2025年1月25日に少年ジャンプ+|人気オリジナル連載が全話無料!の最強WEBマンガ誌 (shonenjumpplus.com)で『ふつうの軽音部』54話「生態系を守護る」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。
前回の感想きじはこちら。
54話「生態系を守護る」感想と考察
「守護る」と言えば
「守護る」と言えば、真っ先に思い浮かぶのは『刃牙シリーズ』の本部以蔵である。知らない方は、下記にリンクを貼る動画を視聴して欲しい。とにもかくにも今回のサブタイトルでは、真っ先に本部以蔵が思い浮かんだ。
しかし、『ふつうの軽音部』本編に本部以蔵は関係無い。何故なら、彼ら彼女らの世界では武術を駆使して拳で語ることは無いからだ。彼ら彼女らは音楽で語る。ただし、その中で本部以蔵並みに「守護る」使命感に駆られる人物が居る。それが幸山厘である。
Ⓒ 集英社 2025
クワハリ/出内テツオ『正反対な君と僕』54話 より
亀屋兄妹の下に参上した厘と偶然にも居合わせた田口。算は三年生が引退する前にたまき先輩より厘と田口を頼るようにアドバイスをしていたようだ。その助言もあって、亀屋兄妹は現状の軽音部の状態について相談をする。
結論として、現状を放置するよりはパート練習を中止することを基本方針とした。しかし、ただ中止をするだけでは問題は解決しない。遠野が先輩と喧嘩をしたままであり、この状態を放置するのは望ましくない。
そこで、遠野に対しては厘が策を講じると宣言をする。
鶴先輩の目的
54話では鶴先輩が副部長の座で暗躍する目的が描かれる。端的に言えば、「人間関係を引っ掻き回すこと」。それ自体を”青春”として楽しんでいる様である。
Ⓒ 集英社 2025
クワハリ/出内テツオ『正反対な君と僕』54話 より
ここで完全な対比構造が読み取れる。自身が楽しむために人間関係を引っ掻き回す鶴先輩。一方で、自身の目的のために人間関係を利用・誘導する厘。こうして記載してみると鶴先輩と厘に本質的な違いは無いのかもしれない。
厘の目的が「鳩野の才能を世に知らしめるため」という利他的(と言えるか微妙であるが)なものなのが違いと言えるか。加えて、人間関係自体をぐちゃぐちゃにしたい鶴先輩に対して、厘は人間関係自体に関心は無い。あくまでも人間関係を利用することで自身の目的を達成したいだけだ。
ふつうの軽音部の「普通ではない枠」のバチバチなぶつかり合い(音楽ではない)が見られそうな展開にワクワクが止まらないのである。
厘の講じた策
亀屋兄妹との相談後、厘は行動に移す。
パート練習が無くなった。桃はその原因を遊んでいた先輩であると主張する。そんな桃に対して、厘は「遠野が軽音部のレベルが低いと言っていた」と大噓を吹き込むのだ。桃は厘の言葉を受けて、遠野の本心を確認しに行く。
当然ではあるが遠野はそんな発言をしていない。遠野の言葉を聞いて、桃は厘に対して怒りを顕わにする。厘に誘導されて喧嘩にまで発展したことがある桃は、厘の発言を最も信用していないのだろう。
Ⓒ 集英社 2025
クワハリ/出内テツオ『正反対な君と僕』54話 より
ただし、遠野は桃の発言を受けて、本心では同様のことを思っていると白状する。「レベルの低い軽音部でバンドやることにうんざりしている」。その言葉は遠野としては悪気が無くても、軽音部に所属する桃にも刺さるものだ。
そして、この言葉を受けて桃がそのままで終わる訳では無いだろう。遠野に対して反発するかもしれない。一番現実的だと考えるのは、真面目に音楽に向き合っていない人が居ることは認めつつも、それが全員ではないことを証明しようとハロウィンライブに対して熱意を持つのではなかろうか。
いずれにせよ、鳩野・彩目と鷹見・水野以外にもはーとぶれいくとprotocol.のメンバーに関係性が出来てきた。これはハロウィンライブも含めて、その先の展開にも大きく影響してきそうで目が離せない。
主のイチオシシーン
ハロウィンライブに向けて練習を重ねるはーとぶれいく。少し前に新曲に苦戦する様子が描かれたが、鳩野も成長をしている模様。鳩野のことを褒める桃に対して、「そんうでもないぞ」とツンを見せる彩目。
これが、はーとぶれいくの様式美だ。
ハロウィンライブでは、このツンを挽回するが如く、彩目が鳩野にデレるのだろうと想像してしまう。とても楽しみ。
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クワハリ/出内テツオ『正反対な君と僕』53話 より
次回更新は
次回更新は、2025年2月2日(日)に55話「言葉を交わす」が少年ジャンプ+|人気オリジナル連載が全話無料!の最強WEBマンガ誌で配信予定である。