2022年4月27日発売の「ヤングジャンプNo.22 & 23」で『【推しの子】』の最新79話「役目」が掲載され、更新されています。
衝撃というか、笑劇というか。
思わず笑うレベルで理解不能な前回の感想記事はこちらから。
ちょうど一年ほど前ですが、『【推しの子】』の今後の展開について割と本気で考察した記事を書いていますので、今後の展開まで予想したい方は以下の記事をチェックしてください。また、この記事で書いてある考察などを前提にこの記事のように各週の感想記事も作成しています。
(前回が論理展開理解不能すぎて正直考察諦めてますけど)
79話「役目」感想と考察
夜は明けて……
さて、白骨死体の発見と偽装カップルの急なキスがあった夜が明ける。
改めて言葉にしても前78話はカオスな展開であった。
これはもう『【推しの子】』あるあるだが、急な展開からの急ハンドル。
つまりは「結局どうなったねーん!」という状態だ。
読者へのお預けも通常運転。
今、読者にそのような余裕があるかは置いておき、端的に言葉にするならアクアもあかねも1コマも出番はない。それが今回79話だ。
これでGWを挟むので、また2週間待たされる訳だ。
恐らく読者は躾の行き届いた犬か何かと勘違いされている。
カオスな状況が明け、物語は各々のキャラクターが演じるべき方向へと動いていく。
前回、あかねとアクアがキスをしたように。
(口づけは明確には描かれていないが) ←悪あがき
前回をなぞる様に今回その役を与えられたのがルビーである。
突如現れた謎の少女にまるで台本を渡されるように、自身が知りたいことを語られる。
推理パートとして一応整理するが、ゴローが死亡し、アクアとルビーが生まれたあの日、殺人現場には大学生くらいの男と中学生くらいの男が居たと言うことが判明した。
アイを殺人したのは大学生だったようだ。
(ここのミスリードは後ほど触れる)
つまり、もう一人事件に関わる人物が居る。
前世から恋愛感情を持っているルビーはその姿を追うように役目を与えられるわけである。本物の父親を捜す復讐に駆られたアクアと同じ構造だと言える。
『【推しの子】』79話 より
ルビーの中でも点が線になるのだ。
ゴローを殺した犯人は二人。
うち、一人はアイを殺した。
つまるところ、その二人組はルビーにとって大切な人を二人も奪ったのだ。
生前の境遇から出来ないことを出来るようになり、天真爛漫という言葉が似合うように前だけを向いてきたルビーの表情は今までとは全く別の感情に染まるのだ。
『【推しの子】』79話 より
B小町の撮影
死体を発見し、呼んでもいない部外者が裏でキスをする。
そんなことになっても予定はキャンセルできないのだ。
アクアとあかねの姿が全く見えないのはそれはそれで不穏であるが、撮影の裏で宿でセッ……とかの展開で無ければもう何でもいいです。
当たり前であるが、あらゆるコンテンツには時期が存在する。
日本の文化として根付いている四季。それは漫画でもアニメでも音楽でも、分野を問わずあらゆるコンテンツに染み付いている。
しかし、創作物は一瞬で完成する訳ではない。
魔法の様に言葉を唱えれば完成するのではなく、MVにも以前からあるように音楽を作る工程があって、映像を撮る工程があって、それらを編集する工程が存在する。
つまり、夏ものは夏に、冬ものは冬に撮れるわけではないのだ。
業界あるある、季節が逆転する、だ。
水遊びのシーンを1つ撮るにも、冷たい水に浸かる勇気と低体温を解消する事前の準備が必要なのだ。意外とMV撮影は大変だ。
『【推しの子】』79話 より
ルビーに復讐心が芽生えたことで、その後の評価は変わってしまったかもしれないが、編集者目線から見て「自分の魅力を見て貰おう」としていることが伝わっているようだ。
勿論読者にも伝わっている。
重曹は可愛いのだ。(ここ大事)
推理パートのミスリード?
