葉のブログ

忙しい合間にも漫画とか映画とか

MENU

【感想と考察】『僕の心のヤバイやつ』Karte.110「僕は伝えたい」【漫画】

 全人類が待っていた。

 全読者が待っていた。

 だから、語るまでもない。

 それでも語らせてほしい。

 安定の神回で間違いない。

 読んでないなら先に読んでほしい。読んだことがないなら、アニメ化の前に知って古参になってほしい。それほどに約束された神回なのだ。

 

 2022年12月6日にマンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)『僕の心のヤバイやつ』最新110話「僕は伝えたい」が更新されたので感想と考察を書いていこうと思います。

 前回の感想記事はこちらから。

isoisogingin.hatenablog.com

この展開を何年待っていたか

 修学旅行と言えば、中学生最大のイベント。

 市川と山田の中学生活最大の山場にして、中学生を描く『僕ヤバ』という作品においても最大のイベントと言っても過言では無い。

 山田が大好きな作品のオーディションを断ってまで参加したのは、市川と一緒にという気持ちだけではなく、友達と一緒に中学生としてのイベントを楽しみたいという気持ちもあったはずだ。

 そんな過去最高のイベント。

 当然、恋愛的な意味でも大きな意味を持つ展開が来るのは予想が難しくはない。思ってみればここまで長い展開であった。

 ちなみに1年前の2021年12月にはホワイトデー回の前振りが終わったくらいである。年末年始を市川と山田のすれ違い(笑)にドキドキしながら迎えた記憶がある。

isoisogingin.hatenablog.com

 2年前の2020年の12月はキーホルダー回であった。山田が市川の骨折の原因を作ってしまったと落ち込む回である。

isoisogingin.hatenablog.com

 こう考えると私自身『僕ヤバ』を追って、それなりの時間が経過した。その分だけ、作品や市川山田に積もる想いもあるし、待っていた展開もある。

 そして桜井のりお先生はオールウェイズいつも最高の展開を用意してくれるのだ。市川と山田が真っすぐお互いに向き合うように、真っすぐ展開をぶつけてくれる。

 読んだ瞬間の感動を文字として表せないので、ブログを書いている身としては失格なのだが、本展開は是非とも二人の物語を追う中で読んでほしい。

修学旅行と言えば

 修学旅行の舞台となっているのは京都。

 その中でも鳥居と狐で有名な伏見稲荷大社である。

 私自身も伏見稲荷は数回訪れたことがある。

 これは私が現地で撮った写真である。どこまでも続く鳥居に圧倒されると共に、夜に来たら怖いな、なんて思った。

 そんな伏見稲荷を班行動で巡るのが市川達である。

 市川は山田と話したい。しかし、班行動となるとなかなか二人で会話する時間が取れないという問題が発生する。加えて、班にはカップルを祝いたい安藤カンナが同行している。

 そんな中、鳥居の分岐点で山田は市川を誘うのだ。

f:id:isoisogingin:20221206212226j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.110 より

 この分岐点も知ってる景色だああ!!!

 恐らくここである。↓

 写真では見切れているが、この右側を山田と市川は進んだのだろう。一方で安藤ら班のメンバーは右側へと進んでいく。

山田の両天秤

 山田は尋ねるのだ。

 「市川は楽しんでいるのか」と。

 しかし、市川にはそのままに出来ないことがある。それは、山田自身が修学旅行を楽しめていないことだ。

 山田は大切なオーディションよりも修学旅行を優先した。以前から記事で書いているように、オーディションと修学旅行の天秤は中学生には重すぎる選択だ。当然、片方を選んだからと言って、もう一方を捨てきれる訳でもない。

 だから山田の気持ちは理解できる。

f:id:isoisogingin:20221206212239j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.110 より

 しかし、市川は許せないのだ。

 山田は「市川が楽しくなるように」修学旅行に来たのだ。かつて林間学校を休んだこと、学校が嫌いだったこと、市川が良い人であること。山田は多くのことを知っていて、それ故に市川を最優先にしたのだ。

 もちろん、市川は山田に対して怒っている訳ではない。ただ、それほどまでに想われているという事実、そして市川のために行動する山田という一人の人間と向き合うのだ。

市川の想い

 自分のことをこれほどまでに想っている少女を前にするからこそ、市川も正面から想いを伝えるのである。

f:id:isoisogingin:20221206212248j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.110 より

 今見ている景色も、今ある人間関係も、市川を取り巻くほぼ全てのものが山田無くしては成しえなかった。新しい友達ができたことも、学校が好きになったことも。全て山田が市川の学校生活を、人生を変えたのである。

 それほどまでに市川にとっても山田の存在は大きいのだ。

 そして、それほど市川にとっては大きな存在であると同時に、異性として好きであることも認めざるを得ない。かつて、保健室のベッド下で気がついた感情は、市川自身の成長と山田との歩みを経て、ついに花が咲いたのである。

f:id:isoisogingin:20221206212255j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.14 より

 だから市川は伝えたいのだ。

f:id:isoisogingin:20221206212302j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.110 より

 安藤もとい厄介なクラスメイトが居ることなんて気にならないくらいの正面からの告白。読者がずっと正座で待機していた展開が遂に来たのだ。

どうでも良い豆知識

 ちなみに、稲荷大社の神様の正式名称は「宇迦之御魂大神(うかのみたまのおおかみ)」というらしい。食べ物を司る名前で、元々は穀物の神様で、五穀豊穣の神様であったよう。

 なんとも、大食いの山田にぴったりの神様である笑

主のイチオシシーン

 市川と山田の想いを知っているからこそ、市川と山田が抜け駆けした必死に無駄な抵抗(誤魔化し)を行う半沢さんが可愛すぎて推せる。

f:id:isoisogingin:20221206212347j:image

『僕の心のヤバイやつ』Karte.110 より

次回更新について

 『僕の心のヤバイやつ』は、マンガクロス | 秋田書店の新作漫画が無料で読める! (mangacross.jp)で隔週更新である。次回更新は2022年12月20日予定だ。