2023年1月26日発売「ヤングジャンプNo.9」で『【推しの子】』の最新106話「決裂」が掲載・更新されています。
前回の感想記事はこちら。
私は重曹推しです。
記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。
それについて、ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。
106話「決裂」感想と考察
アイの真実
重曹を守るためにアクアが選んだ手段は、アクアの持つ最大の切り札を出すこと。つまりは、アイドルの隠し子であることを公にすることである。
当然、世間の反応は多岐にわたる。十人十色。売名だと揶揄する者、アイという虚構を壊されて幻滅する者。世の中、トレンドには敏感なようだ。たとえ自分が関係なくともあれやこれやと意見を述べるのである。
しかし最終的には、母の想いを継ぐ子どもを演出することによって美談として片づけられる。だが、ここでは世間の反応などはどうでも良い。アクアを取り巻く周囲の話をしよう。
『【推しの子】』106話 より
ルビーの想い
今回の顛末をどう捉えるか。
ルビーは一言でいえば反対派だ。それも極度の。
ルビーはアイを神様と崇めている。そのアイが隠した真実を掘り起こして開示するような行為は到底認められないのである。そしてその気持ちをアクアと共有していたと思っていた。
だから裏切られた。
そういう感情が芽生える訳である。
だからアクアと決裂する。
『【推しの子】』106話 より
しかし、この論調は可笑しいのである。
アイの意思を尊重するのであれば、「復讐」などは考えない。復讐のために動いている時点で、ルビーは自己満足の世界に入っている。そういう時、大抵思い描く像も勝手に自分の都合の良いように解釈されがちだ。
勿論、ルビーの言い分も分かる。
アイが大切だという気持ちも分かる。
ただ、どちらかというと自分が描いていた都合の良い像が崩れることに対する感情も含まれているのだろう。それはアイの像でもあり、アクアの像でもある。ルビーの想い描くものと違うことへの感情だ。
一読者の私からすれば1か0かしかない極端な意見である。
アクアの想い
一方でアクアは1か0かでは考えない。
ルビーとは見解の相違である。
『【推しの子】』106話 より
アイのことは大切である。一方でアクアは周りにいる重曹やルビーのことも大切なのだ。ここは一つ重要な点である。おそらくルビーは重曹とアイの真実を天秤にかけているのに対して、アクアは重曹に加えてルビー、そして復讐後の未来を天秤にかけていることが分かる。
『【推しの子】』106話 より
「俺が居なくなった後」という言葉の真意は不明であるが、ここでは一度「復讐によって自身が居なくなること」を想定していると仮定する。
つまり、アクアはルビーとは異なり、重曹やルビーの身の回りの人物の今、そして未来を天秤にかけているのだ。そりゃ、ルビーとは見ている世界が違う訳だ。
この視線を共有できない限りヒビは入ったままなのだろう。
現在はルビーが一方的に聞く耳を塞いでしまっている。
そう考えると、ある種ルビーは冷静な判断が出来ていないのだ。言い分は分かるが、アイだなんだと他人を盾にして自分の感情に流されているように感じる。
ここで、もう一点。
アクアは「復讐は演じること」と明言している。
『【推しの子】』8話 より
106話でアクアが復讐のその先の未来まで視野に入っている発言をしたのは上述した。しかし、未来軸ではインタビューに参加し、復讐について明言もしている。
そうなると、今回の「俺が居なくなった後」とはどのような状況を意味しているのだろうか。これは今後の考察ポイントとして一つ記憶しておく。
現状で考えられるのは、アクアもあかね同様に犯人を〇すようなこと、それによって自分も居なくなることを想定していることである。そうなると未来軸の発言と合致しない。今後、重曹に道を正されて未来軸のような復讐の在り方を見つけるのかも?
流石に考えすぎか?
今週の重曹ちゃん
遂にアクアとご対面。正直なところ、重曹はもう少しアクアに助けてもらったことに対して罪悪感などを覚えるものだとおもっていた。まぁ今回は重曹メインじゃないし、あっさり描かれただけだよね、っていうことで。
来週は流石にアクかな確定でしょう。
感謝を述べられるのか。
述べたうえでどこまで本心が言葉になるか。
注目であろう。
『【推しの子】』106話 より
次回更新は
次回更新は2023年2月2日(木)予定です。