話「コンプライアンス」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事などはこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

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 以前から公言していますが、私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

90話「コンプライアンス」感想と考察

倫理観の話

 コンプライアンス。一般的には法令遵守と訳される語。

 噛み砕いて言うのであれば「ルールは守りましょう」である。

 では、ルールとは何か。

 人間誰しも自分自身のルール、家族のルール、学校のルール、会社のルールと多種多様な規則慣習に囲まれて生きている。

 その根源にあるのは法律であり憲法である。

 「日本」に所属する以上、法律、憲法がルールの根源に無くてはならない。

 ただ、その法律憲法にも長々と様々なルールが記載される。

 だから大切なのは「公共の福祉」である。

公共の福祉

  1. 社会一般に共通する幸福や利益。個人の利益や権利に対立ないしは矛盾する場合があり,相互の調和が問題とされる。

 つまるところ、「様々な権利自由が存在するけど他人に迷惑をかけてはいけないよ」という意味だ。

 

 これらを踏まえて1つ語るなら、今回のテレビ番組サイド、コスプレイヤーであるメイヤサイド、どちらも悪手であると言える。

 テレビ側は急な依頼内容変更、セクハラ。

 メイヤ側は番組の内容を放映前に暴露。

 どちらも「公共の福祉」に反していると考えられる。

 当然、先にやったのはテレビ側であると読んでわかるが、やられたらやりかえすが通じる程「法の世界」は甘くない。


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『【推しの子】』90話 より

 プライドが傷つけられたという事実とそれらを暴露する話は別問題である。

 言い分が分からない訳ではないのだが、私の一意見である。

 漫画の展開としては見え見えの地雷を踏みに行ったような展開が続いているので語ることは無い。

価値が変化すること

 さて、メイヤ側の言い分は分からなくもないという前提を置いた上で「ルールを守るべきだ」と主張した。酷いのはテレビ側である。こちらは言い分も分からない。

 責任は俺がとる。

 まるで背中で語るかの如く描かれているが、騙されてはいけない。

 ①ギリギリを攻めなくては面白くない。

 ②家族を養わなくてはいけない。

 これらの主張はまるで「責任」とは真逆の言い分である。


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『【推しの子】』90話 より

ギリギリを攻めなくてはいけない

 こちらの言い分は、価値を考えることを辞めたという無責任さである。

 人が生きて姿形が変わる様に、あらゆるものも常に変化している。

 昔は灯りの象徴であったロウソクが今は電球・蛍光灯にその役目を奪われた。しかし、現在ロウソクは「アロマキャンドル」という全く異なる価値を持って生きている。

 テレビ番組も変わった。今、若者の多くはスマートフォンで動画サイトを通して観るのではないか。

 で、あるならば画面のサイズが小さくなった分だけ、登場する人数は少ない方が観やすいだろうし、動画を選択し「ながら観」するようになった分だけ、番組(動画)の時間は短くなるだろう。

 これらの変化から目を背けて、被害者面をする。

 その絵面を私は無責任であると言いたい。

家族を養わなくてはいけない

 これも無責任の塊のような言葉だ。

 養うべき家族が居るからこそ、養える保障のある仕事をするべきだし、真っ当に生きるべきである。綺麗事かもしれないが、そう思う。

ルビーの策

 そんなこんなで当然のようの火種が発火し炎上する展開。

 渦中にいる吉住に忍び寄るのは提案書企画書を携えたルビーである。


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『【推しの子】』90話 より 

 しかし、ここで1つ触れておきたいのは「この炎上展開に救いはあるのか」ということである。

 テレビ番組関係でのネット炎上という点でアクアの「今ガチ」と今回のルビーの件は展開として似ていると言える。

 しかし、アクアの時はあかねを救うための策であり、そもそもあの場でルール違反は無かった。一方で今回の件は何かしらの番組をして誰かが救われるのであろうか、と疑問になるのだ。お互いにルールを違反している。どちらかを救うことは、逆サイドを責めるような、悪役にするよな論調になる。

 だから、ルビーが持っている企画書は「誰かを救うための企画」ではなく、「ルビーが芸能界で飛躍するための企画」であるのだ。その企画書を提出する窓口として丁度良いのが、芸能界から干される可能性の有るADというだけであるかもしれない。

 闇落ちルビーの展開は基本的にそうであるが、私の考えが合っているのなら爽快感があるようなオチにはならなさそうである。期待薄だ。

今週の重曹ちゃん

 テレビ、芸能人枠として重曹が描かれている。

 実に8話ぶり、約2か月半ぶりの重曹との邂逅に思わず合掌

 正直この登場が今週の『【推しの子】』の一番の価値である。


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『【推しの子】』90話 より

次回更新は…?

 今週号『ヤングジャンプ36&37合併号』は名前の通り合併号である。

 来週はお盆休みという事である。

 加えて、『【推しの子】』は4週やって1週休載という更新ペースである。今週が丁度4週目の更新に当たるため、次回は1回分の休載後の更新となることが予想される。

 つまり、2週間も空くのだ。(このやりとりも何回も見た光景)

 次回更新は8月25日(木)である。

 正直、次が待ち遠しい!とワクワクする展開とは言えないが、それでも2週空くのは寂しい。ワクワクするような怒涛の展開がそろそろ描かれることを期待しつつ次回更新を待つとする。