絶賛話題沸騰中(私調べ)の『【推しの子】』は先日最新2巻が発売されましたね。
そんなこんなで本日は22話の感想を書いていきたいと思います。
大体最初は何をしたらいいか分からない
さて前話ではアクアがテレビ番組、リアル恋愛ショーに出演し、芸能界の中を少しずつではありますが進んでいくお話でした。
しかしその一方、ルビーと重曹は「何をしたら良いか分からない」状態であった。
お互いズケズケと切れ味の鋭い言葉のキャッチボールをしていますが、一言でまとめると暇なのである。そして、その原因はグループ名も決まっていないことにあった。グループ名を決めたくないというところには重曹ちゃんのアイドルに対する迷いも読み取ることができます。
実績がないアイドルなんて親にも言えない、そう叫ぶ重曹ちゃんに提案したのはミヤコさん。現代においてカルチャーの中心はネットである、と動画投稿を勧めます。なんと苺プロ、B小町解散以降アイドル事業は消えたもののネット方面には強い様子。そこでミヤコさんは協力者を連れてきたと言います。
『【推しの子】』22話
誰? である。
リアルに8等身のムキムキひよこが現れたらビックリです。
新人はガムシャラでありたい
ルビーと重曹に手を貸してくれるのは小中学生に大人気の覆面筋トレ系ユーチューバーであるぴえヨンであった(急に出てきた割にキャラが渋滞しすぎてて腹抱えて笑いました) 。ぴえヨンを見てこの世の歪さを嘆く重曹ちゃん、しかしぴえヨンの年収を前に即落ち二コマ何も言い返すことができません。
勿論子供たちに人気があるユーチューバーであるが、やはり現代においても一部の大人はそれで生計を立てることに懐疑的な目を向けるのかもしれない。そんな時はこのコマのように年収で黙らせられるのかもしれないと思うのです。
そんなこんなで、大物ユーチューバーのぴえヨンは登録者数を増やす方法としてルビーと重曹には「毎日投稿する根気も知名度も無い」と評し、コラボを提案します。そしてこの格好のままぴえヨンと1時間踊りきることができたら素顔を出して良いという企画を始めます。マスクを被ったまま酸欠になりながら必死に踊る重曹ちゃん。どうやらルビーの「嘘はいやだ」という想いからこのような極端な企画になったらしく、当の本人は酸欠に喘ぎながらもハイになって笑いながら踊り続けます。
『【推しの子】』22話
そして無事目標を達成した二人は自己紹介を兼ねて覆面を外します。編集などで誤魔化すつもりだったと二人の努力と根気を称えるぴえヨンにグループ名を尋ねられ、重曹ちゃんもルビーが決めていいと言います。
ルビーは『B小町』と宣言するのですが、この名前が今後の展開において重要になって来そうなのはこの作品を最初から読んでいれば分かるでしょう。憧れのアイドルと同じ名前を追う。今後とも楽しみです。
アイの子どもであるということ
企画を行うにあたって絶対に嘘は付かないというこの愚直なまでの真っすぐさにルビーがアイの子どもでありアイを見て育ったということが理解できます。アクアがアイとそれに関わる芸能界の闇を見てきたのなら、ルビーはアイのアイドルとしての輝く姿を見てきたのでしょう。アイはファンに嘘をつくこと、嘘をつき続けるという真っすぐさでありましたが、ルビーはその対比的存在として考えることも出来そうです。だからこそ、ルビーはアイがどれほど能力があっても途中で降りるしかなかったアイドルというステージを全うしてくれるかもしれません。
そして最後のアイドルユニットの名前は『B小町』。意識するどころかそのまま持ってくる様子もルビーが思うアイドル”らしさ”なのかもしれない。
余談ではあるが、最初はアイドル名を決めてアイドルを名乗るほど踏ん切りがついていなかった重曹ちゃんがルビーに対して名前を決めてよいといったことから、この経験は重曹ちゃんがルビーとともにアイドルを名乗ることを決意した話でもある。つまりアクアの眼中に入りたくて受けたアイドルの話であったが、真っすぐ楽しくガムシャラに頑張るルビーの姿に魅かれたという話でもある。