葉のブログ

忙しい合間にも漫画とか映画とか

MENU

【感想と考察】『【推しの子】』53話「軟派」【漫画】

 2021年8月26日発売の「ヤングジャンプNo.39」で『【推しの子】』の最新53話「軟派」が掲載され、更新されています。半月ぶりの更新ですので前回のあらすじなどは以下のリンクから確認をお願いします。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 2021年8月15日に『【推しの子】』最新5巻が発売されていますので要チェックです。

 因みにですが、以前『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提に各週の感想記事も作成しています。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 

53話「軟派」感想と考察

アクアの練習

 さてさて、 どんぶらこどんぶらこと川に流されるが如くあれよあれよとあかねの言に流され、アクアは感情演技に本気で取り組むことになります。重曹ちゃん推しの私から見れば、「なによ! 勝手に彼女面しちゃって!」と心の中の誰かが叫ぶような展開ではあるが、そこから物語がどのように展開していくのか追っていこうと思います。

 

 恐らくアクアが倒れたであろう日から数日が経過した場面からのスタートとなった今話。アクアがどのようなことをするのだろうかと思い蓋を開ければ、冒頭の一コマ以外アクアは登場しないという驚きの展開でした。

 

 出てきた情報としては、①アクアが大根役者のメルトくんの「ひどい」演技を見ていたこと、②最近は舞台練習が終わってもあかねと共にどこかへ行き、家に帰るのは日付が変わる頃であること、の二つくらいでしょう。

 

「大根役者」メルト


f:id:isoisogingin:20210826005449j:image

『【推しの子】』53話 より

 

 「ソンナコトサセネーヨ」でお馴染みのメルトくん。『【推しの子】』読者としてはいい加減重曹ちゃんと同じくらい長い付き合いになってきたと言っても過言ではない(過言)キャラクターでしょう。今話はこのメルトくんが話の主軸になっていきます。 

 

 アクアの現場にやってきたルビーと付き添いのであるみなみちゃんは、先に帰った(秘密の特訓をしていると思われる)アクアと入れ違いになってしまう。そこで鴨志田という役者がみなみちゃんをナンパしようとするわけであるが、メルトくんが機転を利かせて、ライン交換を止めさせます。個人的にはこんなちょっとしたコマからでも、今後メルトくんとみなみちゃんでなんやかんやあると思ってしまうんですよねぇ。圧倒的cp厨の考え方ですけど。二人とも二巻から登場するこの作品の中でも初期から居るキャラクターなので、これをキッカケに絡みが増えるのではないかと思います。

 

 cp厨の脳みそのせいで脱線しましたが、本題はここから。ナンパを邪魔された鴨志田はメルトのことを下に見るような言葉を投げかけます。

 さて、ここで皆さんに問いたい。

 鴨志田くんの噛ませ感ヤバくね?


f:id:isoisogingin:20210826005454j:image

『【推しの子】』53話 より 

 

 メルトのことを馬鹿にする言い方をする割に姫川のことをやたらと持ち上げる言い方をする。仕事仲間の関係者に手を出そうとして、それに対して「仕事に支障が出ない」という根拠のない自信。私が一番嫌いなタイプのイキり方してますね、こいつ。

 メルトが下手だからと言って、自分が上手くなるわけでもない。むしろ、アクアがマシになっていると評するほどにメルトは自分が下手であることを自覚し、練習を重ねているのでしょう。鴨志田くんの「メルト像」がどこで止まっているのか分かりませんが、プロ意識に欠ける人間は、いずれの世界でも長続きはしないのではないか、と。その内、鴨志田くんがメルトくんに言った言葉がそのまま返ってくるような展開が来たら痛快ですね。

 

ルビーの心境

 色恋だなんだと疑われるアクアであるがその実は大の大人が子供に生まれ変わった「転生」ものの主人公なのである。そしてその秘密を共有しているのは今のところ同時に同じ「転生」を経験して生まれたルビーだけである。

 

 だからこそ、同様に本来の高校生より長い「生」を歩む仲間として、お互いをリスペクト側面すらあるのでしょう。そんな子どもでありながら大人である兄が、付き合っている(ルビーは本気で付き合っていると思っている)相手に対して、「大人」のラインを越えるような接し方はしないであろうという想いや、しないでほしいという複雑な感情があるのでしょう。


f:id:isoisogingin:20210826005459j:image

『【推しの子】』53話 より

 

アクアはどう感情演技をするか

 アクアがそもそも感情演技をできるようになるか、どのような演技をするか、これらについては有用な情報というのはほとんどなかったように感じます。しかし、赤坂先生はしっかりと物語の要素要素を組んで結び付けて展開していく方だと思っています。

 今まででも、映像作品での偏向的な見方を逆に利用したSNSでのオフ動画や、アビ子先生への舞台観劇の前にあかねとの舞台デート(仮)など、物語の前後で上手くキャラや舞台装置を使っているな(誰目線の言葉だよ、って感じで大変恐縮です)と思います。

 

 先ほど書いたように今話でメルトくんと鴨志田くんの確執が描かれたということは、これは単純なアクアの特訓へつながる箸休め回ではなく、これが今後の展開に必要だったから描かれたと考えるべきでしょう。

 今話でアクアがメルトくんの演技を見ていたことからも、アクアの最終的な「演技」に何かしらメルトくんが関わってくる可能性はありそうですね。その演技によって、アクアあかねは重曹ちゃん姫川に対抗し、メルトくんは鴨志田くんを見返す。そんな展開がありそうな気がします。

 

今週の重曹ちゃん

  ツンツンデレデレの本作ヒロインであり、あらゆるボケに鋭いツッコミを放つツッコミであり、芸能界の様々な情報を読者に届けてくれる重曹ちゃんであるが、今回は主に芸能界の情報を届ける役割であったようだ。

「女の連絡先をガツガツ聞いてくる2.5役者は大体エグい!」

 今回の重曹ちゃんの格言である。皆、胸に刻んどこうな。

 それにしても重曹ちゃん自身は絶対初心なのに、芸能界の闇とかあれこれに詳しすぎるぜ。 

 


f:id:isoisogingin:20210826005507j:image

『【推しの子】』53話 より