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【感想と考察】『尾守つみきと奇日常。』48話「気筒くんと似顔絵。」【漫画】

 2024年12月25日にサンデーうぇぶりで『尾守つみきと奇日常。』最新48話「気筒くんと似顔絵。」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

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48話「気筒くんと似顔絵。」感想と考察

気筒くんは透明人間

 最新48話はサブキャラ回。しかし、主人公からサブキャラ含め登場人物全員が愛おしいのが、この漫画の凄いところである。だからサブキャラ回も面白くて当然だ。人間も幻人も、様々な個性がありつつも”悪役”は存在しない。

 そんな世界で、今回スポットが当たるのは気筒くんと蛇園さんである。一応紹介しておくと、気筒くんは透明人間の幻人、蛇園さんはメデューサの幻人だ。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』48話

 そんな二人に焦点が当たるのは、美術の授業「似顔絵」の課題である。気筒くん曰く「透明人間と組めば、似顔絵の課題を楽できる」。白紙のままで提出できることを、自身の売りにする。

 透明は彼のアイデンティティ。

 それをポジティブに活用するとそんなに抜け穴が見つかるようだ。しかし、似顔絵を描くペアは抽選で決まることになり、その権利は運に委ねられることとなった。

つみきさんの頬ペタ

 気筒くんと蛇園さんがペアになったように、友孝くんとつみきさんもペアになった。ただし、つみきさんは似顔絵を描く際に、煮詰まってしまう。そこで気筒くんにコツを聞いたところ「イメージ」が大切だと学ぶ。

 そこで、つみきさんの思考は飛躍する。友孝くんのイメージを掴むために、友孝くんの顔を両手でもみもみと掴む。これは幻人と言うより、つみきさんの性格から為せる行動である。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』48話

 友孝くんも前回のお話で丁度つみきさんのことを意識し始めたところである。当然、この行動には頬を赤らめる。普通の人間からでさえ距離が近くて恥ずかしい。それが、少し意識している相手であれば、尚更だ。

蛇園さんは描きたい

 気筒くんは透明人間。いくら眺めたところで顔は見えない。それを気筒くんはポジティブに発言していた。しかし、蛇園さんとしてはどうしても気筒くんの似顔絵を描きたい。それは過去に気筒くんのお陰で自身の表情を見ることができたからである。

 蛇園さんはメデューサ。そのため自身の瞳を見た者を石化させてしまう。そしてその対象は自分自身も例外ではない。そのため、蛇園さんは眼鏡を外した自分の姿を見たことが無い。

 そこで気筒くんが一肌脱いだ。透明人間の気筒くん越しに鏡を見ることで、蛇園さんは初めて自分の本当の表情を見ることが出来たのだ。

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Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』27話

 この体験は、本当の意味で蛇園さんの人生を変えた。蛇園さんは自身の表情が見れるとは思っていなかったのだ。そして、その価値観は透明人間である気筒くんにも同様のことが言える。だからこそ、恩返しとして、蛇園さん個人の想いとして、気筒くんに自信の顔を知ってほしい。

 そこで蛇園さんは、蛇の特性であるピット器官を活用する。例えその姿が見えなくても、熱を感知することで気筒くんの輪郭を捉えようとするのだ。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』48話

 そして、その試みは上手くいく。また、蛇園さんの心遣いに気筒くんも顔を赤くする。結果としては、蛇園さんの画力が追い付かずに顔を見ることは叶わない。それでも気筒くんにとっては初めての顔つきの似顔絵となった。

 ここで1つてぇてぇポイントを紹介したい。結果として似顔絵をそっくりに描くことは叶わなかった。そのため、気筒くんの顔の輪郭を知っているのは蛇園さんだけである。その事実がすごく尊く愛おしいと感じてしまった。

主のイチオシシーン

 友孝くんの顔を存分に触った後、つみきさんは自身の顔も触って良いと伝える。しかし、流石に友孝くんにその行動はハードルが高い。そこで友孝くんは断るのだが、その断り文句が「覚えているから大丈夫」。

 一体、いつ覚えたんだよ!
 これが、会話を聞いている周囲の人の感情であろう。明らかにつみきさんと友孝くんが他の人以上の関係性であるように聞こえてしまう。その事実がまた尊い。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』48話