2021年8月24日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で『僕の心のヤバイやつ』最新78話「僕は知りたい」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。
前回の感想記事はこちらから。
Karte.78「僕は知りたい」感想と考察
待ちに待ったデート回
さて、世間では前回のたこ焼き回でのお姉ぇと新人バイトくんの可能性に賑やかになっていると思いますが、そんなこんなでたこ焼き休憩を挟んでいよいよ今回が映画回という訳です!
特盛のポップコーンを食べる山田は解釈一致でしたし、キスシーンで恥ずかしがる市川も解釈一致でした。しかし、ただ解釈一致というだけで終わらない映画回でした。そもそも映画館と言うのは、映画が終わるまでのおよそ1時間半くらいは喋ったりできない訳で、特にデートとかで行くと目に映る物語を観るだけでなく、隣りを座る好きな人に対してあれやこれやと考えてしまうと思うんですよね。例に漏れず市川も山田もそんな感じだったので、それぞれ考察していきたいと思います。
市川の視点
市川は以前山田が出演していた映画のことを思い出します。主演級のアイドルたちがカタコトの「演技」をするのに対して、一瞬名前もないような役で出演するだけでも、しっかりと「演技」をこなす山田の姿に思うところがあったようです。
以前から山田と自分の違いを考えてしまう市川の姿が描かれてきました。それはクラスにおけるカーストの違い、その次に仕事をする「大人」な山田と一人の学生でしかない「子ども」の市川の違いなどです。そして、それらの違いが山田に対して偏見を持たせるのです。
「山田は陽キャだから」という理由で見てきたものが実際に図書室で山田と話すことで見方が変わって来ました。演者について詳しく語ったり、悲恋の映画で泣いたりというのは市川からしたらあり得ないことでしょう。でも人間それぞれ違う生き物であり全く同じなんてありえない。十人十色なんて言葉がありますが、皆違うからこそ、その「違い」を知ることが難しくもあり、楽しくもあると思います。だから市川は「もっと知りたい」と言葉にする訳です。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.78 より
山田の視点
市川の視点からでは「演技について真剣な女優」と映る山田です。しかし、実際は恋愛を楽しむ一人の少女であることが分かります。例えば、席を交換するシーン。これは単純に隣を見たときに市川の顔が見えるようにしたかったのでしょう。次にキスシーンを見ている部分ですが、これも最後のコマから「市川とのキス」などを妄想?していることが分かりますね。
勿論演技について全く思わないところが無い訳ではないと思いますが、一か十かではなく、市川と同じ年齢の一人の少女だという事を忘れてはいけませんね。キスシーンで学んだことを実際に使うシーンがやってくるのを一読者として楽しみに待ちたいと思います。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.78 より