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【感想と考察】『【推しの子】』61話「受け」【漫画】

 2021年11月4日発売の「ヤングジャンプNo.49」で『【推しの子】』の最新61話「受け」が掲載され、更新されています。

 前回60話のあらすじなどは以下のリンクから確認をお願いします。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 

 因みにですが、以前『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 11月はお知らせがいっぱいあるらしいので、それに合わせて本編がどのように盛り上がるのか、目が離せません。

 

 

61話「受け」感想と考察

あかねの演技と”策”

 かつての重曹ちゃんに憧れた。

 だからこそ、「今」の重曹ちゃんを否定する。

 子役時代の重曹ちゃんのように、はたまた今は亡きアイのように、その場を沸かせ魅了するような演技をあかねは披露する。

 自分が主役だ、と言わんばかりの圧倒的な演技である。


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『【推しの子】』61話 より

 

 (ちなみにこのあかねの演技の描写、マジで気合入っとる。流石メンゴ先生)

 

 だからこそ、この圧倒的な演技に立ち向かうためには重曹ちゃんも圧倒的な、舞台の中心にいる様な演技を披露しなくてはいけない。

 これがあかねの”策”である。

 

重曹ちゃんの判断

 あかねの演技に思わず”演者”としての血が騒ぐ重曹ちゃん。

 しかし、重曹ちゃんの選択は壇上で今まさに輝きを放つあかねの陰に徹することであった。

 個人としての意志ではなく、ステージ全体を俯瞰し、望まれているものを考え、それを際立たせる。以前から話題になっている「受け」の演技だ。


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『【推しの子】』61話 より

 

 理性で『自分』を抑え込み、客観的に最も求められているものを最優先に引き立たせる演技。

 まるで愛久愛海の演技ではないか!

 少し興奮して、アクアのことを本名で呼んでしまったが、それほどに演技の最中に求められる『正解』を探す思考やその演技はアクアに似通っているのだ。

 

アクアの”策”

 あかねは重曹ちゃんにもっと張り合ってほしい。

 そしてアクアも知っているのだ。重曹ちゃんは「私を見ろ」ってしてるときが一番輝くと。(久しぶりのアクかな要素に歓喜)

 正直このコマで今週は満足した。


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『【推しの子】』61話 より

 

 あかねの演技では重曹ちゃんを前のめりの演技に出せなかった。

 だから、あかねとアクアのタッグで重曹ちゃんを無理にでも出させるのだ。

 

 では、アクアはどのような”策”で重曹ちゃんを輝かせるのか。

 それは以下で順を追って考察していこう。

 

重曹ちゃんが前に出るとき

 今回は展開という展開は無いといった印象で、というか最近毎回感想記事でこんなことを言っている気がします。

 しかし、メンゴ先生の「11月におしらせが沢山ある」という情報や、最新6巻が11月19日に発売されるという情報を踏まえると、2週間後にこの章の山場を持っていきたくて。それでこの章が間延びしているのかなぁーと思ってみたり。

 まぁなんにせよアクアもようやく演技を見せてくれそうなので、来週に期待したいところだ。

 私はこの2.5次元舞台が開幕してから今か今かとアクアの演技を正座で待機している訳だが、55話「開幕」が9月9日更新であったことを考えると既に2か月正座していることになるのだ。

 足が痺れてきて限界を迎えるところであった。

 危ねぇ。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 

重曹ちゃんは全力の演技をするか

 では、引き立て役に徹しようとする重曹ちゃんは、この壇上で本気の演技を披露するだろうか。

 その答えは、Yes だ。

 『今日あま』で「主人公に恋に落ちた乙女の顔」をした時、


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『【推しの子】』17話 より

 

 『B小町』のFesでルビーやMEMに負けずセンターを張った時、


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『【推しの子】』38話 より

 

 重曹ちゃんが何かしらの中心に居る時、その決断をした時、いつもアクアを想うのだ。

 それは恋心(17話)であり、負けたくないというライバル心(38話)でもあるのだ。

 

 結局のところ、あかねは重曹ちゃんの中ではをワクワクさせ、白黒つけさせようと思わせることはできてもそれを行動に移させるほどの存在では無かったのだ。

 だが、あかねならダメでもアクアなら張り合うだろう。

 なぜなら、アクアは重曹ちゃんにとって紛れもなくライバルなのだ。

 

アクアの自己否定と”策”の答え

 さて、重曹ちゃんに全力の演技をさせることにアクアも加担するようだ。

 アクア自身も「私を見ろって顔してる時が一番輝いているのに」と言っている。

 

 しかし、これはある種重曹ちゃんの今の演技を否定するものだ。 

 芸能界で生き残るために自身の技量を敢えて下げ、周りを引き立てる舞台装置と化す。その演技をダメだと言う。

 

 別に否定することが悪いとかではない。 

 私がここで言いたいのは「重曹ちゃんの演技は誰かと似ていないか?」ということだ。

 

 本作をある程度読んでいる人なら分かると思うが、重曹ちゃんの演技はアクアの演技に似ているのだ。

 アクアは自身の能力に限界を感じ、監督や台本の意図を読み取り、自身を舞台装置として使う演技を披露していた。

 

 ならば、アクアの演技では重曹ちゃんを否定できないのだ。

 自分と同じように陰に徹する演技をするアクアを見て重曹ちゃんが輝こうと思うはずがない。

 その姿は重曹ちゃんが持つ恋心にもライバル心にも響かないのだ。

 

 ならば、アクアは自身が最も輝く演技をしなくてはいけない。

 自身ではなく、逆に輝きを放ったあかねを相手に、あかねを舞台装置として、あかねよりも自身が輝く演技をしてみせなくてはいけないのだ。

 つまるところ、重曹ちゃんが選択しなかった「壇上であかねと張り合う」姿をアクア自身が魅せることで、重曹ちゃんにも「張り合って来い」というメッセージをおくるのではないか。

 

 というのを私はわりと前、何なら2か月前くらいから考察しながら読んできたのだが、なかなか「アクア自身が輝く演技」が来なくて足が痺れてきたところであった。

 だからこそ、来週アクアがどのような演技をするのか、目が離せない。

 

今週の重曹ちゃん

 そわそわニヤニヤ重曹ちゃん。

 なんだかんだ、重曹ちゃんもあかねのことが嫌いではないのだ。

 そういう意味でこの章の主人公は重曹ちゃんで、ヒロインがあかねなのかもしれない。


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『【推しの子】』61話 より