2023年3月14日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で『僕の心のヤバイやつ』最新116話「僕は許しを乞う」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。
前回の感想記事はこちらから。
最新8巻は3月8日に発売されました。二人の想いが通じ合う告白回まで収録されております。神回しかない!
116話「僕は許しを乞う」感想と考察
市川は許されたい
飛ばしすぎだ!待て!
なんて叫んでも市川と山田には届かない。そして、二人にとってはこれが「正直な過程」なのである。
そもそも二人はあらゆる階段をすっ飛ばしてきた。正式に付き合う前から二人で遊ぶことは多々あった。そのため過去にはブーメラン発言も。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.87 より
傍から見れば、両想い同然。付き合っていない方がおかしいとまで言える。事実だけ捉えるのであれば、二人は同衾すらしているのだ。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.94 より
そう。飛ばしすぎた。
付き合う前の距離感では無かった。
それは市川も分かっている。中学生でありながら自分を客観的に見れる彼はその事実にモヤモヤするのだ。
付き合ってもいないのに、山田の家でお風呂を借りた。あまつさえ、山田に市川のことを「ちーちゃん」と嘘をつかせた。その後は、市川家に泊めたこともある。
いずれも一般的に言う付き合っていない男女の距離感ではないのだ。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.69 より
市川は山田両親に対して罪悪感があるのだ。
家族に伝えるよりも、同級生や友達に伝えるよりも。誰よりも早くまず伝えるべきは山田の両親なのだ。
山田のことを大切に思っていること。
生半可な気持ちではないこと。
それを伝えることが市川としての筋である。(それが中高生が付き合う上での一般的な事かは別の話だ)
『僕の心のヤバイやつ』Karte.116 より
山田家の想い
そんな市川に対する山田家の対応。それは一目で見て分かる。「歓迎」の2文字だ。
そもそも論ではあるが、市川は山田の撮影の際に山田父に対しては自身の想いを吐露している。そして、山田母は、山田の言動からバレバレである。
つまり山田の両親にしても、二人はあと何日で付き合うか状態であったのは間違いない。
ただ、理解しているのと感情的に受け入れているのは違う。特に父親の側が。娘が結婚する際に「娘さんをください」なんて言うテンプレートが存在するくらいには世の理なのだ。
そして例に漏れず山田父も山田を溺愛している。
あらゆる状況を加味した結果、市川の挨拶の雰囲気は正しく結婚前のそれと同じ雰囲気になる。おめかしした山田。対面して座る山田両親。山田父特製の料理に、お酒まで並ぶ豪華さ。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.116 より
市川の言葉
以前から本ブログで何回も触れているが、『僕ヤバ』の根底には桜井のりお先生の「二人を取り巻く全てが愛おしくなるように」という願いがある。
全てとは当然、人間関係も過去も未来も感情も。
そしてそれを二人はきちんと体現しているのだ。
市川は言葉に詰まる。絶対に傷つけないだとか、泣かせないだとかカッコいい言葉を想起しては自分で取り消す。それは山田との未来をそこまで本気で考えているからこその思考だ。そして目につく全て、山田の家は山田が育った環境であり、思い出。食べているものですら、山田が好きなもの、食べてきたものだ。
だからこそ、本心からの言葉が出る。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.116 より
山田が大切に思うものを自分も大切にしたい。
スープを教えてほしいという言葉に表れた感情は、中学生とは思えないほど大人びていて、誰よりも山田を想うからこその言葉である。
だからこそ、山田父もレシピを教えつつ、二人でこれからの「大切」を作ってほしいと答えるのである。これにてご挨拶編一件落着?
山田家には挨拶があった一方で、前回市川家にはいまだ隠している状態である。しかし、何らかのイベントでバレるのも時間の問題だろう。ただ、市川の性格的に自分からは言わないかもしれない。
主のイチオシシーン
言葉を選びに選んだ結果、迂遠な言い回しになった市川。それに対する山田父の言葉も、ふわりとした遠回りな言い方であった。
それに対する山田ママのツッコミ。
お酒も入り気が大きくなっているのか、そこまで市川に対して気を許しているのか。山田父をつんつんしたり、抱き着いたり。初登場時の厳格な雰囲気など思い出せないくらいである。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.116 より
次回更新は
『僕の心のヤバイやつ』は、マンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で隔週更新である。次回更新は2022年3月28日予定だ。