葉のブログ

忙しい合間にも漫画とか映画とか

MENU

【感想と考察】『【推しの子】』153話「フィクション」【漫画】

 2024年6月27日発売「ヤングジャンプNo.30」で『【推しの子】』本編の最新153話「フィクション」が掲載・更新されています。

 伏線回収があった152話。

 前回の感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

 また、150話を受けて重曹とアクアの関係性の変遷の整理や今後の展開の考察を少しだけした記事を作成しています。こちらも気になる方は是非。

isoisogingin.hatenablog.com

 本記事は、はてなブログの『漫画』グループランキングに参加しております。宜しければクリックしていただけますと、励みになります!

 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、随分と前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

 ※約3年ほど前の記事になります。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

 なので、以下に含まれる感想の内容にも『【推しの子】』の恋愛要素(特にアクかな)に焦点を当てた内容が多くなります。上記内容が苦手な人、宗派が合わない人はブラウザバックしていただければ幸いです。

153話「フィクション」感想と考察

カミキヒカルによる評価

 アクアが復讐のために制作した映画『15年の噓』。これはアイが遺したDVDのメッセージからアクアが決意した作品でもある。しかし、その物語の本筋となる”過去”にアクアは存在しない。

 だからこそ、カミキヒカルの評価は「フィクション」である。作品として脚色されたその物語は事実としての”過去”より捏造されており、誇張されており、都合の良いように捻じ曲げられている。

 事実は、作品の様に美しくない。アイとカミキは年相応に不器用な恋愛をしたのではなく、カミキが依存し、アイが拒絶できなかっただけ。そうカミキは自分が経験した事実を語る。

f:id:isoisogingin:20240627003522j:image

Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』153話 より

 ここ近年、「原作者」問題が世間を騒がせている。この記事において、その問題に言及することは無い。ただ、それと同様の観点からこのカミキの発言は解釈することができる。

 『15年の嘘』は事実を基にした作品という位置づけ。それであるならば、真実を知るのはそ”事実”となる当時を生きていた人物になる。敢えて言うのであれば、カミキヒカルこそが物語の原作者でもあるのだ。

 だから、カミキヒカルは異を唱える。自分が知っている事実と作品は乖離している。だから”エンターテインメント”であるのだ。所詮、世間の娯楽のために作られたまがい物でしかない。原作者の解釈と異なる。それが結論だ。

もう一人の原作者

 結局、どのような事実であっても、その過去は事実を何かしらの色眼鏡を通して解釈されたものとなる。カミキが知っている事実は所詮、カミキが解釈した物語でしかない。そう考えると、カミキが語る「アイとカミキは年相応に不器用な恋愛をしたのではなく、カミキが依存し、アイが拒絶できなかっただけ」もある種フィクションである。

 その観点から考えると、ある個人の解釈に頼らない公平な解釈のためには、複数人の解釈が必要となる。そして、カミキ以外のもう一人の当事者と言えば、今は亡きアイが該当する。そのアイはDVDに想いを遺している。

f:id:isoisogingin:20240627003529j:image

Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』153話 より

 アクアとカミキは異なる人間だ。同じ景色を見ていても、全く異なる思惑や解釈が発生している可能性がある。

 アクアは「フィクションではない」と断言している。つまり、カミキはアイに対して勝手に決めつけていたが、実際のアイの真意は違った。それがDVDにも遺されていた。これに関しては恐らく間違いないだろう。

 そして、その答え合わせが過去編として描かれると想像する。ただ、この過去の詳細は各視点の事実がある程度揃ったところで俯瞰的に整理したいので、ここでは言及しないこととする。

カミキヒカルは制裁されるか

 今回、アクアとカミキの会話の中でカミキが社会的制裁を受け入れるかのような発言をしている。これは芸能界からの追放を意味していると考える。しかし、ここで問題なのはカミキは今もなお殺人を犯し続けているという事実である。

f:id:isoisogingin:20240627003537j:image

Ⓒ 集英社 2024

赤坂アカ/横槍メンゴ『【推しの子】』153話 より

 映画が公開され、社会的に非難を受けて、自身の罪と向き合う。そんな展開で復讐が着地して、その後アクアと重曹は安心して未来に進むことができるのだろうか。仮に過去編でカミキがアイを殺した理由が判明したとて、それが現在も殺人を続けて良い理由にはならない。そしてその罪は『15年の嘘』とは別の話であると考える。

 だからこそ、最終的にはカミキヒカルが法的な制裁を受ける必要がある。それが私の主張である。詳細は以前の記事でも記載したので、そちらも読んで欲しい。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

今週の重曹ちゃん

 登場なし

次回更新は

 次回更新は2024年7月4日(木)の予定である。