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【感想】『その着せ替え人形は恋をする』6巻

2020年11月25日発売の『その着せ替え人形は恋をする』最新6巻の感想ネタバレです!

6巻には本編の40話から47話までが収録されています。

 

 6巻感想ネタバレ(物語順)

40話41話:男でも可愛くなれる

コスプレイベントに参加した五条と海夢は水族館の中でスカートのホックを落として困っているコスプレイヤーを助けます。姫野あまねというコスネームのレイヤーさんに衣装を直そうと提案するも、五条は自分の提案に対し女子更衣室に入れないことに気が付いて焦ってしまいます。しかし、そんな五条に対してあまねは「僕男なので」と衝撃の一言を放ちます。


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『その着せ替え人形は恋をする』40話

 

一方、衣装直し中に海夢は以前のイベントで会った涼香さんに出会います。海夢の雫たんコスを見て涼香さんは語彙力の少ないオタクになります。前回太ももにメニューを書いていた徹底ぶりを思い出した涼香さんは海夢に今回はどうかと尋ねると、短パンを履いて対策をした上でしっかり書いていると明らかにします。

衣装直しが終わったあまねを交えて談笑する中で五条は女装メイクについて尋ねます。目元や骨格、ヒゲの剃り跡隠しなど、今までとは少し違ったコスの話を見ることが出来ました。その中であまねはスティックのりを顔に直塗りしてウィッグをセットするという男っぷりを見せつけます。(こんな原始的な…と思うのですが、意外とありそう)

その中で男なのにどうやって胸を作るのかという話になり、レタッチなど加工ではなく、おっぱいを装備しているとあまねは宣言します。そしてそのままおっぱいを見に行くことに。(???)


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『その着せ替え人形は恋をする』41話

 

42話43話:男でも可愛くなりたい

お店に着いた三人はおっぱいを五条に装備して遊んだり化粧品やパーツを眺めたりします。その中で五条はCOSボードに注目します。(これは今後の衣装づくりの伏線になりそうですね) 

お店を堪能した三人は写真を撮ることになります。ニヤけすぎて海夢のテーピングが外れ、それを修正する五条の姿を見てあかねも何かを思うようです。どうやらあかねは高2の時に姉の思い付きでメイクをしてみて、鏡に映った自分の姿に衝撃を受けたことがきっかけだったそうです。次第にコスプレをする自分のことを好きになり、遂にはせっかっくできた彼女に「気持ち悪いから捨てろ」と言われたことを語ります。あかねはそのまま「彼女を捨てちゃったんだ」と明るく笑います。あかねは自分のことを好きでいれるから平気だと続けます。それでも未だに「気持ち悪い」という感情を向けられることに構えてしまうことも告白しますが、五条はそんなことは思わないときっぱり言います。一度言われただけで誰もがそうだと決めつけてしまうのはよくないと、あかねはこのイベントに参加できてよかったと言います。そして別れ際に、五条と海夢の姿を思い出して「仲良くコスプレを続けてほしい」と願うのでした。


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『その着せ替え人形は恋をする』42話

まじでこの五条と海夢のコマはエモすぎてヤバみが深すぎますね。読者の誰もがあかねの視点から二人を温かく見守ることでしょう。

44話45話:バニーガールが嫌いな奴なんて居ない

 次の海夢のコスの目標として『こちら月夜野カンパニー』というコメディーアニメのバニーガールの少女、十六夜ありさを挙げます。そしてそのままストッキングだとか体のラインだとかバニーガールの良さを湯水の如く吐き続けます。


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『その着せ替え人形は恋をする』44話

そんなこんなで昼休みに屋上入り口で次のコスプレについて話していた五条と海夢ですが、そこに海夢の友達である乃羽がやって来ます。乃羽は海夢を連れて教室に戻る前に、五条の方へ意味深な視線を向けます。

ある日、五条から家に来れるかと連絡が来た海夢は喜んでお家デートだとはしゃぎますが、当の五条は衣装が上手くいかないことを相談するつもりだったそうで海夢は一人恥ずかしくなります。

バニーガールのスーツを、だらしなくするのは良くなく、しかし身体のラインを出したい。それを解決するのにクリップなど安易な手段は使いたくないと試行錯誤します。その中でコスプレショップに行き、店員さんにコルセット同様にボーンを入れることで解決できることを教わります。以前ブラックロベリアで同様のものを用いて作ったにも関わらず思いつかなかったことにガチ反省する五条ですが、店員さんは「間違いも楽しめばいい」と言います。

そんなこんなで衣装は完成し、試着になります。試着中の海夢から「困っている」という言葉を聞き、五条が扉を開けるとそこにはハイレグからパンツがはみ出した海夢が居ました。(五条が扉を閉めるまで、わずか0.01秒!)

