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【感想と考察】『【推しの子】』62話「アドリブ」【漫画】

 2021年11月11日発売の「ヤングジャンプNo.50」で『【推しの子】』の最新62話「アドリブ」が掲載され、更新されています。

 今週はヤンジャンの表紙に堂々と『【推しの子】』が!!

 

 前回61話のあらすじなどは以下のリンクから確認をお願いします。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 最新6巻が11月19日に発売予定ですので要チェックです。

 因みにですが、以前『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 

62話「アドリブ」感想と考察

姫川の演技

 天才役者姫川大輝。

 コンタクトレンズを入れるのを怖がるような一面もありながらも、演技に対しては確固とした信念を持っている。

 そんな彼が魅せるのは一挙手一投足、自分が演じる全ての時間に、全ての動きにあらゆる情報を詰め込んだ感情演技であった。

 そんな天才役者も重曹ちゃんのことを認め、そして「アドリブを入れる」と言うのだ。


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『【推しの子】』62話 より

 

アクアの演技

 姫川の圧倒的な演技に対してアクアは敢えて無感情な演技をする。

 熱いものに熱いものを重ねるのではなく、熱いものに対して自身が冷たくなることで周りと自身を共に引き立てる今までのアクアの定石である。


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『【推しの子】』62話 より

 

 良し悪しの比較というものは判断基準が同じ軸にあるからこそ行われる。

 全く方向性の違う演技をすることでその判断基準をブレさせるのだ。

 

アドリブとアクアのメッセージ

 台本と異なる「アドリブ」。それは姫川から重曹ちゃんへの丸投げであった。

 アドリブのせいで密着するアクアと重曹ちゃん。

 なんとかカバーしようとする重曹ちゃんより先にアクアがアドリブを入れ始める。

 (この男どさくさに紛れて、顔ムニュ、二の腕ムニムニで合計三揉みしている)

 

 アドリブでも、そしてボディタッチでも重曹ちゃんを翻弄したアクアはそのまま台本に合流。「受け」の演技の上手さを披露した。

 それはセリフ回しだけでなく、立ち位置やその他全てが重曹ちゃんを引き立てるための演技。

「演りたい演技やれよ有馬かな」

 姫川が役者は動きだけで語れると言ったように、とあるジャンプ漫画で一流の忍者は拳を交えただけで考えが分かると言ったように。

 「役者」が集まった壇上ではその演技だけで全てを伝えるのだ。

 だから、重曹ちゃんもそれに応えるのである。

 次回は重曹ちゃんのターンだね!


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『【推しの子】』62話 より

 

アクアは感情演技をしないのか?

 さて、私は前回アクア自身が感情演技をすることで重曹ちゃんの演技を否定し、重曹ちゃんに全力で演技をさせるという考察をした。

 正直に言って、大外れである。

 今週の話では、私の予想とは真逆の「アクアが重曹ちゃんポジになることで重曹ちゃんに全力でやれよと語りかける」展開だった。

 

 だが、ここで注目したいのは今回の展開の流れである。

 姫川のアドリブに乗っかってアクアが完璧な「受け」の演技を披露し、それに重曹ちゃんが応えるという展開だ。

 ここで忘れてはいけないのは、今回の展開を作ったのは姫川なのだ。

 

 先週の話ではあかねとアクアが二人で重曹ちゃんの全力を引き摺りだそうという展開だった。

 つまり、今週の流れはアクアが作ったものではなく、たまたま偶然良いアドリブがあったから合わせたに過ぎないのだ。

 では、残る疑問がある。

 アクアは元々どんな策を用意していたのか。

 

 アクアはこの舞台編を通じて「感情演技」に取り組んだ。

 使えるものは全部使う。

 そう言っていたアクアが「感情演技」を披露しないまま終わることがあろうか。

 

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『【推しの子】』 55話 より

 

 いや、無いだろう。

 今回見せた姫川とは真逆の無感情演技も、重曹ちゃんも驚くアドリブに対する対応力もどれも今までのアクアの演技である。

 それでは、これまでの2.5舞台の尺の長さ全て無駄ではないだろうか。

 

 つまるところ、今回の展開は重曹ちゃんも驚く対応力ではあったものの、アクアが想定していたシナリオではないのでないだろうか。

 そしてこれから、重曹ちゃんの全力の演技、さらには役者として「格」が違うと称する姫川の演技にアクアは対抗していかなくてはいけない。その時にこそアクアが用意していた「策」が披露されるのではないだろうか。

 当たり前だが、アクアも演技で「負けたい」訳ではないのだ。

 全力を出した二人に対抗できるあかねとアクアの演技、そしてアクアの策。

 それらに期待したい。

 

今週の重曹ちゃん

 台本から外れたアドリブの中でボディタッチをされ、ガチで照れ重曹ちゃん。

 乙女の魅惑ボデーという言葉もなかなかにパンチが効いている。


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『【推しの子】』62話 より

 

 それにしてもアクア。

 マジでイケメンなのを良いことに顔に二の腕にと合計3揉み。

 許せねえよな!!!(アクかな最高!)