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【感想と考察】『正反対な君と僕』58話「視線の先」【漫画】

 2024年7月8日に少年ジャンプ+|人気オリジナル連載が全話無料!の最強WEBマンガ誌 (shonenjumpplus.com)『正反対な君と僕』最新58話「視線の先が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 55~57話にかけてタイラズマの供給が多かった。大まかな展開の流れと私一個人の感想・考察は以下の記事より読んでいただきたい。

isoisogingin.hatenablog.com

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 因みに私の推しはタイラズマです。タイラズマ回はテンションが爆上がりしています。皆でタイラズマを全力ですこりたい。タイラズマだけをまとめた昔の記事などもあります。是非参照頂ければ。

isoisogingin.hatenablog.com

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 最新巻は6巻です。

58話「視線の先」感想と考察

平の自覚

 前回、文化祭にて東が平に対してツーショットを撮ってほしいと頼んだ。それによって東の好意を平が自覚した。しかし、57話の終わりに谷や西さんにもそれぞれ抱えている問題がある様子が描かれていた。そのため、ここでタイラズマ展開は一区切りがついたと勝手に思い込んでいた。まさかの今回もタイラズマ回だ。

 そして、多くの読者が予想した通り、平は東の好意を肯定的には受け取らない。それは平自身が経験した過去の恋愛経験が原因である。舞い上がって、付き合って、相手に幻滅されて、別れた。そのことで周囲から嘲笑されたことも影響している。

 最新話では平の妹も登場している。平に対して中々に辛口であるが、その平に対する評価は的を得ている。「自分にしか興味が無い」。平自身の言葉を借りるなら、「自己愛」である。

 平が東との空気感や関係性を心地よいと思っているのは確かだ。実際に平のモノローグにてそのように評価されている。その一方で、また「自身がガッカリされること」と「自分が傷つくこと」そして「関係性が消えること」を恐れている。

 Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』58話 より

 結論として、平は自身が抱える過去の経験とそれ故の劣等感(コンプレックス)から、前に進むことが出来ない。平は自身の感情を「恋愛」ではなく、「自己愛」と結論付ける。

 どこまで行っても平の視線は自分に向いたままだ。

東と平の約束

 どうやら平は東の好意に気付いてから、少しの期間東のことを避けたようだ。平自身は「早めに学校で勉強していた」と言い訳するが、避けられていたことに気付かないほど東は鈍感ではない。

 そこで東は平に対して「皆で遊びに行く」提案をする。皆とは、2年生の時のイツメンを指す。つまりはタイラズマに加えて、鈴木、谷、渡辺、佐藤、山田である。

 東の提案を受けて、平は羞恥心を覚える。てっきり好意を抱いていると思っていた東から”皆”で遊びに行くという提案。東の好意も勘違いかと恥ずかしがると同時に安心もするのだ。

 しかし、この提案自体が東の作戦でもある。上述した通り、東は決して鈍感ではない。そのため平の言動から自身に対して抱いている感情が「恋愛感情」ではないことくらい分かってしまうのだ。その上でこのまま時間が経過すれば関係性が消えてしまう。そこで無理にでも出かける約束を取り付ける。そのためには「二人」での約束はむしろ逆効果になってしまう可能性がある。

 

 Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』58話 より

 東の作戦は「待ち」である。

 平が自分のことを恋愛として好きでないのなら、友人としての関係性を繋いだ上で好きになるタイミングを窺うというのだ。

東の過去の恋愛

 上述した通りで、平は東の関係性や空気感を心地良いと思っている一方で、過去の恋愛経験から極度に恋愛関係に踏み込むことを恐れている。

 その一方で東としても過去の恋愛経験は今までも描かれてきた通り、決して「純粋」な恋愛とは言えないものである。それでも自分の中に初めて生まれた「恋心」。その感情にだけは純粋に向き合いたい。

 2年生での交友関係を経て、変わった価値観。東の中に生まれた「鈴木みたいな純粋な恋愛がしたい」という決意とそこに生まれた感情。(価値観が変わった部分としては32話などが分かりやすい)

isoisogingin.hatenablog.com

 だからこそ、東は自分の過去を踏まえた上で平に視線を向ける。平のことを最大限に尊重する。それに加えて、自身としても初めての経験であり平との関係性が壊れるのが怖い。それ故に「現状維持して待つ」。それが東の結論である。

 自分の恋心を隠して平に接する。その行動は東としては決して簡単なものではない。自分の感情を押し殺して、相手との関係を維持する。平が自分を好きではないと突き付けられながら、感情を隠す。

 東の選択は辛い道のりになるに違いない。

 Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』58話 より

 東の涙は辛いものがある。

 やはり平は過去の経験から人間関係を消失すること、幻滅されることを恐れて足踏みする。その一方で東も関係性がなくなることを恐れた。しかし、平が東との関係性を悪く思っていないことも描かれた。

 東が泣いている姿を見ると「平、男らしくなれよ!」と叫びたくなるが、平の視線は未だ東ではなく自身に向いているため、このままでは関係の発展は難しい。やはり二人の関係を動かす何かキッカケが必要だ。それも、平の価値観が変わるようなものが必要である。

主のイチオシシーン

 待ちの選択をした東。

 その表情は獲物を狙う鳥の如く凛々しい。

 このワンシーンの東が可愛すぎる。

 Ⓒ 集英社 2024

阿賀沢紅茶『正反対な君と僕』58話 より

次回更新は

 次回は単行本作業のため休載のようだ。そのため、次回更新は恐らく2024年8月5日(月)になると思われる。