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【感想と考察】『【推しの子】』44話「見学」【漫画】

 2021年5月19日発売の「ヤングジャンプNo.25」で『【推しの子】』の最新44話「見学」が掲載され、更新されています。最新4巻も発売され、波に乗っている『【推しの子】』。しかも最新話は巻頭カラーです!

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

 

 2021年5月19日に最新4巻も要チェックです!

 

 

44話「見学」感想と考察

天然と計算

  某漫画家を目指す漫画で「ヒットする作家は天才タイプと計算タイプがあって、売れるのは圧倒的に前者」という旨の話があった。そして天才とは変人と紙一重であり、人とは違うことを、当たり前のように実行してしまうからこその天然なのであろう。『東京ブレイド』の原作者アビ子先生は特にその天然の「癖」が強いようで、歯ブラシを二本同時に使っていることからもその様子は窺える。


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『【推しの子】』44話 より

 

コンテンツの「媒体」 

 漫画然り、小説然り、ゲーム然り、私たちが何かしらのコンテンツを楽しむ際には何かしらの「媒体」を通して触れることになる。この「媒体」とは小説なら文字だし、漫画なら画と文字、ゲームなら音楽なども加わり、操作性もあるなどモノによって様々だ。そして、その「媒体」には枠があり、その違いの大きさを知ることも日常生活の中であるだろう。

 アニメで漫画や小説と全く同じ演出が出来るかと言われたら、そもそも音楽や声優などの要素は加わるであろうし、漫画のようなコマの大きさを変えるといった表現は出来なくなるだろう。このようにそれぞれの「媒体」で枠組みが違うからこそ、その道のプロが居て、演劇と枠組みには脚本家というプロが居る訳である。

 『東京ブレイド』に関しても鞘姫の葛藤を省略して好戦的にすることで物語の構造をより明確にし、舞台という限られた時間とキャストでも物語として成立するようにしているようだ。あれもこれもと手を出すとどっちつかずになるからこそ、観客にもスポットの当たる場所を明確に提示して、面白い作品を作る。だから、黒川あかねに求められるのは「鞘姫」になりきること以上に舞台を成功させるためにその物語の構造を分かりやすく明示することであるようだ。 


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『【推しの子】』44話 より

 

この流れは……

 漫画家とはどちらかと言えば自身の思考を映す仕事であり、人とのコミュニケーションは必要ない。そしてアビ子先生はあくまで「漫画家」の枠の中で景色を見ているのであり、だからこそ、自身の生み出したものが変化することを許せないのであろう。多くの人が関わり、枠組みも変わっている「舞台」の『東京ブレイド』の脚本について「全部直してほしい」と神の声を投げかけるのである。

 見たこと、ある!!

といった感じである。漫画を読む人にはアニメなど別媒体に触れる人も居るだろう。原「作者監修」という言葉をどこまで信用して良いか。某ジャンプの映画化もされたものの原作者が関わったあげく投げ出したと噂の漫画も記憶に新しいが、往々にしてそのようなことはあり得るのである。

 そして、それは私たちにも言えるだろう。漫画やアニメを実写映画化すると何かと批判が飛び交うが、そもそも実写映画と原作を「同じ枠組み」と認識してはいけない。別の作品として、原作者以外の別の意図が入り込んでいるとして捉え、その上で観る観ないを判別するのは自分自身である。同じ作品だからと義務感で他の媒体に触れるべきではない。最新44話は自身の作品が他の様々な媒体になっている赤坂アカ先生からの啓蒙とも言えるのではないだろうか。

 

今週の重曹ちゃん

  最新話では影が薄かったが、『今日あま』で吉祥寺先生と仲良くなっている重曹ちゃんが見れたので良いでしょう。自己肯定感が低く、自分を見ている人など居ないと前章でも語っていたが、よく見れば身近にも沢山いるのであろう。


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『【推しの子】』44話 より