46話47話:陽キャは悪い奴ではない

 スタジオを借りた二人は撮影に入ります。いつも通りキワッキワの写真撮影に五条は瀕死になりながらも写真撮影を続行します。海夢は露出対策を考えてきたと言いましたが、肌色ストッキングの重ね着であり、15歳思春期男性にとってはそれは肌となんら変わりはなく、結局いつも通りの撮影になるのでした。サスペンダーストッキングとか線ありタイツだとか五条は海夢の話に頷くばかりです。 

その流れでなぜか、五条が海夢とその友達のコスプレハロウィンパーティーに参加することになってしまいます。

ハロパ当日、街の中ではバニー姿の海夢が注目を浴びます。そしてそのまま打ち上げでカラオケへ行きます。その中で海夢のコスプレメイクを五条がやっていることが暴露されてしまい、「気持ち悪い」と思われることに身構える五条でしたが男性陣はそのまま普通にスタイリストやネイルの話へと話を膨らませていきます。さらには五条が雛人形屋さんであることを聞いても、引くことはなく尊敬すらするような感じで、五条の方も自分の視野の狭さに気が付きます。しかし、最後に今までずっと歌っていた乃羽ちゃんが「五条と海夢は付き合っているのか?」と爆弾を投下します。

 

 6巻感想ネタバレ(全体)

乃羽ちゃんと仲良くなりたい

6巻47話でハロパ打ち上げでカラオケに行った一向。47話の中では乃羽ちゃんが延々と歌い続け、最後に爆弾質問をしたのですが、それまでに歌っていた曲が私自身も好きな曲だったので、「乃羽ちゃんと仲良くなりてぇ~~」と思った次第であります。

歌っていた曲は以下を参照してください。

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片目のウィリー/THE PINBALLS

乃羽ちゃんが眼帯コスをしてハロパに来ていたことに関係あるのですかね?

 

youtu.be

ロックンロールは鳴りやまないっ/神聖かまってちゃん

シャウトっぽい荒々しさが続く爆弾質問への布石になっているのでしょうか?

乃羽ちゃんと仲良くなれるのか、作者の福田先生と趣味が合うのかは分からないですが、漫画の中で自分が普段聞いている曲が出てきたらうれしくなっちゃうアレです。

何気ない言葉でも呪縛になりうる

1巻ですでに五条は小さい頃に”のんちゃん” に「気持ち悪い」と言われてから雛人形が好きな自分のことを否定的に捉え、周りの人が全員同じように考えていると思っていることが分かります。実際にこのような何気ない言葉から起こる呪縛は有りがちなことで、仲間内で恋愛に興味がないことを馬鹿にされてから無理に恋愛ごとに興味を持とうとしたり、親に言われた何気ない一言を外でも守ろうとしたりと、言った側はそれほど呪縛という意味合いはなくとも受け取る側次第で言葉は大きな影響になりえます。

SNSなどでもありますが、人間すぐに主語を大きくしてしまいがちなものです。そしてその主語の大きさが曖昧な根拠からきていることに気が付かないまま、歪んだ常識として個人の中に定着するなんてことはありふれていると言えます。

そしてその五条の偏った価値観を最初に破ったのは海夢との出会いであり、そして海夢を通じて”視野が広くなり呪縛から解放される”というのはこの物語の根底にあったテーマの一つであると思います。

 前半と後半でのキャラの対比

6巻では前半と後半で綺麗にキャラの対比が行われていました。

前半では、コスイベントに参加したアカネに対して五条が「気持ち悪い」と思わないと告げることであかねの世界が広がるという構図。後半では、衣装づくりについては店員さんに「視野が狭くなりがちなものだ」と教わり、ハロパでは今まで自分のことを「気持ち悪い」と思っている、思うだろうと決めつけていた人たちがそうではないことに気が付くという構図。

自分が当たり前にしていることは、他の人もわりと当たり前にしているものなんですよね。「情け」という言葉を使うのは少し違う気もしますが、情けは人の為ならずといった感じでしょう。自分は「気持ち悪い」と思わないのに、どうして他の人は全員「気持ち悪い」と思うことがあろうか。(反語)このように人間としての広がりが前半と後半で対比されていましたし、以前おじいちゃんが五条の人形のことを「よくなっている」と褒めたときに様々な経験が必要と言っていました。それはこの人間的な広がりを意味しているのでしょう。

何気ない言葉がその人をずっと縛り付けることもあれば、その人の世界をずうぅと広げることもあるんですね。

のんちゃん????

1巻から出ているのんちゃんですが、前から思ってたけど、あれ???似てね???
名前ものんちゃんと乃羽ちゃんですけど?????

こちら回想ののんちゃん。


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『その着せ替え人形は恋をする』47話

 

こちらポッキーを食べながら五条に意味深な視線を向ける乃羽ちゃん。


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『その着せ替え人形は恋をする』44話

 

ずぅ~と思ってたんですけど、たぶん同一人物ですよね??

これは「何気ない一言で傷つけてしまったのをずっと気にしていた幼馴染」の登場の伏線か?と思ってしまいますね。でも仮にも絡みはあるだろうし、五条が気づかないということは別人なのか、それとも髪をインナー染めたり化粧したりしているので気づいていないのか。
こちらも目が離せません。

もしのんちゃんなら、最後の「二人は付き合っているのか」という質問は友達の海夢を気に掛ける言葉であると共に、幼馴染の五条への何かしら想うところがあるのかもしれませんね。

 

 

という訳で次回7巻も楽しみです。

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