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【感想】【推しの子】29話

12月24日発売のヤングジャンプ2021 No.4-5合併号で『推しの子』最新29話が掲載されています。そこで最新29話『完コピ』の感想ネタバレ記事を書いていきます!

(先週休載で、合併号ということで来週また空くと考えると寂しいですね)

 

 前回の記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

 

記事の目次です。

 

天才の完コピ

あかねはリアリティーショー映えはしなくても役者として「天才」であることに疑いはありません。アイを演じ始めてから、周りもその変化に気が付きますが、そのまま押し進めてアクアと行動を共にします。その中でアイが以前見せていた、その場にいる誰もを一瞬で魅了するようなカリスマ性を見せつけます。

アクア自身もその姿に魅了され、MENちょの言うことは流すのに、あかねの言うことはすんなりと聞く始末です。その様子に女性陣は「こういうあかねが好きなんか~?」とイジりますが、当のアクアはガチ照れのリアクションをします。あかねが演じる「アクアの理想の女性像」はテレビを通じて観ているルビーにもアイを思い出させるほどのものでした。同様に、アクア自身も「自分にとってのアイは何なのか」という問いに自問自答を重ねます。

重曹ちゃんは面白くない

世間ではゆきユキからアクあかへと話題の熱が変わっていきます。復帰後垢抜けたように画面に映るあかねと、アクアがあかねの炎上事件において進んで動画を作り、あかねを助けたというエピソード、アクアがあかねを意識するような仕草をすること、様々な要因から番組は面白くなり、その一方で最終回が近づいてきます。前回は最後にキスシーンがあったこともあり、視聴者の期待は高まっていきます。

その一方で重曹ちゃんは面白くありません。「面白くない」「アクアの顔も見たくない」といった様子です。(ここ『かぐ告』のマキちゃんと同じテイストですよね笑)

 


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『【推しの子】』29話

(この表情、特に重曹ちゃんの悲しげというか寂しげな感じがしますよね)

 

世間の熱とは反対方向に、 熱が冷めていく重曹ちゃん。学校へ行く途中に「有馬」と声をかけられます。その声の主はアクアで、「学校をサボって遊ばね?」という提案にすぐさま「行く」と答えるのでした。

 

 

アクアにとっての「アイ」

今回のことで考えざるを得なかったアクアにとっての「アイ」という存在。これはこのタイトルの『【推しの子】』というタイトルを含めて考えざるを得ません。一般的に存在する多くのヲタクには何かしらを「推し」と表現することが多々あると思います。 タイトルが『【推しの子】』である以上、アクア、ルビー共に生前の推しであるアイから生まれてきたことはこれまで読んできていれば当たり前として考えることができます。

さて、ここで一つの疑問が提示されます。

「推し」とは恋愛感情があるのか?
この問いに対する答えは人それぞれだと思います。「推し」という言葉を使う以上、恋愛感情はありえないという人も居れば、自分なんかが同じ立場など烏滸がましいと言いながらも所謂彼氏彼女と同じだけの熱量を注ぐ人、ガチ恋をする人など十人十色といえるかもしれません。

アイを完全に模倣するあかねの姿を見て生じた感情に、アイという存在を向き合うことを強制されたアクア。この答え次第では芸能界に入っての復讐というそもそもの根本にも影響するかもしれません。

恋愛感情か。魅了された熱か。懐かしさか。その感情にはいくつもの可能性があり、それをアクア自身が上手く言語化できていないことが描かれています。だからこそ、アクアはアカネに対する対応に困っているのでしょう。

 

「アクあか」は成立するか

この問いもいくつか考えることが出来ていますが、私自身は「成立しない」と考えています。たとえアクアが導き出すアイという「推しへの感情」がどんなものであっても、それはアイへの感情であり、あかねへの感情ではないからです。アクアがアイに対するどんな感情を導き出しても、それはアイへの感情であり、あかねはそれを思い出させることが出来たとしても、その時点で「あかね」として見られることはないのです。

あかね自身もアイを「演じている」のであり、それは嘘であり、虚構でしかありません。最後にキスシーンなどがあり、世間的に「アクあか」が成立することで番組が終わることはあっても、キャスト内で「アクあか」というカップリングが成立することはないでしょう。 「嘘」や「演技」が常套手段として正当化される「テレビ番組」という芸能界の歪んだ枠組みだからこそ成立する関係だと私は思うのです。

また、アクアがアカネに対する感情を決めたうえで番組の進行上、鎧を被り、カップルに見えるように演じている可能性というのも考えられなくはないかな、と思います。

このように私自身は「アクあか」反対派なのですが、それもこれも重曹ちゃんというこの世界で最も素晴らしい真ヒロインの信者なので、許してつかあさい。

今週の重曹ちゃん

アクアに恋愛関係の影が見えた瞬間、番組を見るのが嫌になる重曹ちゃん。そこから流れるように作家並みのボキャブラリーで恋愛番組の批判をする重曹ちゃん。アクアに誘われて頬を赤らめながら「いく」と返事をする重曹ちゃん。 

可愛すぎんか???

 

今回の重曹ちゃんは今まで以上に『かぐや様』のテイストが強かったですね。

次回は(も)頑張ってくれよ、重曹ちゃん。

 

次の感想記事は2021年になると思われます。

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