葉のブログ

忙しい合間にも漫画とか映画とか

MENU

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.109「僕は気が付いた」【漫画】

 2022年11月22日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新109話「僕は気が付いた」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

109話「僕は気が付いた」感想と考察

修学旅行定番お風呂イベント

 日常生活では人間は服を身に纏う。服で隠された部分は「見えない場所」であり、個人差はあれど性別に関わらず、そこへの関心は共通するようだ。つまり、お風呂イベントの到来である。

 何故かクラスの異なる足立まで居る。その理由が、「間違って女風呂に入ろう・・・とした」なのがなんとも足立らしい。

 そんなこんなで足立と神崎のち〇こバトルに意図せず挟まれる形となった市川。当然、市川はそういうことをするタイプではない。ゆっくり落ち着きたい入浴の時間は市川にとっては災難であっただろう。

 (それも含めて修学旅行感ではある)

f:id:isoisogingin:20221123184448j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.109 より

 (確実にチェーンソーマンのオマージュ笑)

 風呂上がりの市川は、同様に風呂上がりの山田と遭遇する。実は山田も市川も互いの家でお風呂を借り合う仲ではあるので(しかし、付き合ってはいない)、漫画的には初めて見るような光景ではない。

 それでもお風呂上がりの姿と言うのは気まずくなるもの。加えて、山田が何かを隠していることとか、ギャルの安藤の監視から逃れることなど様々な思惑が頭を過ぎる。

 しかし、ここでも足立の存在が光る。

 空気の読めない(読まない)足立は、市川に対してお風呂場で行われた「ち〇ぽバトル」について語るのだ。当然、近くに居た山田は逃げるようにして遠ざかってしまう。

 この行動も足立らしさが凝縮されていて好きである。

市川の「山田像」

 主の個人的な意見としては後者だ。オーディションはマネージャーや両親など多くの人が関わっているだろう。演技を評価してくれた人だって居るのだ。だからこそ、山田の中にオーディションを休むという選択肢はない。ただ、その中で市川やクラスメイトと修学旅行を共に出来ないことに泣いていると解釈した。

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.107「僕は楽しみ」【漫画】 - 葉のブログ (hatenablog.com)

 上記内容は、私が2話前に書いた感想記事からの引用である。正直、私は山田が修学旅行を欠席してオーディションに参加すると予想していた。

 だからこそ、前回108話で山田が修学旅行に出席していたという事実には驚きを隠せなかった。『君オク』という大好きな作品であり、主演級という確実に自身のキャリアを広げるチャンスである。それらを蹴って修学旅行に出席する。

 勿論、当時感想記事にも書いた通り、中学生にとって修学旅行というイベントは特別なものであり、一生の思い出になり得るものでもある。中学生が天秤に掛けるにしては重過ぎる二択ではあった。

 このように私が、一部の読者が描く『山田像』はある意味的を得ているはずだ。なぜなら、市川自身も同様の山田像を描いていたことが明言されたからだ。

f:id:isoisogingin:20221123184600j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.109 より

 そして、同じ『山田像』を持っていたからこそ、市川も悩むのだ。

 市川は女優業に真剣に取り組む山田を尊敬している。恋愛感情とリスペクトは併存するものであり、完全に切り分けられないものでもある。市川が山田を好きだと想う要素の一部に仕事への姿勢があるのは間違いない。

 上記を示すシーンは今までにも何回も描かれている。ハッキリと明言するのは81話山田の撮影見学の回である。市川と山田の恋愛模様は、山田がバスケで鼻を怪我したところから始まった。そしてその当時から、市川は山田のことを大人だと評する。明確な恋心を自覚する前から、山田にはリスペクトを持っているのだ。

f:id:isoisogingin:20221123184623j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.81 より

 だからこそ、市川は「山田が市川のせいで仕事ではなく修学旅行を選んだ」という仮定が気持ち悪いのだ。

山田の本心

 結局どこまで一人で悩んでいても結論は出ない。

 山田の本心は山田にしか分からない。市川が思考を巡らせた所でそれは仮定でしかない。しかし、下の階のベランダから山田が『君オク』の演技をしている声が聞こえてくる。

 山田は本当に天秤に掛けた上で修学旅行を選択したのか。

 その選択に市川の存在が関わってしまってはいないか。

 自惚れかもしれない。それでも市川から見た山田は仕事を優先するようなタイプで、一方で市川の過去を知っているからこそ修学旅行を優先してしまうようなタイプなのだ。

 そして、もし自分の為に修学旅行を選んだのだとしたら、それを市川はどのように思えばよいのだろう。市川はそのような気の遣われ方が嫌いだ。

 二人は純粋に正面から言葉を交わしてきた。

 だからこそ、この場でも本人から本心を聞くことを選ぶ。そして、本心をぶつけてもらうためには、まずは市川の方から本心をぶつける必要があるだろう。

f:id:isoisogingin:20221123184505j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.109 より

 このように次回は、山田が一人で抱えた苦悩が吐露されるだろう。今のうちにハンカチを用意しておいた方が良いのかもしれない。

主のイチオシシーン

 女性陣ですら直視できない山田のお風呂回。

 そこで堂々としているちー様が良い味を出している。 

f:id:isoisogingin:20221123184514j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.109 より

次回更新について

 『僕の心のヤバイやつ』は、マンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で隔週更新である。次回更新は2022年12月6日予定だ。