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【感想と考察】『尾守つみきの奇日常。』45話「雷漸会長とハロウィン。」【漫画】

 2024年11月13日にサンデーうぇぶりで『尾守つみきと奇日常。』最新45話「雷漸会長とハロウィン。」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

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45話「雷漸会長とハロウィン。」感想と考察

雷漸会長の性格

 44話で初登場となった雷漸会長。彼を一言で表すなら「デキ男」である。仕事が出来るタイプ。つまりは効率重視の性格であることが描かれている。

 ともすれば、それはつみきさんとは正反対である。つみきさんは気の赴くまま、効率とは対極に位置した価値観を持っている。

 その違いがハロウィンというイベントを通して45話にて描かれている。

 しかし、前以て記述しておくが、"違う"ことは悪いことではない。それは幻人という存在の日常、人間との交流を描く本作の大前提である。

 違うことを認めることと、それを自分の価値観とすることには大きな隔たりがある。その点で言えば、雷漸会長は違うことを認めつつも、自身の価値観が明確なタイプ。それはつみきさんに対してハロウィンの飾り付けや時計の必要性を語る際にも表現されている。

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Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』45話

 会長のロジカルシンキングに、つみきさんも思わず八の字の眉になってしまう。この表情、結構ツボだ笑。

紙ずもう大会

 そんな効率重視の雷漸会長はハロウィン当日も粛々と業務をこなす。そんな中で遭遇するのがつみきさんや友孝くんたちである。

 つみきさんは会長にハロウィンの楽しさを伝えるべく紙ずもう勝負を挑む。この瞬間も、会長は頭の中でスケジュールを思い出し、効率的に問題ないかを考慮の上で「勝負する」という判断を下している。

 ここでも効率重視の構えは変わらない。ただ、傍から様子を見ている夢中先輩の表情を見ると、この様子ですら変化があったのかもしれない。これ以上に効率重視だったのなら、ドラゴンじゃなくてロボットだよ。

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Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』45話

 この表情。夢中先輩と雷漸会長のラブの波動を少なからず感じた。ラブかどうかは置いておいて、夢中先輩が雷漸会長のことをしっかり見ているのは確かだ。

効率を度外視すること

 紙ずもうの結果は会長の勝利。その結果に対してつみきさんは本気で悔しがる。勝ったら嬉しいし楽しい。そう言うつみきさんの思考には”効率”という概念は含まれていない。つみきさんは感情の赴くままに動いていることが分かる。

 そして、その自分に正直な姿こそ友孝くんが惹かれている部分でもあるのだろう。同様にして、会長もつみきさんのペースに呑まれ、夢中だったことを自白する。つみきさんの自由さも、それを追っている友孝くんの差し入れも会長にとっては想定外。

 しかし、読んで分かる通り、会長はその「想定外」を悪くは思っていない。勿論効率も重要である。その一方で、自分の予測できない自由な流れに身を任せるのも楽しいのかもしれない。

 今回は会長が一皮剥ける話だ。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』45話

主のイチオシシーン

 本気で悔しがる時に丸まるつみきさん。「まるっ」というオノマトペと集中線が相まってその勢いが表現されている。可愛らしいシーンだ。

Ⓒ小学館 2024

森下みゆ『尾守つみきと奇日常。』45話