葉のブログ

忙しい合間にも漫画とか映画とか

MENU

【感想と考察】『【推しの子】』87話「空音」【漫画】

 2022年7月13日発売の「ヤングジャンプNo.33」で『【推しの子】』の最新87話「空音」が掲載され、更新されています。

 前回の感想記事などはこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 以前から公言していますが、私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。isoisogingin.hatenablog.com

87話「空音」感想と考察

アクアとあかね

 アクアとあかねの関係は続いているようだ。

 あかね曰く、気にかけてくれるし、既読放置しないし、迎えにも来てくれる。

 重曹とあかねの二択であかねが選ばれた理由は、アクアが重曹を本気で好きだからこそ離れたというものである。しかし、あかねにとってはそんな理由どうでも良いのだ。

 モノローグで語られるあかねの心境としては、仮に嘘から始まったとしても、今嘘が混じっていたとしても、それを真実にしていきたいという感じである。

 今回のサブタイトルは「空音」

 実際には鳴っていないのに鳴っている様に聞こえる音。

 つまりは仮初の音である。

 この言葉は、二人の現在の関係性が恋人として成っているように見えて、仮初の物であることの比喩であると考えることができる。


f:id:isoisogingin:20220714003226j:image

『【推しの子】』87話 より

 その仮初の関係が、今後も続くかどこかで破綻するのか。

 今回描かれたあかねの数ページに渡るモノローグは見方によっては、必死に自分を言い聞かせてるとも読める。重曹の方が好きなのに自分を選んだ。その理由は考えないようにしているようだが、あかねであればすぐに分かることであり、それはあかねにとって不都合だ。

 案外、その偽りの関係に先に悲鳴を上げるのはあかねかもしれない。勿論、何かしらの拍子にアクアきっかけで破綻する可能性も十分にある。

 私としては重曹推しであるため、是非ともアクアは自身の心情に真っすぐに向かい合ってほしい。別にあかねを嫌悪している訳ではないのだが、ここは宗派の違いという事で許してはくれないか。

 

ルビーの「嘘」

 サブタイトルの「空音」然り、アクアとあかねの関係然り、アイの生き様然り。

 この『【推しの子】』という作品のテーマの1つに「嘘」があるのは間違いない。

 以前ADからコスプレイヤーを探していると縋られたルビーは、グラドルでありながらコスプレにも関心がある寿みなみに話を持ち掛ける。

 それも、みなみが話に乗りやすいように、テレビの仕事であること、次の仕事に繋がることを強調して伝えるのだ。

 ここで1つ挙げられるとしたら、ルビーは嘘が上手くない。

 元々真っすぐな性格であったことが要因であるのかもしれないが、ルビーの言葉や話の内容は結局南には嘘くさい、芸能界の汚い話であると推察されてしまう。


f:id:isoisogingin:20220714003236j:image

『【推しの子】』87話 より

 こちらもアクアとあかねの関係同様いつまで続くのかが悩ましい所である。

 ルビーの嘘は復讐心から生まれたある種偽りの姿とも見て取れる。

 その仮初の姿がいつまで続くのか。

 こちらはアクアの前世バレなどが無いと決着が来ないかもしれない。

 

番組の行方

 みなみが考えるようにテレビ番組はその業界にさほど詳しくない。

 土足で歩き回るそれは目立ちはするが、悪目立ちになる可能性も否めない。

 特にコスプレ業界など権利のラインが曖昧であるような話はなおさらだ。

 

 さらに吉住ADは自身の妹であるコスプレイヤー兼Vtuberに話をもちかけるのだ。

 こちらも、アカ先生がVtuberと親交があるのは私自身も存じている(配信で見かける)が、その話を仮にフィクションとはいえ「芸能界の真実!」のように生々しさを売りの1つにする形で取り上げてほしくないというのが正直なところだ。

 Vtuberの中身だとか、そういう話は業界で言えば一部タブーであったりする。

 それを漫画の中に持ち込むと言うのは、自身が描いているテレビ番組と行動が同じような気がしてならない。是非焦げ臭くならない、純粋に読んで楽しめるストーリーを期待したい。


f:id:isoisogingin:20220714003243j:image

『【推しの子】』87話 より

 まとめるなら、今回の番組もコスプレ問題然り、Vtuber問題然り、際どいものを求める然り、ヒヤリハットポイントどころか、ヒヤリとする前から危ない問題が盛り沢山である。

 

サブタイトル「空音」の考察

 さてバラバラに書いてきたが、要約すると今回描かれたものはいずれも偽りの姿である。それがサブタイトル「空音」から考察できるものだ。

 重曹への想いを閉じ込めたまま、あかねの彼氏を演じるアクアの姿も嘘。

 重曹が好きであったのに自分の彼氏になったアクアに満足しているあかねの姿も嘘。

 大切は友人に芸能界の汚い話を持ち掛けるルビーの姿も嘘。

 大きく3点。主要人物の偽りの姿が描かれたことになる。どうして嘘を吐かなくてはいけなくなったのか。それは、芸能界という世界の歪みと2つの殺人事件が生んだ歪みのせいであろう。

 

今週の重曹ちゃん

 「好きだった」と勝手に過去形にされる重曹ちゃん。

 そこは現在形でゲロ重の感情をアクアは抱いているということだけ訂正しておきたい。負けるな、重曹ちゃんって感じだ。


f:id:isoisogingin:20220714003251j:image

『【推しの子】』87話 より