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【感想と考察】『【推しの子】』152話「インタビュー」【漫画】

 2024年6月13日発売「ヤングジャンプNo.28」で『【推しの子】』本編の最新152話「インタビュー」が掲載・更新されています。

 伏線回収があった151話。

 前回の感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

 また、150話を受けて重曹とアクアの関係性の変遷の整理や今後の展開の考察を少しだけした記事を作成しています。こちらも気になる方は是非。

isoisogingin.hatenablog.com

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 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、随分と前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

 ※約3年ほど前の記事になります。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 なので、以下に含まれる感想の内容にも『【推しの子】』の恋愛要素(特にアクかな)に焦点を当てた内容が多くなります。上記内容が苦手な人、宗派が合わない人はブラウザバックしていただければ幸いです。

152話「インタビュー」感想と考察

鏑木Pと五反田監督

 『15年の嘘』が試写上映された。

 それが152話の展開を語る上での前提となる。つまり、アクアが思い描いた映画は台本の世界を飛び越えて、映像作品として世に出た訳だ。

 アクアに並々ならぬ動機があるのは窺える。

 かつて大切な人物であるアイを殺した実の父親、カミキヒカルへの復讐を果たすためだ。しかし、アクア一人の力で映画が完成することはあり得なかった。どうしたって業界人の力が必要なのだ。

 そこで一つの疑問が浮かぶ。

 鏑木Pと五反田監督は何故、そこまでアクアの映画『15年の嘘』製作に協力したのか。

 五反田監督の方はなんとなく描かれてきた。本当のアイを撮る。アイが生きている間に実現できなかったことへの再挑戦だ。当然、アイが亡くなった今では実現しえない目標である。しかし映画製作を通じてある程度は達成できた。

 監督にとっても前進するキッカケなのだ。

 一方の鏑木P。こちらについてはアイとカミキを引き合わせた張本人である。だからこそ、その結末を最も後悔し、罪悪感を覚えているのも鏑木Pなのだ。鏑木Pだって人間だ。アイのためを思っての行動が結果を望まぬ方向へと導いた。それを引き摺っていたという訳なのだ。

 だから『15年の嘘』はアクアにとっては復讐を、五反田監督にとっては再挑戦を、鏑木P'にとっては贖罪を意味する。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』152話 より

アクアの編集

 試写会の結果として、ルビーの演技は言葉を選ばずに言えば「下手」であると明言されている。しかし、その部分をアクアが編集でカバーしたと評されている。ここで描かれているのはアクアのシスコンっぷりである。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』152話 より

 ここで注目したいのはアクアが相当編集をしているということだ。手直しがあったとは言え、台本原作はアクアである。ある程度アクアの復讐の意図があったうえでの内容になるはずだ。

 それは編集についても同様のことが言える。役者が演じたシーンを演出家の意図する方向へ編集する。これは『今ガチ』であかねが炎上することとなった原因でもあり、その炎上からあかねを救った役者たちのオリジナル動画の仕組みでもある。

 撮った映像は編集できる。

 あくまでも可能性の話であるが、アクアがルビーの演技以上に他の細やかな部分で復讐のための仕掛けをしている可能性もある。それはアクアがインタビューで語る「復讐を果たさなければ未来へ進めない」という発言にも関与する。

 アクアは物語の内容だけでなく、何かしらの演出・編集での仕掛けを入れ込んでいる可能性も考慮しておきたい。

未来軸との合流

 私が最初期の感想記事から「未来軸」と呼んでいたインタビューシーン。過去編の時に1Pずつ描かれていることから、『【推しの子】』の展開として映画を作り、その際のインタビューであるということは考察し続けてきた。

 そのタイミングが想像よりも早く来た。

 しかも、インタビュアーは少年A本人であるカミキヒカル。これは鏑木Pの采配であろう。ただ、何の理由もなくカミキにインタビューさせるほど意味のないことはしない。そのためインタビュアーとして招聘したことも鏑木Pの企みに関わる可能性がある。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』152話 より

 この展開に合わせて未来軸と呼んでいた時間軸が合流したことに寄り、ある程度見えてくるものがある。例えば、重曹の発言。「天才だってナイフで刺されればお陀仏」。この発言はアイを指したもので確定しつつ、それを張本人に言っている訳だ。この構図はカミキに「天才」と認められた重曹がナイフで刺される展開とも噛み合うと考察する。そこら辺の展開考察は以下の記事を見ていただきたい。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 そして、アクアの誰も愛さない発言。これは、アクアと重曹の今後の関係を考察する上での厄介な発言であった。しかし、この発言は公式に「嘘」であると明言された。むしろ、アクアは前に進むために復讐を成し遂げると意気込む。

 重曹に照らされて、アクアが今までにない程前向きかつ光っている気がするのは気のせいだろうか。これぞ重曹パワー。

 ともすれば、物語の展開としてバッドエンドはあり得ない。重曹の力で光輝いたアクアはなんか不思議な力で無敵だろうし、それに守られる重曹も死ぬはずがない。ハッピーエンド確定のウィニングランである。

今週の重曹ちゃん

 アクアの誰も愛さない発言が「嘘」であり「演技」であるとカミキから明言された。これはつまり、アクアは既に重曹を愛していると捉えても過言ではない。当然、愛しているといって遜色ないほど、重たい感情は今まで見せていた。

 ただ、未来軸の発言からアクアと重曹の関係性を危惧する人も居ただろう。皆、喜ぼう。150-152話の怒涛の3話の展開を受けて、アクアの重曹への感情は明確に表現された。

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Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』152話 より

次回更新は

 次回はローテ休載のようだ。 

 次回更新は2024年6月27日(木)の予定である。