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【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.134「僕もムカつく」【漫画】

 2023年11月28日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新134話「僕もムカつく」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 萌子と山田が衝突する衝撃の前回。

 気になる前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

 6月までアニメ放映していた『僕ヤバ』。

 なんとアニメ2期の製作も決定のようです!

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134話「僕もムカつく」感想と考察

市川視点の感情

 近藤さん(ゴム製)の所有者を探すはずだった合宿2日目。しかし、事態は山田の天真爛漫さと萌子の素直に物事を言うタイプが重なり衝突を起こした。

 萌子の口から出てきた言葉は意外なものだ。

 正直、山田という人物を見ていたら読者も一回は思ったかもしれない。しかし、それを物語の中で山田の友人から聞くことになるとは予想していなかった。

 そんな中で今回注目すべきは市川の行動だ。

 市川は山田を追いかける。しかし、山田が自ら立ち上がり萌子の言葉を受け入れようとしている姿を見ると、今度は萌子の方へと向かう。(先に山田に気を遣うのは間違いなく彼氏の姿である。)

 以前までの感想記事でも記載してきたが、本物語では市川と山田が対比の構造で描かれている。市川視点ではなんでもできる陽キャの山田と日陰者の市川という構図が良く分かる。

 そのような意味で市川は萌子と近い。

秋田書店 桜井のりお『僕の心のヤバイやつ』Karte.134 より

 そして分かるからこそ、結論も同じなのだ。

 結局どこまで行っても僻みでしかない。

 そしてその感情は自分に返ってくる。他人にそのような感情を向けている自己嫌悪に陥る。それはかつて経験している市川だからこそ萌子に寄り添える部分があるのだ。

 萌子曰く成績が落ちている。

 受験期ということもあり精神が安定しない。

 学生であれば誰もが経験する感情。物語の中に登場する彼らはどこまで行っても等身大の中学生らしい感情を抱えている。

二人の仲直り

 そんな山田と萌子は芹那の策略によって仲直りを果たす。言葉によって衝突し軋轢が生まれたのであれば、それを解決するのも言葉であるのが筋だ。

 秋田書店 桜井のりお『僕の心のヤバイやつ』Karte.134 より

 結局、どんな理解を得るにも言葉は欠かせない。

 実際には小林から連絡があった訳でもなければ、山田がヤバイ状況に陥った訳でもない。ただ、半ば無理やりな芹那の言葉によって萌子と山田は直接言葉を交わす機会を得る。

 砂浜に描かれた文字で交わされる感情はいつしか直接口から言葉として出る。今までなんとなく発していた言葉も、今一言一句ひねり出している言葉も同様の重みを持つ。

 だからこそ日頃から気を付けられる。

 何気ない一言が人間関係を変える。

 山田と萌子の両方にとっての気づきだ。

萌子の結論

 恐らく山田の周りの人は優しい。

 仲の良さの形は様々だ。お互いに常に称え励まし合うような関係もあれば、素直に物事を言い合う関係もあるだろう。しかし、いずれの関係も当人同士の理解があれば等しく「友人」と呼べるのだろう。

 秋田書店 桜井のりお『僕の心のヤバイやつ』Karte.134 より

 そのような意味で言えば、今回の経験を越えて山田と萌子の間には上述した「当人同士の理解」が生まれた。愚痴も不満も言う。その上で言い過ぎたなら謝罪をして仲直りをする。

 なんと健全な友人関係か。

 こうして、山田と萌子が衝突し一山超えて関係が深まったのも、お互いが言葉にしたからである。結局物事は言葉にして相手に伝えなければいけない。

 それは市川と山田の恋愛もそうであったのだ。その関係と同様のことが「友人」という今までとはまた違った視点の人間関係を通して描かれていたように感じる。

合宿で勉強できるのか

 萌子が焦燥感を抱いていた様に実は受験期真っ只中。この合宿の目的も「勉学」のはずだ。しかし、1日目は遊びに消費され、2日目はお姉ぇ達大学生ズが既に酒を飲んでいる。果たして、本当に勉学可能なのか。

 次回以降の展開に期待したい。

主のイチオシシーン

 市川との出会いを通じて度々見られるのは、「言葉の重要性」である。本心を伝えることは何よりも難しい。その言葉の伝え方や解釈次第で人間はいくらでも変わりうる。

 言葉の大切さはこの物語の重要な要素。

 それは恋愛だけではない。

 友人関係でも同様なのだ。

秋田書店 桜井のりお『僕の心のヤバイやつ』Karte.134 より

次回更新は

 『僕の心のヤバイやつ』は、マンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で隔週更新である。次回更新は2023年12月12日(火)予定だ。