葉のブログ

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【感想と考察】『【推しの子】』51話「考察」【漫画】

 2021年7月29日発売の「ヤングジャンプNo.35」で『【推しの子】』の最新51話「考察」が掲載され、更新されています。

 連休で1週空いてしまっていますが、前回の感想記事はこちらから確認できます。 

isoisogingin.hatenablog.com

 

 

 

 因みにですが、私が書く記事の『【推しの子】』という作品における前提と言いますか、スタンスは以下の記事に主に記載してあります。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 

51話「考察」感想と考察

アクアのPTSD

 「感情演技」をしようとした結果として過去のアイの志望現場の光景、そしてそれを止めれなかった自責の念など様々な感情がフラッシュバックし倒れてしまったアクア。身内の人を呼ばなくてはいけない一方でルビーには知られたくない。そんな中、選ばれたのは監督でした。(ここでも発揮される微妙なシスコンぶり)


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『【推しの子】』51話「考察」 より

 

 監督が言うにはアクアの事情を大体知っているそうな。しかもアクアの方も長い間カウンセリングを受けていたそうです。にも拘わらず、家族のことを思って完治したフリをしていたそうです。監督も忘れられず、アクアも引き摺っている過去。監督は「彼女」であるあかねに対してその過去の一部を話します。

 恋愛ショーではアクアの理想の女性を演じるために狂気じみた妄想力を発揮し、あかねはアイという人格を驚くほどに再現して見せました。そしてその妄想力が今回も遺憾なく発揮されます。監督の言葉の断片とアクアが寝言で言った「アイ」という単語から、自身が調べた様々な情報を合致させ涙を流すのでした。


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『【推しの子】』51話「考察」 より

 

 てか、あかねが抱きついてるそこ、監督(こどおじ)のベッドじゃね?

 

二人のヒロイン?

 さて、今話でも重曹ちゃんとあかねが対比されて描かれていたように感じます。アクアが倒れた際に、重曹ちゃんは心配しながらも遠目から眺めることしかできないのに対して、あかねは仮の「彼女」であっても近くにいることが出来ました。


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『【推しの子】』51話「考察」 より

 

 新章に入ってからやたらと対比して描かれているように感じるこの二人ですが、私としてはどうしても重曹ちゃんとあかねを同様に扱うことができないのです。それは私自身が重曹ちゃん推しであるということも含みますし、この記事の前提となっている未来軸の描写での重曹ちゃんの「あーくん呼び」にも起因します。

 また、あかねがその能力を見せたときから、このような展開は予測できましたし、実際に真実に近づいたあかねは重曹ちゃんが知らない「アクアの秘密」を手に入れたことになります。しかし、果たしてそれはヒロインとしてプラスなのでしょうか?

 アクアがカウンセリングに通っていた一方で完治していないことは今話で判明しました。つまりアクアにとって「アイの死」はカウンセリングなどで「分かってほしい」「共感してほしい」というような問題ではないのです。また、監督だけがその秘密をしっているのも、家族以外で、かつある程度の"距離感"というものを理解しているからではないかと思います。考えてみてください。アクアは、何か辛いことを単純に「辛かったね」と言われて終わるタイプではないと思うんですよね。もう少しひねくれている気がします。ここからあかねが共感を見せても一筋縄ではいかない気がします。

 

『かぐや様』から考える

 本作の原作は『かぐや様』を連載している赤坂アカ先生であることは全人類誰でも分かっていると思います。そんな赤坂先生の趣味は石上とミコちゃんのような関係であると思うんですよ。(勝手な思い込みです) 

 当初から「裏主人公」「裏ヒロイン」と称され、知らないところで助け合っている設定から私は石ミコが当然だと疑いませんでした。しかし、つばめ先輩が出てきた時からつばめ先輩とミコちゃんの裏ヒロイン論争が勃発するわけです。これには私もビックリ。いやいやいや、流石にミコちゃんになるやろ。

 そして、石上とミコちゃんの関係はアクアと重曹ちゃんに重なる部分が僅かながらあるのではないかと思います。まぁ、赤坂先生の趣味かどうかは置いておいて、確実にアカ先生はいくらどんでん返しや誰も予想しない展開で読者を楽しませてくれることがあったとしても、それは張り巡らせた伏線を回収することを前提としているということです。予めあった設定や伏線の重なりの中でどんでん返しを見せてくれる訳です。だからこそ、赤坂先生の作品は私にとっては面白いし、読みごたえもあると思っています。そんな中、敢えて1巻まるまる「未来軸」というインタビューを挟んで、その中に重曹ちゃんが居て、現在アクアが重曹ちゃんに無視されると辛そうにしていて、それで重曹ちゃんではなくあかねがヒロインだ!と叫ぶには私としては少し情報が足りない訳です。まる。

 敢えて凄い言葉を悪くして言えば、今回のあかねの行為も、アクアからの吐露ではなく、盗み聞いて知っただけというものです。前から何回も書いているんですが恋愛とは両方向の矢印が成立してこそだと思っています。そのような点からも重曹ちゃんの方は重曹ちゃんからアクアは勿論、アクアから重曹ちゃんへの想いも考えられる一方であかねのほうはアクアからの想いが未だ無いため成立してないのでは?という感情ですね。

 

今週の重曹ちゃん

 小さいコマでもそわそわしている重曹ちゃん。あんたこそ本妻だ。


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『【推しの子】』51話「考察」 より