葉のブログ

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【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.65「僕は大人のなりかけ」

2021年2月23日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で『僕の心のヤバイやつ』最新65話が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 

前回の記事はこちらから。

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.64「僕らは大人じゃない」:親フラは忘れた頃に回収される - 部屋の隅の埃 (heyanosuminohokori-blog.com)

はてな版のブログだと62話まで更新してました。

 

isoisogingin.hatenablog.com

 

先日、最新の4巻も発売されているので要チェックです!

 

 

Karte.65「僕は大人のなりかけ」感想と考察

距離感をつかめない

距離感

 人間関係において重要なキーワードである。そして誰もが恋愛や仕事、友人関係など様々な場面でこの距離感に悩んだことがあるだろう。そしてそれは市川にも例外ではない。

 しばしば登場する「イマジナリー京太郎」。彼との会話は市川の自問自答、つまり葛藤であると解釈できるが、そこでの議題は「山田との距離感についてであった」。つまり市川自身も、俯瞰的に見れば恋人同士に見えるようなことをやっているのは理解している訳で、山田が市川のことを好きなのかもしれないと思う訳である。しかし、その一方で山田が自分のことを好きな訳が無い、友達としての距離感であるとその思考に反論をぶつける。

 ここで重要となってくるのが、市川はそもそも「友達の距離感」を測りかねているのだ。実際問題現実においても「友達の距離」は人間関係の基準として使われがちである。「友達と言うほど仲良く無いけど仕事仲間」であったり、「友達というには近いから好きなのかもしれない」であったり、人間関係のものさしはその人が定める「友達」が基準になる。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.65

 

変化は怖い

 そんな市川はギブスが取れたのと同時に声変わりの時期が訪れたようだ。中学生のような思春期には様々な変化が訪れる。勿論その変化には遅い早い、大なり小なりの変化はあるだろうが、誰もが今までと同じでは居られないだろう。

 しかし、変化は怖いというのは誰もが持つ感情であろう。

 市川がとった行動はできる限り喋らないという選択肢であった。声変わりの時期、高い声が出なかったり、逆に自分の声が高すぎたりすると喋るのを躊躇してしまうのは良く分かる。それは変化への恐怖と周りから外れてしまうという想いから起こるものであろう。

 結果として山田に喋らなくても目を合わせてほしいと市川が山田に対して距離を置いていると思われる始末です。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.65 

 

 そして、この変化が怖いというのは恋愛における人間関係に対しても同様である。友達以上のように思える人間関係が崩れてしまうのが怖い。だからこそ、市川のように主観と客観を混ぜた自問自答を繰り返す。

 

山田は気にする

 そして、声をかけても返ってこないと山田としても不安なのである。「何が不味かっただろうか」という疑問を心に「風邪を引かせてしまった」と落ち込んでしまう山田に対して、市川は正直に声変わりかもしれないと告げる。

 山田は声が低くなったり、腕が太くなったりに目を輝かせます。声が低くなったらな目を沢山呼んでほしいとかもはや告白では?というのは言わない約束。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.65 

 

イマジナリー京太郎と市川の未来

 最近情報が増えてきたので改めてここで市川の将来の姿を予想してみる。一つ考えられるのは、「イマジナリー京太郎」としてしばしば出てくるあの姿が市川の未来の姿と言う考え方だ。

 「イマジナリー京太郎」は市川の想像上の存在であり、市川の憧れの姿であると考えられる。身長がそれなりに高く、筋肉質であり、イケメン。容姿が急に変わることはなくても、身長はこれから成長期で伸びるし、筋肉は筋トレでつけることができます。

 そして、桜井のりお先生のこのツイートを見てほしい。前64話で登場した山田父を含めて市川と山田の両親が描かれている。公式設定と言ってもいいだろう。

 

 身長が高く、腕も太く、筋肉質である山田の父は市川の理想像といっても良いのではないか。前回の記事で山田の父の職業を料理関係か医療関係のように予想したが、それも含めて市川と山田父が今後どのような交流をするのか今から楽しみである。

 桜井先生が4巻の最後に以下の様な言葉を残している。

ラブコメを描くに当たって、2人を取り巻く人々や環境、過去なども愛おしいものにしたいなぁと思っています。

『僕の心のヤバイやつ』4巻 あとがき より

 この言葉からも山田父が市川や山田の障壁になるというよりは市川の憧れや市川の「変化」を手助けする役割として、山田父が関わってくるのだろうと思う。山田の父くらい大きくムキムキになれば山田の隣を堂々と歩けるようになるのかもしれない。結局のところ距離感を変化させる大きな要因は「自信」なのだと思う。だから、今は市川が自分に自信を持てていないけど、いろんな人との交流の中で自信をつけていくのだろう。その中に山田父がいるとおもしろいなって。

 

今週の山田と市川

 山田が市川にいち早く気が付くも声をかけず、ちーちゃんが市川に駆け寄るのを阻止する山田。ここら辺にも嫉妬の感情と言いますか、山田の独占欲がちらりと垣間見える。


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『僕の心のヤバイやつ』Karte.65