2020年12月22日のマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める！ (mangacross.jp)の更新で『僕の心のヤバイやつ』の最新60話が更新されましたので、感想記事を書いていきたいと思います。
ちなみに『僕の心のヤバイやつ』は昨年に引き続き、「このマンガがすごい！」のオトコ編でトップ10入りを果たしたそうです！凄い！嬉しい！
みなさん！お陰様で「僕の心のヤバイやつ」が #このマンガがすごい ！2021オトコ編において第9位をいただきました。なんと昨年の3位に引き続きトップ10入り…！これもひとえに皆様の温かい応援と編集さん、スタッフさんのご尽力のお陰です。これからも精一杯励んで参りますのでよろしくお願いします。 pic.twitter.com/3U0fEpJ4Vn
— 桜井のりお@僕ヤバ④2/8発売 ロ⑦発売中 (@lovely_pig328) December 10, 2020
そんな盛り上がりを見せる『僕の心のヤバイやつ』最新４巻が2021年２月４日に発売予定だそうです。こちらもチェックしましょう！
それではここからKarte.60『僕は楽しいのに』の感想記事になります。
前回の記事はこちらから。
山田は介護したい
腕を骨折した市川は何かと不便な学校生活を強制されます。体育の時間は勿論見学ですし、利き腕が使えないせいで給食など日常生活への影響も大きいと言えるでしょう。
山田は市川のお世話をしようと積極的にお手伝いをしようとします。しかし、給食ではまだ食べているのにお皿を片付けようとしたり、図書室ではページを代わりに捲ると言っておきながら眠ってしまったりと、山田のお手伝いは空回りします。遂にはトイレにもついて来ようとてしまいます。
僕は励ましたい
トイレから手を洗って出てきた市川の手が濡れているのを見た山田はハンカチを貸そうとしますが、ポケットの中にはお菓子のごみしか入っていません。通りかかった足立(ゲス野郎)が困った時は言えってと市川にハンカチを貸します(山田に良いところを見せるためだとしても、足立は良い奴ですね)。 山田は自分が市川の役に立てないことに落ち込んでしまいます。
落ち込んでいる山田に対して「そんなこと気にするな」「そばにいれるだけで楽しい」という想いを伝えたいものの軽薄な言葉を良しとしない市川はスマホに入っている姉の成人式の写真を見せて山田を励まそうとします。この言葉が出てくるだけで市川の成長を感じてしまいますね。
僕は楽しいのに
写真を見せて励ます中で冬休みの「雪景色を送る」という約束を忘れていたことに市川は気が付きます。山田と一緒に画像フォルダの中から雪景色を探していると、ブレブレの写真が発見されます。市川は「写真を撮ろうとして崖から落ちて骨折した」と冗談交じりに話しますが、それを聞いた山田はショックを受けてしまいます。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.60
市川は失言に気が付いて、慌てて「山田のせいではなく、自分の不注意のせい」と否定しますが、山田は心ここに非ずといった感じです。その後の世間話も雰囲気が良いとは言えず、山田は下校時に「ごめんね」と今までにない表情を見せるのです。
言葉の重み
市川は自分の口からでる言葉を大事にするタイプであることは今までの話からも分かっています。本編でも自分の好きを発言することに臆病になった経験など描かれていますよね。
だからこそ、山田に対して例え告白ではなくても、感謝の気持ちを伝えるだけでも勇気が必要であった市川。最新話でも「軽薄」というモノローグがありますが、「一緒に居られて楽しい」という気持ちを市川自身は伝えたいと感じる一方でそれを自身で「軽薄」と評してしまっています。
そこで「軽薄」という言葉をググってみましょう。
1.言葉や態度が軽々しくて、思慮の深さや誠実さが感じられないこと。また、そのさま。
2.人の機嫌をとること。また、その言葉。おせじ。ついしょう。
- (軽薄（けいはく）の意味 - goo国語辞書)
ここで議論すべきなのは「市川のその想いは本当に軽薄か？」というものです。
②の機嫌をとるだけの言葉ではないでしょう。また字面だけで見たら①のように軽々しく感じるかもしれませんが、上述したように市川は言葉や気持ちに重みがあるタイプと言えるでしょう。であれば、市川がその想いを伝える行為は本当に軽薄なのでしょうか？「軽薄な人物像」というイメージが先行してしまい、本心を伝えることが出来ていないのは見ててもどかしい感じがあります。
勿論その他にも単純にそのような”実質彼氏”のような発言をすることへの恥ずかしさや、告白への恐怖など色々な面から考える必要はありますが、一つ今回の「軽率」という言葉を主軸に考えた時、「市川、想いを伝えろ！ それだけで山田は笑顔になる！」と叫びたいですね。
事実上のカップル認知はあるか？
前回の記事でも触れましたが、新学期に入ってからの山田のアプローチが凄いですよね。今まで以上に市川に対して堂々と関わっている印象があります。足立(ゲス野郎)は前回、今回と市川を助けることで山田に良いところを見せる、好感度を上げようとするような描写があることから、山田と市川が付き合っているという風潮があるとは言えないでしょう。しかし、一部の女子の間などでそのような共通認識が出来ていてもおかしくないと思いますし、それが今後の二人の関係に十分影響することも考えられます。
市川も山田も同じ気持ち
ここまでを踏まえると今回の話では市川と山田が同じ気持ちであることが描かれていると言えます。
前半では山田が市川のお世話をしようと必死になり、空回りしてしまう描写。後半では市川が山田を励まそうと必死になり、山田が傷ついてしまう描写。
市川自身のモノローグで物語が進むので、後半部分に関しては市川の「一緒に居られるだけで楽しい」「山田のことを考えると周りが見えなくなる」といった気持ちが明確に描かれています。
構図が同じであるということは、山田自身も市川と一緒に居たくて、それが楽しくてクラスの周りの目を顧みずに市川のお世話をしようとしていると考えることもできるかもしれません。もし、そうであるならば、最新話は二人の山田が傷ついてしまうという流れに見えて、両思いであること、想いが近すぎてすれ違いが起こっているという風に考えることができます。それはそれでエモい。
ちなみに次回は2021年1月5日に更新予定のようです。遠い！待ち遠しい！
