2023年5月25日発売「ヤングジャンプNo.26号」で『【推しの子】』の最新119話「実母」が掲載・更新されています。
前回の感想記事はこちら。
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私は重曹推しです。
記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。
それについて、随分と前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。
119話「実母」感想と考察
五反田監督とアクアの関係性
総評するなら今回は繋ぎ回。
『【推しの子】』にしばしば訪れる激的に展開が進む間に挟まる幕間のような話である。なので復讐などの展開自体は大きな進展はない。
その中で明確に描かれていたテーマは「親子関係」だ。
まずは五反田監督とアクアの関係を見ていく。
ベロベロになるまで飲んだ(酒に呑まれた)五反田監督。その五反田監督を呆れながらも迎えに来たのがアクアだ。
その姿はアクアが五反田監督の保護者の様である。
しかし、アクアが五反田監督と密かに作品制作を進めたり、今回のように世話を焼いたりするのはある程度の関係値があるからだとも言える。
五反田監督がこどおじ過ぎてどちらが親でどちらが子なのか怪しい部分はある。それでも、この二人の関係はアクアが幼いころから演技などを教えた師弟関係に基づくものであり、そこには一種の親子のような関係値にもなっていると考える。
集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』119話 より
さりなとまりな
五反田監督を迎えにいったアクア。
その行き先でアクアは予期せず「天童寺まりな」と遭遇する。彼女はルビーの前世さりなの母親である。どうやら彼女は仕事柄お酒の場に頻繁に参加しているようだ。
アクアは前世でさりなの看病をした医者である。
一人病室で病気と闘うさりなの姿をずっと見てきた。
だからこそ気に食わないのだろう。まりなが仕事と称してお酒を飲み歩くこと、そして「母親を心配する娘(さりな)」の存在を無かったかのように語ることを。
集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』119話 より
勿論、まりなは娘が転生していることを知らない。
さりなの病室になかなか現れなかったのは別の事情があるかもしれないし、この発言自体も「さりなの死」を踏まえて思うところがあったからこその発言かもしれない。
それでもアクアには、さりながまるで愛されていなかったの様に感じられてしまうのだ。その衝撃は五反田監督を迎えに来たついでに受けるには大きいものだ。
ルビーが否定できない「母親像」
さりなは愛された経験が少ない。
前世では一人で闘病した。
現世ではアイが殺害された。
現世でアイの遺言が「愛している」である。
それまでアイは嘘になるのが怖くて言えなかった。しかし、最期の瞬間にアクアとルビーに対して本心からこの言葉を遺す。
集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』9話 より
何よりも大切なアイが遺した想い。
だからルビーはその想いと言葉を否定することができない。「母親が子どもを愛していない」と認めることは許されないのだ。
そのためルビーは演技につっかかる。
母親が愛していないと認める演技をするには、唯一愛された経験であるはずのアイの言葉を偽りのものと信じ込む必要があるからだ。勿論、ここのルビーの言葉の解釈はいろいろあるだろうが、私としてはそのように感じた。
演じるためにはアイの愛を否定しなくてはいけない。
その苦悩である。
集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』119話 より
今週の重曹ちゃん
ルビーに演技を指導する重曹ちゃん。
その台本に付箋が沢山ついていることから現段階で既に大量に読み込みをしていることが分かる。そんなところにまで表れる努力家な一面も最高だ。
集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』119話 より
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