2021年3月23日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で『僕の心のヤバイやつ』最新67話「僕は直視できない」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。
前回の感想記事はこちらから!
Twitterでも「近づいたり、怖くなったり。」と最近の『僕ヤバ』を正に表している言葉がありましたね。二人の距離感がどのように変わっていくのか今週も見ていきましょう。
明日【3月23日(火)】はKarte.67の更新日✨
— 『僕の心のヤバイやつ』公式 (@boku__yaba) 2021年3月22日
近づいたり、怖くなったり。距離感に葛藤しながら、密かに思い出を重ねる山田と市川。そんなある日、1冊の雑誌がクラスに持ち込まれ――?
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Karte.67「僕は直視できない」感想と考察
現実を直視できない
月とスッポン
日本で古来から使われる?ことわざに「月とスッポン」がある。意味としては「2つのものの差が大きいこと」を表す有名な言葉だ。
山田が可愛いことは勿論、モデルをしており、テレビにも出演している。その一方で市川はこれと言って人に自慢して回れたり、人から羨ましがられたりするような性質はない。これまでこの漫画で散々描かれてきたことであるが、67話ではそれがより明確に浮き掘られた形となった。
アイドル雑誌に取り上げられたことにより、事務所としては「アイドル」として今後売り込まれていく可能性が見えた山田。そして「アイドル」に付きまとうのは「恋愛禁止」という4文字である。ただでさえ告白する勇気が出ないのに、周囲の目がより厳しくなったら、秘めた想いはどこへ向ければいいのか。
男子特有のゲスさ
男子中学生とは思春期であり、市川自身も声変わりなどの変化が描写されている。そのような意味で「思春期」ならではの学校生活や自身の変化というものはこの漫画におけるテーマの一つであろう。男子が集まってゲスな話をし、女子が来たらスッとやめる。ゲスはゲスであるが、思わずフフッと笑ってしまった。
市川が山田について「お前らより知ってるぞ」アピールをしては、「好きではない」と訂正するような言い回し。以前ビッチギャル(関根さん)が「市川が山田を好きなことはバレバレ」という発言をしていたことを考えると、男子たちが気づいていてもおかしくはない。しかし、男子どもは何かしら鈍感な節があるので、まだ気づいていない可能性もある。
「僕の心のヤバイやつ」Karte.67 より
山田を直視できない
市川としては、山田に対して仕事のことを尋ねていいのかという問題がある。まだ関係がはっきりとライン引きされていない二人において、どこまでの話題がプライベートで、どこまでの話題が共有されるものなのか。聞いた上で「お前誰目線だよ」なんて思われた日には爆発したくなるので、その気持ちは良く分かる。
しかし、山田から「アイドル雑誌に載っている」という話を振られたことによって、そのラインの内側に仕事の話題があったことが分かるのである。そして珍しく正面から山田のことを褒める市川。男前である。
「僕の心のヤバイやつ」Karte.67 より
ひょんなことから、市川が山田が載っているファッション誌を読んでいることがバレてしまった。しかし、そこに主題はないと思う。市川がなぜファッション誌を読んだのか。その理由が重要であろう。
その答えは、つまるところ、市川の独占欲なのである。市川は山田のことが好きなのだ。そして、好きな相手のことは知っておきたいのだ。手の届く範囲に居てほしいのだ。しかし、山田はモデルでファッション誌やアイドル雑誌に映っていて、本人は「仕事が好き」だと言う。その山田の想いや笑顔を否定してはいけないのである。市川としては山田のことを応援したい気持ちがある一方で、正に「月とスッポン」のように手が届かない存在になってしまうことに怯えているのだ。だから市川は山田の顔を直視できなかった。
この気持ちがもしかしたら、二人の関係を急接近させる起爆剤になるのではないかという想いもあるが、67話は「もどかしい」の一言に尽きた。
「僕の心のヤバイやつ」Karte.67 より
今週の山田と市川
当たり前のように二人で下校する描写があるのが、毎週のことではあるが尊すぎて。
「僕の心のヤバイやつ」Karte.67 より