葉のブログ

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【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.86「僕はキモい」【漫画】

 2021年11月30日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新85話「山田は僕が好き」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 神回の前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 最新6巻が1月7日発売です。

 前回の神回85話までが収録されるようです!

 

86話「僕はキモい」感想と考察

浮かれる市川

 ナンパイへの告白を断った山田。その場に居た市川。

 その状況はまるで山田から市川の告白の様である。

 

 だから、市川京太郎は浮かれている。

 山田からの好意を前提として物事を考えることができる。

 好感度が低いときよりも、好感度が高い方が減点方式になるので、より慎重な行動が望まれる。そう、市川はキモい行動を慎まなければいけないのだ。

 

 しかし、微妙な距離感のまま山田と絡む間もなく一日が過ぎ、ばやしこの誘いで山田はバスケ部でのカラオケに行くことになる。その面々には男バスという陽キャの集団も居るようで、市川としては気が気でないようだ。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte86 より

 

ついてきてしまった市川

 結局、市川は山田たちバスケ部集団のカラオケの後をつけるようにヒトカラに来た。

 ヒトカラあるある。

 一人しか居ないのに大部屋に通される。

 市川としては自分が歌うよりも山田のことが気になって仕方ない。

 

 しかし、部屋の外に居る途中でバスケ部卒業生のOGたちに「送辞を読んだ人」という流れで部屋に連行されてしまう。

 先輩たちは送辞が良かったと褒めに褒める。

 しかし、純粋無垢なばやしこの言葉のナイフで市川は一撃必殺。

 逃げるように自分の部屋への戻った。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte86 より

 

キモいのは君のせい

 自問自答。

 ばやしこの言葉で我に返り、純粋にバスケ部で楽しんでいるところをストーカーする"キモい"奴であったという自覚が出てきてしまう。

 そんな自己嫌悪の中市川の部屋に山田が入ってくる。

 カラオケの部屋に二人。

 このタイミングで山田はナンパイへ言った「好きな人が居る」という言葉を聞いていたか、と市川に問う。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte86 より

 

 でも、その問いは市川よりも自身に向けてである様で。

 言葉にしたからこそ、自覚するものがある。

 山田は山田で、気持ちをハッキリと言葉にしたことで、朝から挙動不審になっていたようだ。

 だからその"キモさ"は市川だけではない。

 市川が山田を想ってキモくなるように、山田も市川を想ってキモくなるのだ。

 

 市川はその事実と向き合うことができるくらいには強くなったのだ。

 男バスが居るから来ただけ、と自身の嫉妬心を言葉にする。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte86 より

 

”ヤバいやつ”

 この漫画でたびたび登場する「周りの人に比べて」という想い。

 思春期だからこそ、様々な気持ちに触れ、様々な気持ちに向き合っていく。 

 連載当初からずっと市川が周りの人に比べてキモくならないようにと行動する描写がある。市川にとって自分自身は、周りの人とは少しズレたと感じる部分があるのだろう。

 でも、そのズレも、そのキモさも、山田を想ってのことだから、そう思ったら向き合えるのかもしれない。

 それは恐らく山田も同じで。

 だから最後のコマのように今までとは同じようで少し違った関係性が今後も期待できそうである。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte86 より