2022年1月11日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で『僕の心のヤバイやつ』最新88話「僕は何を言っているのか」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。
前回の感想記事はこちらから。
新巻6巻が1月に発売されてますので要チェックです。
うーん。例に漏れず今回も神回。
Karte.88「僕は何を言っているのか」感想と考察
アンジャッシュの行方
世は3月14日、ホワイトデー。
山田への贈り物を原さんと一緒に選ぶ途中で放った「かわいい」という言葉を、山田と神崎に聞かれてしまう。(端的な前回のあらすじ)
市川本人は山田を思い浮かべて言ったが、客観的には原さんに言ったようにしか見えないわけである。
神崎と原さん。
市川と山田。
カップル(仮)のダブルデートと単純明快な人間関係の図に突如現れる市川→原さんの矢印。
勿論、原さんに好意を寄せている神崎は良い気がしない。
山田もいつもの如く嫉妬の視線を向ける。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.88 より
そんな不穏な空気を纏ったまま、4人はスイパラへと向かう。
それぞれの関係
恋人という言葉は特別感がある。
勿論、言葉だけでなく存在が特別だ。
その主な理由は、恋人という存在が一般的にはその瞬間において一人しか居ないからではないだろうか?
自分にとってその人が特別であるという証。
それが、恋人なのだろう。
神崎が原さんをスイパラに連れてきたのも、山田と一緒ならいっぱい食べて幸せになってくれるという想いがあってのものだ。
その想いを、市川も山田も居る前で平然と言える神崎。
その言葉に動揺が隠せない市川と山田。
照れる原さん。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.88 より
まだ、付き合っていないとは言っていたものの、「好き」が言えない市川と山田とはまた対称的な関係とも言える。(あくまで神崎から原さんに対してに限るが)
市川と山田にとっては神崎と原さんの関係も別次元のものに見えるだろう。
その関係性には、山田が無言の圧を送る。
市川にも言葉にして「好き」と言われたいのだろう。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.88 より
変わりたい市川
「ありのままでいい」という神崎の想い。
それも本人が変わりたいと思っているなら単なる押し付け。
それは山田との関係の中で、自分を変えたいと思う市川だからこその言葉である。
好きな仕事に対して全力で取り組む山田。
その姿は、市川では入り込めないような気がして、
その姿に少しでも近づきたくて、相応しくなりたくて。
尊敬という名の感情から始まった市川の恋心は、市川自身を変えてきた。
服装を気にしたり、卒業式の送辞を読んだり、髪を美容室で切ってみたり。
全ての行動が初めてで、失敗をすることもあるけど、
山田の隣に居るために自分で納得できるように変わっていく。
だから、今回も失敗は当然なのだ。
市川と原さん同様に、山田と神崎も贈り物を選んでいたようで、市川は嫉妬心を珍しく言葉にする訳である。そもそも嫉妬心というのが恋人の証のようなもので、それなりの関係だからこそ言える言葉だろう。(今回の神崎のような)
今までも山田本人に言う事はあっても、他の人には言ったことは無い。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.58 より
ある種関係性の明確化とも言える「俺の物」宣言。
神崎に言ったはずのこの言葉、
バッチリ、山田も聞いているのだ。
『僕の心のヤバイやつ』Karte.88 より
だから、敢えて言おう。
市川、何を言っているのか、と。
ここまで来たのなら、そのまま告白まで行ってしまえ!
という野暮な想いを抱えながら、2週間先の89話を待つとする。まる。