①殺人現場に居た中学生と大学生。
②アイを殺して自殺を図った大学生。
ここで気をつけなくてはいけないのは、②の大学生は①で言う中学生だと思われることだ。
簡単なことではあるが、理由は①と②の間には4年の月日が流れているからである。
アイが16歳に子どもを産み、20歳に殺されたことが根拠である。
謎の少女の発言のみが根拠であり、「中学生らしい」などと曖昧な表現が使われているため、これらの考察が間違いの可能性もあるが、おそらく上記のように考えられる。
であるならば、ゴロー殺人時点での大学生くらいの男はアイ殺人時点では23~27歳と考えられる。その男こそが、アクアとルビーの真の父親の可能性があるのではないだろうか。
以前の記事で姫川とアクアの父親は同じであるという仮説を立てた。
ゴロー殺害時点で18~22歳くらいであれば、その4年前に子どもを作っていてもおかしくはない。と言うより、不可能ではない。
14歳は早い気がするが16~18歳くらいの男であれば。
つまり、アイが未成年に手を出した訳ではない。
ここは注意したい。
個人的に、推理の情報提供にオカルトが入っている(明らかに見ているはずのない年齢の少女の不確かな発言のみ)というのはなかなか納得いかないが、一応整理した。
と、ここまで自信満々に書いたわけだが、どうやら大切な情報を見逃していたようだ。(なので誤情報には打消し線をつけておく)
『【推しの子】』10話 より
アイ殺害時の「大学生」の年齢は22歳と明記されていたのだ。つまり、ゴロー殺害時も18歳と恐らく大学生くらいの年齢なのだ。
では、ゴロー殺害時の「中学生」が本当の父親か?
この疑問に答えていこう。
一言で言うなら可能性は否定できないが恐らく、中学生=父親ではないだろう。
その根拠を3つほど挙げる。
①父親がゴロー殺害時現場に居たとは限らない
②宮崎に入ってからオカルト要素がある
③姫川の出生の時期からモラル的に問題がある
父親がゴロー殺害時現場に居たとは限らない
これは恐らくそう。
上述した私の誤った考察でも勝手に前提に置いていたが、別に父親が殺人現場に居たという確証はない(はず)なのだ。だからゴロー殺害時の二人のどちらかが父親(アイ殺害の犯人は既に父親では無いとされている)という議論が成立しない可能性もあるのだ。
宮崎に入ってからオカルト要素がある
冷静に考えれば「転生もの」であるからオカルト要素が無いというのはオカシイ。
しかし、ここで注目したいのは推理にオカルトが入り込んできているということだ。
言い捨ててしまうのなら、これは推理ものではない。
なぜなら如何なる伏線も「オカルト」の一言で片づけてしまえるからだ。
宮崎とは日本神話など、日本の中でも「オカルト」に縁がある。イザナギやイザナミ、アマテラスといった神々とMV撮影の宮崎県高千穂は関係が深いのだ。
実はルビーがアマテラスと自称したこともあることから、本作ではアクアやルビーの「転生」と日本神話のようなオカルトが深く関係していることが分かるだろう。
『【推しの子】』3話 より
『【推しの子】』74話 より
謎の少女も「導いてあげた」と発言していることからオカルト的存在であることは確定していると言える。(この発言から、本来アイが産むはずの子どもは死んでおり、そこにゴローさりなの魂を入れたと解釈できる)
『【推しの子】』75話 より
オカルト的な存在は容姿が変わらない可能性がある。
つまり、アイやゴローを殺害した大学生の横に居たのも、中学生くらいの身なりをしたオカルト的な存在であり、そいつが殺害教唆した可能性も考えられるのだ。
もしそうなった場合犯人にオカルト要素が加わり、いよいよごちゃつくが、無いとも言い切れないのではないだろうか。
姫川の出生の時期からモラル的に問題がある
最後にメタ的な思考であるが、モラルの問題だ。
もしアイが中学生くらいの男と子どもを作ったとする。
これだけでも十分にモラル的にアウトであるが、アクアたちの父親と姫川の父親が共通していることを考えると、さらにその4年前に男は子作りをしているのだ。
つまり、アイとセッ……する4年前。
だとしたら、その男は小学生になる。
姫川の母は小学生とセッ……したことになるのだ。
一言でまとめるのなら、そんな展開を集英社は許さないだろう。
以上からまとめるなら、ゴロー殺害時に現場に居た二人は、真相に関係があるとは言えるが、アクアとルビーの父親ではない可能性が高いと言える。
今週の重曹ちゃん
はい!
今週は重曹が可愛かった!
赤坂アカも自分でキャラクターに喋らせていたではないか。重曹は「見てほしい」し「可愛い」のだ。一生このまま重曹だけ映しておいてくれ。
『【推しの子】』79話 より
来週はGWで更新がないが、是非今後も重曹のコマを多めでお願いしたいものだ。
健やかに寝れる。