葉のブログ

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【感想】元バスケ部の俺が見た『THE FIRST SLAM DUNK』感想【映画】

 2022年12月3日に公開されたスラムダンクの映画。『THE FIRST SLAM DUNK』。

 この記事を書いている時点で既に年を改めて2023年。一応、公開一週間後くらいに上映を観に行ったのですが、感想を書くのが遅くなってしまった。(単なる私の怠惰)

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映画『THE FIRST SLAM DUNK』 (slamdunk-movie.jp) より

 私自身は、熱烈なスラムダンクファンという訳ではない。しかし、中高とバスケ部だったこと、漫画が好きなことの2つの理由で『SLAM DUNK』も例外なく読んでいる。そのため映画も楽しみにしていた。

 さて、そんな「バスケ経験者でありながら、『SLAM  DUNK 』はにわか」な私は本映画を観てどのような感想を抱いたのか。

 以下で語らせていただきたい。

 

前評判と実際観た感想

 映画はネタバレを踏まないタイプではある。

 しかし、どんなに気を付けようとトレーラーを観たり、SNSを眺めたりしていると耳に入ってくるのは避けられない。

 前評判として見かけた意見は、大きく2つあった。

  1. 3D映像がコレじゃない感がある
  2. 原作からの改変が入っている部分がある

 以上2点に関して、不安を覚えながら劇場に足を運んだ。其の上で、上記2点に関しての感想を一言で表すならば「問題なかった」となる。

 つまるところ、以下の感想記事はこれら前評判の2つの意見に反対していくような論調となる。特に2つ目に関して文句を言う人は、本当に『THE FIRST SLAM DUNK』を観たのか?と思ってしまう。そこで以下で1つずつ感想というか思う部分を述べさせてほしい。

3D映像はリアル感とスピード感

  1. 3D映像がコレじゃない感がある に対する感想である。

 こちらはトレーラーなど公開情報から分かっていたことである。

 Youtubeで公開された映像からも本作が3D技術を用いていることがわかる。

 映画『THE FIRST SLAM DUNK』予告【2022.12.3 公開】 - YouTube

 この映像や動きを受け入れる受け入れないには年齢も関係あるのかもしれない。普段からこのような映像作品に触れない比較的年齢層が高い人は、楽しみに足を運んだ映像が思い出と少し違う画風であることに衝撃を受けるのかもしれない。

 一方、私のような普段から3D技術の入った映像に触れている年代はそこまで違和感を覚えないのかもしれない。むしろ、画風をよく寄せていると思うし、動きも元バスケ経験者が見ても「リアル感」があり大変満足である。

 そう。動きがリアルなのだ。3D技術の導入によって、アニメではなくスポーツの試合を観戦しているように錯覚するほどにである。試合を俯瞰して眺められる。周囲の選手も、ボールを持っている選手も、本当の試合の如く動くのだ。

 そして、リアルかつスピード感のある映像と音楽がマッチするのだ。EDの10FEETの『第ゼロ感』なども最高である。


www.youtube.com

 この感触も人それぞれ感じる部分があると思うが、私はアニメ技術の進化を感じた。もちろん上述してきたようにプラスの方向性で、だ。

原作改変などは映画に込められたメッセージ

  1. 原作からの改変が入っている部分がある に対する感想である。

 これに関しても漫画やアニメのスラムダンクの画が強く脳裏にこびり付いている人から見れば残念だったのかもしれない。しかし、私のようなにわかファンにとっては大変満足のいくものだった。

 そもそもであるが、本作は原作の焼き直しを目的としていない。主人公として描かれるのは宮城リョータ。そしてその視点から描かれるストーリーは、環境として恵まれてはない少年がバスケットボールを諦めないということである

 その対比として描かれているのは、山王工業の沢北である。沢北は環境的に恵まれて、努力もし天才の名を自分のままにする選手。

 本作はラストで渡米した宮城と沢北がマッチアップするシーンで終わる。これに不満を抱いている感想を見かけた。だが、私はこのシーンを解釈できないのは、映画をしっかり観ていないのと同義だと思ってしまうのだ。

 上述したように、本作のメッセージは「環境として恵まれていなくてもバスケットボールを諦めないでほしい」に尽きると思う。これは、作者の井上先生がスラムダンク奨学金というものを実施していることからも分かると思う。

Slam Dunk Scholarship|スラムダンク奨学金 (shueisha.co.jp)

 このスラムダンク奨学金は、映画中の宮城のように環境に恵まれないながらもアメリカのように一つ上のステージでバスケットボールをすることを諦めない選手を応援する奨学金である。

 世の中には環境的に恵まれ、小さいころからバスケットボールに打ち込む沢北のような選手も居る。一方で、宮城のようにお世辞にも恵まれているとは言えないものの、努力もして、バスケへの熱意を持っている人だって居る。

 その後者のような人にバスケットボールを諦めないでほしい。改めて言う。『THE FIRST SLAM DUNK』は、原作の焼き直しではない。日本にいるバスケを愛する少年たちへの強いメッセージが込められた作品なのだ。

 だから、そのメッセージを無視して、ラストシーンなどに対して彼是文句をつけるのは、脳裏に焼き付いている思い出に縋り、映画そのものを観ていないも同じではないか。にわかファン一個人の考察というか感想である。