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【感想と考察】『【推しの子】』143話「全肯定オタク」【漫画】

 2024年3月14日発売「ヤングジャンプNo.15」で『【推しの子】』本編の最新143話「全肯定オタク」が掲載・更新されています。

 前回の感想記事はこちら。

isoisogingin.hatenablog.com

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 私は重曹推しです。

 記事の内容やそれに含まれる感想もだいぶ重曹寄りになることはご容赦ください。

 それについて、随分と前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。

 ※約3年ほど前の記事になります。

isoisogingin.hatenablog.com

isoisogingin.hatenablog.com

  なので、以下に含まれる感想の内容にも『【推しの子】』の恋愛要素(特にアクかな)に焦点を当てた内容が多くなります。上記内容が苦手な人、宗派が合わない人はブラウザバックしていただければ幸いです。

 

143話「全肯定オタク」感想と考察

アクルビとかいう呪物(個人的解釈)

 さて、前回感想記事にて、アクアとルビーのキスの可能性について言及した。そこで私が出した結論は「アクアはキスをしない」である。その理由を、アクアの復讐作品が芸能界に蔓延る倫理的な問題に言及するものであり、それと同様の行動を取ることは復讐へのアンチテーゼになるから、と記載した。

 ↓詳細は以下の記事を読んで欲しい。↓

isoisogingin.hatenablog.com

 そして、結論から言おう。

 最悪の展開である。

 唯一の救いとしては、アクア自身からキスはしていないこと。これ自体は予想の範囲内である。その上でルビーが暴走してキスをすることも予想はしていた。しかし、本当に実現するとは…という思いが強い。

 実の血縁関係にある兄と妹のキス。この観点から私はアクルビを本作における特級呪物に認定している。後段にて語るがルビーは『ガチ恋オタク』を自称してアクアにキスを強行した。この展開によって、「ガチ恋を自称するマナー違反」を肯定すると共に「倫理的問題を犯した奴が倫理的問題を世に問う」というピエロ展開が確定した。

 いったんは最新話のキツイ展開を愚痴らせて欲しい。

ルビー(さりな)の自己認識

 アクアの正体を知ってからルビーの自己認識は「さりな」であることは要所要所で描写されている。まずその姿が個人的にはキツイ。

 そして、ルビーは当然の様にアクアに甘える。

 まるで前世でさりながゴローに対して甘えていた様に。18歳を自称するルビーの精神年齢は”あの頃”のさりなのままである。この言動を見てニッコリ出来るオタクはそれこそアクルビを妄信する『全肯定オタク』なのだろう。

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集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』143話 より

アクアの脇の甘さ

 脇が甘く隙だらけなことで一部界隈で定評のあるアクア。

 敢えて言うのであれば、アクアの脇が甘くなければ実妹に唇を奪われることも無かったのだろう。しかし、あろうことかアクアはルビーの要望に応えてゴローの真似をする。

 シスコン設定と言われればそこまで。

 アクアは妹のことを愛しており、そのために願いを可能な限り叶えたいのかもしれない。アクアからキスをした訳では無いので、あまり言及しても仕方がない。しかし、私は普通にアクアの”ゴローの真似”も含めてそれなりにキツかった。

 マジでゴローの顔つきになるのやめてね。

 以下のコマは意図してゴローに寄ってる。

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集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』143話 より

アクアの論理

 弁明するのであれば、アクアはルビーの想いを拒んでいる。いったんアクアがルビーの想いを拒んだこと自体は評価したい。

 しかし、その論理がおかしい。

 実妹だから。妹としては好きだけど。前世の記憶と混在している。様々な言い分を予想していたのだが、選ばれたのは「もう君の知っている先生じゃない」という言葉。そこから続くのは「生きてることに罪悪感」とか急なメンヘラ発言。

 回想に含まれるのはルビーと重曹の顔。

 重曹に嘘を吐き、傷つけたことをしっかり引き摺っていることはこのシーンで明示された。いったん重曹の顔があったことは個人的に良かった。

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集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』143話 より

 アクアもかつては重曹とキャッチボールをしながら、前世と現世の境界線について考えていた。それなのに随分と前世に引っ張られている気がするのは気のせいか。

ルビーの理論

 実妹だからという線引きではなく、メンヘラ論理を繰り広げたアクア。それに対してルビーが展開するのは『全肯定オタク』『ガチ恋オタク』というパワー系の理論武装。

 推しが居ると世界が輝く。

 この発言自体は私も肯定したい。そしてその推しがルビーにとってゴローであることは勝手に推していろという話。問題なのはゴローとアクアを同一視していること、その感覚のまま妄信的になることだ。

 全肯定オタクは私も許そう。

 何故なら私も重曹の全肯定オタクだから。

 ガチ恋はやめろ。ガチ恋オタクをその他のオタクと並列で語るな。というよりガチ恋だから無理に相手に想いを押し付け行動をして良い訳では無い。それこそ、一部の「頭の悪いガチ恋オタク」の存在を肯定することになる。

 この論理は私にとって最悪だ。

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集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』143話 より

 これが許容されるのであれば、ガチ恋オタクを自称するオタクは何かしらのルール・規則を破って想いをぶつけて良いことになってしまう。私はオタクは『推し』に対して一定のルールを守るべきであると考える。勿論、内心本気で恋心を持つのは自由。しかし、それを行動に移してしまえば、恐らく何かしらの問題に発展するだろう(合意の場合は除く)。

 だから、私の目にはルビーは『ガチ恋オタク』という言葉を弄ぶ『ただ倫理的に問題がある人間』という風に映ってしまう。

アクアは全肯定オタクになるか

 さて、ここで『推し』が世界を輝かせることは述べられていた。タイトルにも含まれている通りで、この作品における主題の一つでもあると考える。

 そしてアクアの世界は今闇の中にある。

 となれば、本作のエンディングに向けて考えられる展開の一つに「アクアが『推し』を発見し、世界が輝く」というものが考えられる。アクアは前世でも現世でも誰かを推す只のオタクであったという展開。

 この場合、誰がアクアの推しになるか。

 その答えに最も近いのは重曹だろう。38話で重曹がアクアに対して『推しの子』にあなると宣言していること。アクアの復讐が映画撮影を以て一区切りつくこと。映画撮影後に重曹の卒業ライブがあること。

 上述したのは主な要素。しかし、振り返ると重曹のアイドル活動を通した描写は最終的に「アクアを推しにすること」を念頭に描かれてると考えられる。

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集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』38話 より

 そのような意味で最新話において、ルビーの「推しが居ると世界が輝く」という発言だけは示唆に富んだものと解釈した。

今週の重曹ちゃん

 重曹も流石にこの表情。

 私もこんな表情だ。

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集英社 赤坂アカ/横槍メンゴ 『【推しの子】』143話 より

次回更新は

  次回更新は2024年3月21日(木)の予定だ。